会議でアイデアが出ない」「全員で集まってブレストしてもいつも同じ結論になる」という悩みは、多くの企業で共通しています。アイデアを出すことと評価することは、実は脳内で異なるネットワークが活性化する、全く別の作業です。

本記事では、ログミーBizで紹介された予防医学研究者・石川善樹氏らの対談から、脳科学に基づいた会議のやり方を整理し、弊社HEART QUAKEがビジネスゲームの企画でも実際に使っているプロセスをご紹介します。

少人数は革新的、大人数なら改善のアイデアが出やすい
天才の「思考プロセス」を真似る方法

https://logmi.jp/business/articles/321085

この対談は、予防医学研究者の石川善樹氏、法政大学経営学部の永山晋氏、Sansan株式会社の西田貴紀氏によるイベントログで、クリエイティブなアイデアを生み出すための脳科学的なポイントが整理されています。

アイデア生成と評価は別の脳ネットワーク

脳科学的な観点では、アイデアを生成する場面アイデアを評価する場面で、異なる脳のネットワークが活性化します。

脳のネットワーク 活性化する状況 向いている作業
デフォルトモードネットワーク 1人で「ぼーっと」しているとき アイデアの生成・ひらめき
エグゼクティブネットワーク 複数人で外的刺激に反応しているとき アイデアの評価・選択・処理

デフォルトモードネットワークは「ぼーっと」しているときに活性化する脳領域で、NHKスペシャル「人体」などでも紹介され広く知られるようになりました。一方、多数のアイデアから一つを選ぶような評価の場面では、外的刺激に対する反応を処理するエグゼクティブネットワーク(セントラルエグゼクティブネットワーク/エグゼクティブコントロールネットワーク)が活性化します。

対談の中では、大人数で考えるとアップグレード、少人数で考えるとアップデートにつながりやすいとも整理されています。

脳科学に基づいた会議のやり方(4ステップ)

これを実務の会議運営に落とすと、次の4ステップで進めるのがおすすめです。

ステップ 活用するネットワーク
1. 会議前に各自でアイデアを考え、試作品を持ってくる デフォルトモードネットワーク(1人思考)
2. 会議では試作品を試し、フィードバック&その場で改善 エグゼクティブネットワーク(複数人評価)
3. 次の会議までに試作品を修正 デフォルトモードネットワーク(1人思考)
4. 1〜3を繰り返す 両方を往復させる

前述の通り、クリエイティブなアイデアは1人のときに生まれやすいため、会議前の時間に各自でアイデアを考え、試作品(プロトタイプ)まで持ってくる形が効率的です。会議では全員でプロトタイプを試し、フィードバック+その場の改善を同時に進めます。

弊社HEART QUAKEでは、この方式で新しいビジネスゲームを開発しています。各自がゲーム試作を作ってきて、ゲームデザイナー3人で実際にプレイしながらフィードバックするというプロセスです。

新規事業企画の文脈であれば、各自が企画案を考えて会議に持ち寄り、その場で他メンバーのフィードバックを受けて改善していく形になります。

よくある会議の失敗パターンと対処

脳科学の観点から見ると、以下のような会議運営はアイデア生成効率を下げる典型パターンです。

会議の場でゼロからブレストする:大人数で集まって一斉に考え始めると、デフォルトモードネットワークが活性化しにくい → 事前に各自で考える時間を設ける
決定と発想を同じ会議でやる:評価モードに入ると発想が止まる → 発想回と評価回を時間帯で分ける
沈黙を気まずく感じて埋めてしまう:沈黙はむしろ発想の兆し → ファシリテーターが沈黙を尊重する
部屋に大人数を集めてしまう:評価には有効だが発想には不向き → 発想には2〜3名、評価には5〜8名など使い分ける
プロトタイプがないまま議論する:抽象議論のループに陥る → 未完成でも「試せる形」で持ち込むルールにする

会議運営・発想法を学ぶ書籍

会議運営と発想法の知見を体系的に学ぶには、下記書籍が参考になります。

まとめ

1人のときに活性化するデフォルトモードネットワークでひらめきを得て、複数人のときに活性化するエグゼクティブネットワークで評価・改善する。脳科学の知見を会議運営に当てはめると、「各自で考える→持ち寄って評価する→また各自で改善する」というシンプルな往復プロセスが最も効率的と言えます。


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