ピラミッドストラクチャー練習問題|桃太郎で学ぶロジカルシンキング研修の演習例

目次
1. ピラミッドストラクチャーとは?
2. なぜ「桃太郎」で練習するのか?
3. 桃太郎で解くピラミッドストラクチャーの演習問題
4. 研修での進め方と活用ポイント
5. ビジネスでのピラミッドストラクチャーの例
6. 参考書籍
7. ロジカルシンキング研修で使える教材・ゲーム
8. よくある質問(FAQ)
9. 研修導入をご検討の方へ
「ピラミッドストラクチャーの練習問題をやってみたい」「ロジカルシンキング研修で使える具体的な演習例を探している」——そんな方へ、誰もが知っている童話「桃太郎」を題材にしたピラミッドストラクチャーの演習問題をご紹介します。
所要時間は15〜30分、新入社員から若手社員向けの研修にそのまま使える内容です。
ピラミッドストラクチャーとは?
ピラミッドストラクチャーとは、伝えたいメッセージ(結論)を頂点に、それを支える根拠や具体例を階層的に積み上げていく論理構造のことです。コンサルティング会社マッキンゼーのバーバラ・ミント氏が著書『考える技術・書く技術』で紹介したフレームワークとして知られ、ロジカルシンキング研修の定番教材になっています。
基本構造は次のように3階層で成り立ちます。
↑
【中段】キーライン(結論を支える主要な根拠 3〜5個)
↑
【下段】サブ情報(キーラインを裏付ける具体例・データ)
ピラミッドストラクチャーを使うと、複雑な情報を整理して「何が言いたいのか」を明快に伝えられるようになります。
ピラミッドストラクチャーは、論理的思考力のうち「情報を構造化して結論を出す」力を鍛える道具の1つです。論理的思考力の全体像は「論理的思考力とは?6つの構成要素とビジネスでの具体例を分かりやすく解説」で解説しています。
なぜ「桃太郎」で練習するのか?
ピラミッドストラクチャーの練習問題として「桃太郎」を使う理由は3つあります。
1. 誰もが知っているストーリーなので、題材の理解に時間を取られず、構造化そのものに集中できる
2. 明確な起承転結があり、論理構造を抽出しやすい
3. 登場人物・出来事がシンプルで、情報量が研修用に最適
新入社員向け研修で「いきなりビジネスケースで練習」すると題材理解につまずく方が多いのですが、桃太郎なら全員同じスタートラインから始められるのが利点です。
桃太郎で解くピラミッドストラクチャーの演習問題
それでは実際の演習に入りましょう。以下の3ステップで進めます。
Step1. バラバラに並んだストーリー断片を読む
まずは以下の12個のストーリー断片を見てください。順番は意図的にランダムになっています。
2. 桃太郎らは、船で鬼ヶ島に渡った
3. 大きな桃を持ち帰り、おじいさんが桃を切ると、中から元気な男の子が出てきた
4. 桃太郎は犬と一緒に鬼退治に行くことにした
5. 桃太郎たちは鬼を退治した
6. 犬を連れた桃太郎は、猿を仲間に入れた
7. 桃から生まれた男の子を「桃太郎」と名付けた
8. 桃太郎の住む村は何者かに宝物を奪われていた
9. 桃太郎、犬、猿、キジは協力して鬼と戦った
10. 犬、猿を連れた桃太郎は、キジを仲間に入れた
11. おばあさんが川で洗濯していると大きな桃が流れてきた
12. 桃太郎は鬼が宝物を奪っていることを村長から聞く
※内容を一部改変
Step2. グルーピングして論理構造を見つける
次に、12個の断片を「似た意味・関連する出来事」でグルーピングします。桃太郎の場合は次のような3グループに分けられます。
・グループA: 桃太郎の誕生(断片 11 / 3 / 7)
・グループB: 旅立ちの決意と仲間集め(断片 8 / 12 / 1 / 4 / 6 / 10)
・グループC: 鬼ヶ島での戦い(断片 2 / 9 / 5)
グルーピングのコツは「その断片がどの主要メッセージを支えているか」を問うことです。「誕生」「旅立ち」「戦い」という3つのキーラインが自然に見えてきます。
Step3. ピラミッド構造で表現する
最後に、頂点に結論(メインメッセージ)を置き、3つのグループをキーラインとして並べ、各グループ内の断片を下段に配置します。作成プロセスは「並び替える→まとめる→要約する」の3段階です。

