ピラミッドストラクチャー練習問題|桃太郎で学ぶロジカルシンキング研修の演習例

「ピラミッドストラクチャーの練習問題をやってみたい」「ロジカルシンキング研修で使える具体的な演習例を探している」——そんな方へ、誰もが知っている童話「桃太郎」を題材にしたピラミッドストラクチャーの演習問題をご紹介します。
所要時間は15〜30分、新入社員から若手社員向けの研修にそのまま使える内容です。
ピラミッドストラクチャーとは?
ピラミッドストラクチャーとは、伝えたいメッセージ(結論)を頂点に、それを支える根拠や具体例を階層的に積み上げていく論理構造のことです。コンサルティング会社マッキンゼーのバーバラ・ミント氏が著書『考える技術・書く技術』で紹介したフレームワークとして知られ、ロジカルシンキング研修の定番教材になっています。
基本構造は次のように3階層で成り立ちます。
↑
【中段】キーライン(結論を支える主要な根拠 3〜5個)
↑
【下段】サブ情報(キーラインを裏付ける具体例・データ)
ピラミッドストラクチャーを使うと、複雑な情報を整理して「何が言いたいのか」を明快に伝えられるようになります。
なぜ「桃太郎」で練習するのか?
ピラミッドストラクチャーの練習問題として「桃太郎」を使う理由は3つあります。
1. 誰もが知っているストーリーなので、題材の理解に時間を取られず、構造化そのものに集中できる
2. 明確な起承転結があり、論理構造を抽出しやすい
3. 登場人物・出来事がシンプルで、情報量が研修用に最適
新入社員向け研修で「いきなりビジネスケースで練習」すると題材理解につまずく方が多いのですが、桃太郎なら全員同じスタートラインから始められるのが利点です。
桃太郎で解くピラミッドストラクチャーの演習問題
それでは実際の演習に入りましょう。以下の3ステップで進めます。
Step1. バラバラに並んだストーリー断片を読む
まずは以下の12個のストーリー断片を見てください。順番は意図的にランダムになっています。
2. 桃太郎らは、船で鬼ヶ島に渡った
3. 大きな桃を持ち帰り、おじいさんが桃を切ると、中から元気な男の子が出てきた
4. 桃太郎は犬と一緒に鬼退治に行くことにした
5. 桃太郎たちは鬼を退治した
6. 犬を連れた桃太郎は、猿を仲間に入れた
7. 桃から生まれた男の子を「桃太郎」と名付けた
8. 桃太郎の住む村は何者かに宝物を奪われていた
9. 桃太郎、犬、猿、キジは協力して鬼と戦った
10. 犬、猿を連れた桃太郎は、キジを仲間に入れた
11. おばあさんが川で洗濯していると大きな桃が流れてきた
12. 桃太郎は鬼が宝物を奪っていることを村長から聞く
※内容を一部改変
Step2. グルーピングして論理構造を見つける
次に、12個の断片を「似た意味・関連する出来事」でグルーピングします。桃太郎の場合は次のような3グループに分けられます。
・グループA: 桃太郎の誕生(断片 11 / 3 / 7)
・グループB: 旅立ちの決意と仲間集め(断片 8 / 12 / 1 / 4 / 6 / 10)
・グループC: 鬼ヶ島での戦い(断片 2 / 9 / 5)
グルーピングのコツは「その断片がどの主要メッセージを支えているか」を問うことです。「誕生」「旅立ち」「戦い」という3つのキーラインが自然に見えてきます。
Step3. ピラミッド構造で表現する
最後に、頂点に結論(メインメッセージ)を置き、3つのグループをキーラインとして並べ、各グループ内の断片を下段に配置します。作成プロセスの流れは以下の通りです。

そして完成したピラミッドストラクチャーの例が下図です。「桃太郎は村を救うために仲間を集めて鬼を倒した物語である」という結論を頂点に、時系列の3段階がキーラインとして支える構造になります。

研修での進め方と活用ポイント
桃太郎の演習を研修で使う場合の目安と進め方です。
・所要時間: 15〜30分(説明5分 + 個人ワーク10分 + 共有10〜15分)
・対象: 新入社員〜若手社員、ロジカルシンキング初学者
・実施形式: 個人ワーク または 3〜5名のグループワーク
・用意するもの: ストーリー断片を印刷した紙 + ホワイトボード or 模造紙
個人ワーク中心でもグループワーク中心でも成立します。グループで実施する場合は「どの断片がどのキーラインを支えるか」の議論が学びになるので、発表の時間を長めに取ると効果的です。
参考書籍
ピラミッドストラクチャーを使った思考法をさらに深めたい方には、以下の書籍がおすすめです。桃太郎を題材にした別のピラミッド構造の例も紹介されています。
よくある質問(FAQ)
Q. ピラミッドストラクチャーと演繹法・帰納法はどう違いますか?
A. 演繹法・帰納法が「複数の情報から結論を導くプロセス」を指すのに対し、ピラミッドストラクチャーは「導かれた結論をどう整理して相手に伝えるか」を表現するフレームです。思考の道具として演繹/帰納を使い、その結果を見せる入れ物としてピラミッドを使う、という関係で捉えると整理しやすくなります。
Q. 桃太郎以外の練習題材を選ぶときのコツは?
A. 「参加者全員が同じ前提知識を持っている」「登場人物・出来事の数が10〜15件程度」「明確な起承転結がある」の3条件を満たす題材を選ぶと演習が安定します。浦島太郎・シンデレラ・有名な歴史エピソードなどが代替候補になります。
Q. 何名くらいで実施するのが効果的ですか?
A. 1チーム3〜5名・全体で10〜30名程度が標準です。チーム内での議論が活発になる人数で、発表時に他チームの構造化と比較できる規模になります。1名で取り組むと「自分の論理癖」に気づきにくいため、必ずチーム形式にするのがコツです。
Q. キーラインは必ず3〜5個に絞らないといけませんか?
A. 厳密な決まりはありませんが、3〜5個に収めるとMECE性とインパクトのバランスが取りやすいとされています。少なすぎると論拠が薄く、多すぎると聞き手が記憶できないため、結論を支えるのに必要十分な3〜5個に絞り込む訓練そのものが演習価値になります。
Q. 桃太郎の演習をビジネス事例にどう橋渡しすれば良いですか?
A. 演習直後に「最近書いた提案資料・週報・上司への相談メールから1件選び、桃太郎と同じ3階層で書き直してみる」という宿題型ワークを足すのが定番です。題材が桃太郎から自分の業務に切り替わるだけで構造化のスキルがそのまま転用できることを体感でき、研修後の定着率が大きく上がります。
まとめ
ピラミッドストラクチャーは複雑な情報を整理して論理的に伝えるための強力なフレームワークですが、いきなりビジネス事例で練習するとつまずきやすいものです。誰もが知る「桃太郎」を題材にすれば、題材理解ではなく構造化そのものに集中できるため、ロジカルシンキング研修の最初の一歩として最適です。
今回の演習をベースに、自社の業務事例や提案資料に応用してみてください。

