McGrathによる組織の課題の8つの分類
今回は読んでいた論文の中で面白い図を見つけたのでご紹介したいと思います。
それが、集団で取り組む課題の分類という図です。
組織やチームの課題の分類といっても良いと思います。
それが下図です。
チームの有効性とその規定要因
──心理学のパースペクティブから
山口 裕幸(2020)
日本労働研究雑誌 62 (7), 14-23, 2020-07
労働政策研究・研修機構
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2020/07/pdf/014-023.pdf
図の読み取り方は下記のように示されています。
認知(cognitive) ⇔ 行動(behavioral)
の次元を横軸におき,
次に
葛藤解決的(conflict resolution) ⇔
調整的(coordinate) ⇔
協働的(collaborate)
を縦軸において,
それらの特性の組み合わせで4つの分類枠組みを構成し,
さらに各枠組みを2つに分類して,全部で8種類の課題に分類した。
A:発生(generate)課題
1行動的な計画立案(planning tasks)と
2想造的アイディア創出(creative tasks)
B:選択(choose)課題
3問題解決(正解あり: intellective tasks)と
4意思決定(正解なし: judgment tasks)
C:交渉(negotiate)課題
5認知的葛藤(cognitive conflict tasks)および
6利害対立葛藤の解決(mixed motive tasks)
D:実行(execute)課題
7競争・闘争勝利 (contests/battles)と
8所定の手続きによる課題遂行(psychomotor tasks)
※一部見やすいように修正
先程の図と日本語訳をまとめると下記のようになります。
※論文中の画像を加工しています
個人的に面白いなと思ったのが、選択課題を問題解決と意思決定の2つに分けている部分で、問題解決には正解があるが、意思決定には正解が無いという部分です。
リーダーには意思決定能力が求められると言われることがありますが、これはまさに正解が無い(少なくとも現時点では見えない)状況で決めることを端的に表している表現だと思いました。
また、発生課題の部分の計画立案なのか、想像的アイデア創出なのかという部分は会議の目的などで意識できるとよいのかなと思いました。
今回の会議は、アイデアを出すための会議なのか、計画やスケジュールを決めていく会議なのか、といった具合です。
このように組織の課題をそこそこキレイに分類してくれているのは凄いことだと思います。今、何かの課題にぶつかって悩んでいるという方はその課題がどの分類のものなのか、この図を見て考えてみるのも良いでしょう。
まとめ
今回はMcGrathによる組織の課題の8つの分類をご紹介しました。
参考になれば幸いです。
──心理学のパースペクティブから
山口 裕幸(2020)
日本労働研究雑誌 62 (7), 14-23, 2020-07
労働政策研究・研修機構
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2020/07/pdf/014-023.pdf