・並び替える: 12個の断片を、物語の時間の流れに沿って並べる
・まとめる: 同じ場面を支える断片を1つのグループにする
・要約する: 各グループに一言の見出し(キーライン)を付け、全体を1文の結論にまとめる
解答例:完成したピラミッドストラクチャー
12個の断片を3つのキーラインで整理した解答例です。受講者の回答と照らし合わせて、講評に使えます。
| 階層 | 内容 | 断片 |
|---|---|---|
| 結論(メインメッセージ) | 桃太郎は村を救うために仲間を集めて鬼を倒した物語である | ― |
| キーラインA | 桃太郎の誕生 | 11 → 3 → 7 |
| キーラインB | 旅立ちの決意と仲間集め | 8 → 12 → 1 → 4 → 6 → 10 |
| キーラインC | 鬼ヶ島での戦い | 2 → 9 → 5 |
下図は、同じ12個の断片を「誕生」「決意」「仲間」「鬼退治」の4つのキーラインで整理した例です。グループBの6つの断片は、「村を救うと決意するまで(8 / 12 / 1)」と「仲間を集める(4 / 6 / 10)」に分けることもできます。

キーラインが3つでも4つでも、次の2点を満たしていれば正解として扱えます。
・Why So?(なぜそう言えるのか): 各キーラインの下にある断片が、その見出しの根拠になっている
・So What?(つまり何か): キーラインをまとめると、頂点の結論になる
受講者の回答が解答例と違っていても、この2点を問いかけて説明してもらうと、構造化の考え方そのものを振り返れます。
研修での進め方と活用ポイント
桃太郎の演習を研修で使う場合の目安と進め方です。
・所要時間: 15〜30分(説明5分 + 個人ワーク10分 + 共有10〜15分)
・対象: 新入社員〜若手社員、ロジカルシンキング初学者
・実施形式: 個人ワーク または 3〜5名のグループワーク
・用意するもの: ストーリー断片を印刷した紙 + ホワイトボード or 模造紙
個人ワーク中心でもグループワーク中心でも成立します。グループで実施する場合は「どの断片がどのキーラインを支えるか」の議論が学びになるので、発表の時間を長めに取ると効果的です。
同じ桃太郎を題材に、登場人物を縦軸と横軸のマトリクスに配置する別の演習は「ロジカルシンキングのトレーニングは図にすることから」で紹介しています。ピラミッドの演習と組み合わせると、情報を整理する型を2種類体験できます。
ビジネスでのピラミッドストラクチャーの例
桃太郎で3階層の型をつかんだら、同じ型を業務の報告や提案に当てはめます。たとえば、部署の定例会議の進め方を変えたいと上司に提案する場合は、次のように整理できます。
| 階層 | 内容 |
|---|---|
| 結論(メインメッセージ) | 定例会議の資料は、前日までに共有する運用に変えたい |
| キーライン1 | 会議中の説明の時間が減る(例: 当日に資料を読み上げる時間がなくなる) |
| キーライン2 | 参加者が論点を考えてから会議に臨める(例: 初めて資料を見た場で意見を求められることがなくなる) |
| キーライン3 | 欠席した人も経緯を追える(例: 議事録だけでは分からない判断の材料が資料に残る) |
桃太郎の演習では断片を「物語の場面」でまとめましたが、ビジネスの提案では「結論を支える理由」でまとめる点が違います。キーラインを並べたら、聞き手の立場で「なぜそう言えるのか」「つまり何が言いたいのか」を読み返し、根拠が足りない所や結論とつながらない所を直します。
研修では、桃太郎の演習の直後に「最近書いた報告書や提案メールを1件選び、同じ3階層で書き直す」ワークを入れると、題材が業務に切り替わっても型を使えることを体感できます。
なお、結論や根拠そのものが妥当かを疑って確かめる考え方は、クリティカルシンキングと呼ばれます。ロジカルシンキングとの違いは「クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違いとは?具体例でわかりやすく解説」をご覧ください。
参考書籍
ピラミッドストラクチャーを使った思考法をさらに深めたい方には、以下の書籍がおすすめです。桃太郎を題材にした別のピラミッド構造の例も紹介されています。
ロジカルシンキング研修で使える教材・ゲーム
桃太郎の演習を入り口に、講義やチームでの演習まで研修を組み立てたい場合に使える教材とゲームを紹介します。
ロジカルシンキング研修用パワーポイント資料
演習だけでなく、ロジカルシンキングの講義パートも社内講師で実施したい場合は、弊社のロジカルシンキング研修用パワーポイント資料(全122枚)を使えます。MECE、ロジックツリー、ピラミッド原則など、ロジカルシンキング研修で扱う内容をまとめた資料です。
ピラミッド原則の章には、メイン・キーライン・サポートの3階層の解説に加えて、ビジネスの題材で考える具体例と、13個の文を分類してピラミッドを完成させる演習が入っています。桃太郎で型をつかんだ後に、ビジネスの題材で練習する流れをそのまま作れます。

