その意思決定が失敗する4つの理由
仕事は意思決定の連続です。
特に経営者や管理職になると、会社や部門に与えるインパクトが大きな意思決定をしなければなりません。
しかし、「意思決定の方法」は誰も教えてくれないものです。
それが会社や事業を潰す可能性があるのにも関わらず、です。
今回は「その意思決定が失敗する4つの理由」と題して逆説的アプローチで意思決定を考えてみたいと思います。
意思決定が失敗する4つの理由
「決定力」という本によると、意思決定が失敗する理由には以下の4つの罠があるからだ、とされています。
第二の罠 確証バイアス
第三の罠 一時的な感情
第四の罠 自信過剰
逆に言えばこの4つの罠を避けることができれば、意思決定は成功する確率が高まるということです。1つずつ見ていきましょう。
第一の罠 視野狭窄
第一の罠は「自分の思考の視野を狭くしてしまう」ということです。
具体的には、私達は「この商品を買うべきか、否か」という問いを立ててしまうということです。
この問いだと選択肢は2つしかありません。
そこで、重要なのは「もう1つだけ選択肢を広げる」ということです。
先の例では、「この商品を買うべきか、借りるべきか、どちらもしないか」という形です。
もう1つだけ選択肢を増やしてみることで意思決定の質が変わってくるというのです。
余談ですが、オセロで勝つには相手が打てる場所の選択肢を減らすというのが重要です。
打てる場所の選択肢が減れば、それが悪い手であるとわかっていてもそこに打つしかありません。
第二の罠 確証バイアス
第二の罠は「思い込み」です。
私たちは脳は「一貫性を重視する」と言われていますが、一度正しいと思ったことに対しては、それを正しいと裏付ける情報ばかり目につきます。
カラーバス効果という言葉も聞いたことがあるのではないでしょうか。
「今日1日、赤いものに注目して下さい」と言われると、普段は気づかなった通勤経路にも赤いものがたくさんあったり、オフィスにも赤のものが意外と多いことに気づくでしょう。
このように一度意識をそこに向けると、その情報を集めてしまいがちという力が脳にはあるようです。
しかし、それは反証を排除しがちということに他なりません。
つまり、「意図的に反証を探す」といったことや、「反対意見が出やすい状況を作る」ということが重要になります。
なお、バイアスについてはいくつかの種類がありますので、画像をクリックして確認してみてください。
第三の罠 一時的な感情
第三の罠は「感情の支配」です。
何も買うつもりは無かったのに、お店に入って一目惚れ、ということはプライベートではよくあると思います。
仕事にはノリと勢いが必要!というのもわかりますが、重要な意思決定の局面では立ち止まって考える必要がありそうです。
対応策としては「あなたと同じ状況にある友人にアドバイスするならどうするか?」ということです。
好きな人に告白できない友人に対しては「後悔するから告白すべきだよ」と友人にアドバイスするならば、あなたもそうした方がよいでしょう。
また、以前に紹介した「10-10-10のフレームワーク」で時間軸を長くしてみるのもよいでしょう。
10分後はどのように感じているだろうか?
10ヶ月後はどのように感じているだろうか?
10年後はどのように感じているだろうか?
10分、10ヶ月、10年という3つの時間軸に分けて考えることで意思決定の質が上がるというのです。
第四の罠 自信過剰
第四の罠は「自分への自信過剰」です。
いや、自分に自信なんてないよ、という方もいるかもしれません。
しかし、年初に立てた目標を見返せばそうは言っていられないと思います。
ダイエットする、お金を節約する、英語の勉強をする・・・
さて、今、どれぐらいできていますか?
おそらく、目標を立てた当初はそれをやりきれる「自信」があったのです。
この罠から逃れるためには「未来に幅をもたせる」という考え方をすることです。
具体的には、最高のケース、最悪のケース、普通のケースと言ったいくつかのオプションを想定しておくことです。
多くの場合は普通のケースの達成も難しいでしょう。
企業におけるプロジェクトの進捗などを思い起こせば明らかです。
また、「短い期限」や「小分け」という概念を取り入れることも重要です。
子供の頃の夏休みの宿題は結局、8月末にやることになります。
これを7月末までにこれを終わらせる、という形で短い期限を設定することで回避できます。
お金の節約も、封筒に「食費(第1週分)」というように「小分け」にすることで節約できるといいます。
大きな意思決定でも、短い期間での期限を設けることで、大きなミスを防ぐことができます。
まとめ
いかがでしょうか。私個人としては自分で書いていて思い当たるふしが多く、反省しています。
逆に、個人的な問題をこのフレームワークでより良い方向に解決できつつあります。みなさんもぜひご活用下さい。
第一の罠 視野狭窄
第二の罠 確証バイアス
第三の罠 一時的な感情
第四の罠 自信過剰