新入社員研修ではほとんどの企業で「ビジネスマナー」を教えていると思います。

しかし、その実施方法については企業によって様々でしょう。
具体的には、社内講師で実施している場合、外部講師に登壇してもらっている場合、もしくは、社員を外部の教育研修機関に出している場合などが考えられます。

今回は外部講師に登壇してもらう、または、外部の教育機関に出している場合のビジネスマナー研修の講師の選び方について書きたいと思います。

求めているのはビジネスマナーか、接遇マナーか

講師の選び方にも関わってくるのですが、ビジネスマナー研修を実施する際、自社が求めているのはビジネスマナーなのか、接遇なのか、という視点です。

書籍や、サイトなどでも混ざってビジネスマナーとして書かれていることが多いと思いますが、ビジネスマナー研修を実施する際には重要な視点だと思っています。

下記の「接遇力」という記事の中で日本航空ご出身の方はこのように書かれています。

応対の現場においてマナーは、『形』であり、ルールにすぎません。
応対を必要とする仕事であればできて当たり前のことと言えます。

それに対して接遇は『心』で行うものです。

個人的な解釈ではそれぞれの違いを以下のように捉えています。

ビジネスマナー研修:ビジネス上必要なマナーの形を身につけ、失礼の無いようになる

接遇研修:おもてなしの心を持ってお客様に接するようになる

サービス業や、ポスピタリティを重視する企業では「接遇」のレベルまで必要だと思いますが、一般的な企業ではそこまでは求めず、上記解釈でのビジネスマナー研修でよいのではないか、と考えています。

ビジネスマナー講師の4つの分類

これまでに書いてきたとおり、自社が求めているのがビジネスマナーなのか、接遇なのかによって、講師の選び方も異なってくると思います。

特に、接遇レベルを求める場合は、一流ホテルや、レストラン、航空業界など、高いホスピタリティが求められるとされる業界での実務経験や社員研修経験がある講師が望ましいと言えるでしょう。

しかし、それ以外にも以下のような4つの分類で自社にあったビジネスマナー講師を選ぶことが重要だと考えています。

それが、「トーンと教え方」によるマトリクスです。

横軸が「トーン」で、その講師はトーンが「厳しい」のか「優しい」のかという視点です。
企業によっては「厳しくやってほしい」という企業もあれば、「厳しさは特に求めない」という企業もあります。

また、講師側も「どちらでも対応できます」という方がいると思いますが、個人的には相当な「役者」でなければ、個人の性格や特性が色濃く出るためどちらも対応することは難しいと考えています。

縦軸が「教え方」で、その講師は「答えを教え、しっかりとできるようにする」タイプなのか、「受講者に答えを考えさせ、目的や意味を考えさせる」タイプなのかという視点です。
こちらも企業や、担当者の意向によって求めるものが違ってくると思います。

具体的に、IT企業のエンジニアなどでは「チャット」によるコミュニケーションや「SNS」の活用が一般的ですが、IT業界専門のビジネスマナー講師でない限り、通常のビジネスマナー研修では「チャット」について深く扱われることはありません。

このように一般的なビジネスマナーの範疇を超えるようなケースが多い場合は、「答えを教えない」講師の方が有効かもしれません。

このあたりはプログラムの構成に大きく影響を与える視点ですので事前に考慮が必要です。

講師選定への3つのステップ

最後に、講師選定への3つのステップを書いておきたいと思います。

1.自社が求めるビジネスマナー研修は「接遇レベル」かどうか決める

2.複数の講師に上記マトリクスを見せ、「どこにプロットされるか」聞く

3.自社が求めているトーンと教え方に合う講師を選定する

もちろん、選定には価格や、講師実績なども考慮されると思いますが、ひとつの参考にして頂ければ幸いです。


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