ロジカルシンキング研修に使えるパワポ資料!122枚で準備を20時間削減
桃太郎村の地図(カード版)
ピラミッドストラクチャーの演習が「1人で断片情報を構造化する」練習だとすると、「桃太郎村の地図」はチームで断片情報を共有して全体像をつくる練習です。
桃太郎村の地図は、各自に配られた情報カードを口頭のみで伝え合い、情報を整理して、架空の村のどこに何の建物があるのかを特定し、地図を完成させるグループワークゲームです。お互いが持つ異なる情報を共有して全体像をつかむ、ジグソーメソッド(ジグソー法)を活用しています。ゲーム後の振り返りでは、人に分かりやすく伝えるためのPREP法や、事実と意見を分けて伝えることの大切さを学べます。
2026年8月現在、桃太郎村の地図(カード版)の導入社数は約50社、受講者満足度は4.77(5点満点)となっております。

・対象人数: 3名以上、100名超まで対応(1チームは3名から4名を推奨)
・実施時間: 50分から60分(説明、ゲームの実施、答え合わせと振り返り)
・実施環境: プロジェクター、各チームに1つのテーブル

情報を整理して地図を完成せよ!「桃太郎村の地図」
よくある質問(FAQ)
Q. ピラミッドストラクチャーと演繹法・帰納法はどう違いますか?
A. 演繹法・帰納法が「複数の情報から結論を導くプロセス」を指すのに対し、ピラミッドストラクチャーは「導かれた結論をどう整理して相手に伝えるか」を表現するフレームです。思考の道具として演繹/帰納を使い、その結果を見せる入れ物としてピラミッドを使う、という関係で捉えると整理しやすくなります。
Q. 桃太郎以外の練習題材を選ぶときのコツは?
A. 「参加者全員が同じ前提知識を持っている」「登場人物・出来事の数が10〜15件程度」「明確な起承転結がある」の3条件を満たす題材を選ぶと演習が安定します。浦島太郎・シンデレラ・有名な歴史エピソードなどが代替候補になります。
Q. 何名くらいで実施するのが効果的ですか?
A. 1チーム3〜5名・全体で10〜30名程度が標準です。チーム内での議論が活発になる人数で、発表時に他チームの構造化と比較できる規模になります。個人ワークでも実施できますが、1名だけで取り組むと「自分の論理癖」に気づきにくいため、個人で考えた後にチームで答えを見せ合う時間を取るのがおすすめです。
Q. キーラインは必ず3〜5個に絞らないといけませんか?
A. 厳密な決まりはありませんが、3〜5個に収めるとMECE性とインパクトのバランスが取りやすいとされています。少なすぎると論拠が薄く、多すぎると聞き手が記憶できないため、結論を支えるのに必要十分な3〜5個に絞り込む訓練そのものが演習価値になります。
Q. 桃太郎の演習をビジネス事例にどう橋渡しすれば良いですか?
A. 演習直後に「最近書いた提案資料・週報・上司への相談メールから1件選び、桃太郎と同じ3階層で書き直してみる」という宿題型ワークを足すのが定番です。題材が桃太郎から自分の業務に切り替わるだけで構造化のスキルがそのまま転用できることを体感でき、研修後の定着率が大きく上がります。
研修導入をご検討の方へ
弊社では、本記事で紹介したロジカルシンキング研修用パワーポイント資料の販売と、桃太郎村の地図(カード版)を社内講師で実施いただけるキットのレンタルを行っております。
パワーポイント資料はデータでの納品で、貴社内の研修で加筆・編集してお使いいただけます。桃太郎村の地図のレンタルキットには情報カード、運営スライド、動画マニュアルが含まれており、社内講師の方でも実施いただけます。

桃太郎村の地図の運営スライドには、講師向けの説明メモが付いています(下画像は振り返りのスライド)。

詳細な資料、お見積りをご希望の方はまずは下記より資料請求をお願いします。
※同業他社様からのお問い合わせはご遠慮ください。
まとめ
ピラミッドストラクチャーは複雑な情報を整理して論理的に伝えるための強力なフレームワークですが、いきなりビジネス事例で練習するとつまずきやすいものです。誰もが知る「桃太郎」を題材にすれば、題材理解ではなく構造化そのものに集中できるため、ロジカルシンキング研修の最初の一歩として最適です。
今回の演習をベースに、自社の業務事例や提案資料に応用してみてください。


