コミュニケーション研修用ゲーム「kゲーム」のやり方
今回はコミュニケーション研修で実施可能なkゲームのやり方について書いていきます。
kゲームはルールはとてもシンプルながら、会社組織におけるコミュニケーションの取り方や組織としての目標の共有などについて学びのあるビジネスゲームです。
kゲームのやり方
まず、kゲームは原則5人1組で実施します。
また、5名の1名が部長役となっていただきます。部長の部下として課長役の2名を決めます。なお、部長は課長とのみコミュニケーションを取ることができます。最後に社員役を2名決めます。社員は自分の課長とのみコミュニケーションを取ることができます。
具体的には以下のような関係性となります。
kゲームのルール
まず、先程書いたとおり、kゲームではコミュニケーションを取ることができる相手が限定されています。しかも、そのコミュニケーションは筆談でのみ許されており、口頭で情報を伝えることはできません。
それぞれの受講者には「指示書」と「カード4枚」、「メモを30枚」が配布され、メモ用紙を使って筆談で他の社員とコミュニケーションを取ることができます。
指示書にはゲームのルールが記述されていますが、ゲームのクリア条件は部長の指示書にのみ記述されています。また、そのことを部長役は知りません。
さて、ゲームのクリア条件ですが、それぞれの受講者が同じ種類のカードを4枚揃えること、となっています。
実は、受講者に配られた4枚のカードは全部で5種類のカードとなっており、それがバラバラに配布されています。ここでは、単純化するためにカードは「部長」、「課長A」、「課長B」、「社員A」、「社員B」の5種類としましょう。
それぞれのカードが4枚ずつ合計20枚のカードが、受講者にバラバラに配布されています。
ゲームのクリア条件は同じ役職のカードを4枚集めることです。
注意点として、部長が「課長A」のカードを集めても構いません。
なお、カードは交換することができますが、交換には2つの条件があります。
つまり、部長は課長と、課長Aは部長と社員Aとのみ行える。
2.カードは同じ枚数で交換しなければならない
つまり、部長が1枚、課長が2枚という交換はできない
制限時間に達するか、部長役が作業が完了したと思ったら手をあげることによってゲームは終了します。
弊社では「部課長ゲーム」として提供中
なお、弊社ではkゲームを部課長ゲームという名称で提供しております。
kゲーム/部課長ゲームの具体的な実施の流れについてはこちらを御覧ください。
部課長ゲーム実施の詳しい流れ
kゲームの実施中の様子と3つのポイント
ゲーム中、部長、部下の頭の中はこのようになっています。
この状態の部下は下画像のロバート・ケリーによるフォロワーシップ理論の消極的フォロワーといえます。
画像参照:https://onoff.ishin159.info/archives/7865
(現在はページが削除されているようです)
例えば、上画像右上の模範型フォロワーならば、このようにコミュニケーションを取るでしょう。
色々と指示を頂いていますが、これはどうなれば良いのか目的を教えてもらえますか?
ここまでを踏まえて、部課長ゲームのポイントは以下の3点です。
1.目的の共有
1つめは「目的の共有」です。
このゲームでゴール(目的)は部長役のみ知っているという状態でした。
しかし、部長は当然、他の受講者も目的を知っていると思っています。
これは、実は実際の会社の中でもよくあることなのです。管理職は目標・ゴール・ビジョンを知っているが他の役割はそれを理解していないため、課長以下のメンバーとしては部長がなぜそのようなことを言うのかがわからず管理職もなぜ他のメンバーがゴールに向かう適切な行動を取らないのかがわからず、困惑している状態です。
コミュニケーション研修の第1歩として、そもそも、何のためにコミュニケーションを取るのか?
それは目的・ゴール・目標の達成のためであり、まずは目的を伝えるところからです。
また、メンバーの立場としても報連相の重要性、フォロワーシップのあり方を学べるコンテンツとなっています。
2.報連相の重要性
2つ目のポイントは報連相の重要性です。
このゲームは情報が上記画像にあるとおり、情報が分断されており、全員が全体像を把握することが難しくなっています。
そこで、メモを使ったコミュニケーションによる報告・連絡・相談が必要となります。
口頭でのコミュニケーションとは違い、ニュアンスなどの曖昧さはメモでは伝わりません。
適切な情報を相手から引き出し、また、相手に伝えることによってスムーズなコミュニケーションが可能となります。
このゲームではメモ用紙の枚数に制限があることもポイントとなっており、メールの書き方についての学びもあります。
3.風通しの良い組織づくり
最後のポイントは風通しの良い組織づくりについてです。
このゲームでは、社員Aからみると課長Aとしかコミュニケーションがとれず、メモやカードを渡せる相手が限定されていました。
この状態で、かつ、ポイント1でお伝えした目的が見えない状態では、社員Aによってこのゲームはただの作業にすぎず、部長、課長への不満が募るでしょう。
これは決して風通しの良い組織とは言えません。
現実社会でも部門間のコミュニケーションはほとんどないというの実情ではないでしょうか。
(今回で言えば社員Aと社員Bのコミュニケーションは発生せず部門の壁を感じます)
コミュニケーション研修としての3つめのポイントは個人のコミュニケーションスキルだけではなく、組織としてのコミュニケーションスキルとしての部門を超越したコミュニケーションが取りやすい仕掛けをいかにして作るか?ということになります。
部課長ゲーム検討における注意点と受講者満足度
kゲームはゲーム中、無言での実施となりますので、いわゆるコミュニケーションの推進には向きません。ご了承ください。
ただし、無言での実施にも関わらず、約90社の実施で、受講者満足度5点満点で4.75となっており、多くのお客様に満足いただいております。(弊社では部課長ゲームとして提供 2024年2月現在)
最新の満足度はこちらをご覧ください。
まとめ
いかがでしょうか。kゲームのルール、ポイントをなんとなく掴んで頂けたでしょうか。
kゲームを始めとするビジネスゲームはゲームとしての楽しさと、ゲーム後の振り返りまで含めて行うことで研修効果が高まります。
ゲームを実施する際はぜひ振り返り部分に力を入れて実施してみて下さい。
また、具体的な実施の流れについてはこちらを御覧ください。
部課長ゲーム実施の詳しい流れ
準備工数を掛けずに実施したい方へ
弊社ではkゲーム(別名、部課長ゲーム)を実施するにあたってのカード、ボード、運営スライド(ppt形式)、、ワークシート(PDF形式)、ファシリテーター向け動画マニュアルの提供を行っております。有料となります。
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