自律型人材を育てる新入社員研修の設計|試行錯誤>講義の時間配分と3つの手法

【結論】自律型人材を育成する新入社員研修では、知識を一方的に伝える講義よりも、受講者が自ら頭を使い試行錯誤する時間を長く設計することが重要です。
具体的には、担当分野を調べ互いに教え合うジグソーメソッドや、グループディスカッション、ビジネスシミュレーションといった能動的な手法を取り入れます。
答えのないビジネス現場で主体的に動くための土台を、研修内の実践を通して築きましょう。

目次

1. 自律型人材とは
2. Googleに載っている答えを教える研修になっていないか
3. 講義 > 試行錯誤 になっていないか?
4. 試行錯誤をどう設計するか
5. ジグソーメソッドの導入
6. グループディスカッションの実施(NASAゲーム)
7. ビジネスシミュレーションの実施(ペーパータワーforビジネス/チームクリップ)
8. まとめ
9. よくある質問
10. 新入社員研修|自律型人材育成プログラム導入をご検討の方へ

多くの企業では「自分で考えて動ける人材を育成したい」と考えていることでしょう。

フランクリン・コヴィー・ジャパン社が「新入社員における現在の課題」として156人の「人事・教育担当者」にアンケートを取った実際のデータでも6割近い方が課題に挙げていらっしゃいます。

※出典: フランクリン・コヴィー・ジャパン「新入社員における現在の課題」調査

自律型人材とは

「自分で考えて行動できる人材」のことを自律型人材を呼ぶことがあります。

自律型人材とは自ら課題を見つけ出し主体的に動く人材。
「指示・命令待ち型」の社員ではなく、自らが考え、判断し、行動できる「自立型」の人材

Wikipediaより

では、「自律型人材をどのように育てていくべきか」ということですが、今回は新入社員研修の設計についてのヒントを書いておきたいと思います。
※残念ながら答えというものはまだ見当たりません。

Googleに載っている答えを教える研修になっていないか

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そもそも、なぜ企業で「自律型人材」を求めていのるかと言えば、ビジネスの世界は時代の変化が早く、画一的な答えのない(すぐに変わる)世界だからではないでしょうか。

つまり、「ビジネスの答えはGoogleで調べても出てこない」というのがポイントです。

逆に言えば、今の新入社員は時代背景的にGoogleで検索すればほとんどの答えが出てくることを知っています。「聞いたら教えてくれる」が当たり前なのです。

もしかしたら、先輩社員や社内SNSなどに聞けば(調べれば)多くの正解、答えが返ってくると(悪意なしに)考えている新入社員もいるかもしれません。

しかし、先ほど書いたとおり、ビジネスの世界には正解はなく、自分で見つけ出さなければなりません。そこで「自分の頭で考える」が必要になります。

講義 > 試行錯誤 になっていないか?

一方、研修の設計はどうでしょうか。自律型人材を育成したいと言いながら、Googleで調べれば答えが載っていることばかり教えている研修になっていないでしょうか。
もしくは、既存の知識の伝達(≒講義)の時間比率が多くなっていないでしょうか。

試行錯誤する時間よりも講義の時間比率が多くなれば、ある意味では「答えは誰かが持っている」ということを印象づけることになります。

当然、講義型にしたほうが一斉に知識の伝達が行なえるため、研修としての効率(学んだことをテストしたら点数が高いか?)は上がります。
※カークパトリックモデルのレベル2の話になります。

しかし、重要なのはあくまで「現場で成果を上げられるか」なはずです。
従って、自律型人材を育成したいのであれば、研修としては非効率に見えるかもしれませんが、

試行錯誤の時間 > 講義の時間

である必要があると思うのです。
思うのです、とはこれが答えなのかどうか人材育成にも答えがありませんので、「仮説」という意味になります。

試行錯誤をどう設計するか

【要点】新入社員に試行錯誤を促す研修設計として、具体的な手法がいくつか挙げられます。例えば、参加者同士の協調学習を促すジグソーメソッドの導入や、多角的な視点での議論を深めるグループディスカッションの実施が有効です。さらに、実践的な意思決定能力を養うビジネスシミュレーションも、自律型人材育成に貢献するでしょう。

では、試行錯誤させるとは具体的にどんな研修を行ったらよいのか、ということになりますが、こちらもヒントを書いておきたいと思います。

1.ジグソーメソッドの導入
2.グループディスカッションの実施
3.ビジネスシミュレーションの実施

1.ジグソーメソッドの導入

【要点】新入社員研修にジグソーメソッドを導入することで、自律的な学びを促進します。この学習法では、新入社員がそれぞれ異なるテーマを深く調べ、その内容を互いに教え合うことで、深い学びと理解を促します。例えば、「仕事の進め方」を「優先順位の付け方」や「報連相」などに分け、担当分野を新入社員自身が講義することで、主体的な学習と知識の定着を図ります。

ジグソーメソッド

ジグソーメソッドとは各学習者がまったく異なる領域の知識をそれぞれに学び、それを互いに教えあい、統合するという学習方法である。

例えば、「仕事の進め方」を研修で教える際に、講義形式ではなく、Aチームは「優先順位の付け方」、Bチームは「報連相」、Cチームは「社内ITツールの使い方」といった様に役割を与え、テーマについて調べ、担当する分野についての講義を新入社員自身が行うという手法です。

もちろん、講義において重要な項目が漏れていれば後から講師が補足してあげる必要があります。

この方法は時間は掛かりますが、自分で調べ、どこがそのテーマのポイントなのかを考え、他の社員に教えるという行動を取ることで深い学びを得ることができます。

2.グループディスカッションの実施(NASAゲーム)

NASAゲーム

こちらは既に実施されている企業も多いと思いますが、正解の無い、もしくは正解へたどり着くのが困難な問題についてグループでディスカッションを行う方法です。

具体的に有名なグループディスカッションとして「NASAゲーム」が挙げれられます。NASAゲームでは「月で遭難した」という設定で15個のアイテムの優先順位を個人、及び、チームでつけていくというゲームです。

個人として仮説を立て、チームでのディスカッションではお互いの仮説がぶつかります。その中でチームとしてのコンセンサス(合意形成)を行うことが目的です。

正解の無い、たどり着きづらい問題に遭遇した時にどのように考えることができるかが自律型人材にはとても重要です。

3.ビジネスシミュレーションの実施(ペーパータワーforビジネス/チームクリップ)

ペーパータワー
ビジネスシミュレーションはグループディスカッションよりもより現実の仕事に近い想定で行われるワークです。

グループディスカッションは短時間で、多くの準備を必要としませんが、あくまでケースによるディスカッションであり、現場感を感じることができません。

ビジネスシミュレーションは仕事の要素を抽出したゲーム型のワークで、例えば、弊社が提供しているペーパータワーforビジネスというビジネスシミュレーションゲームはA4の紙だけできるだけタワーを建てるというゲームです。

タワーの高さが会社の売上、使った紙の枚数が原価として、仕入れや品質管理などを考えさせられるゲームです。

勝利の方程式がわからない中で、仮説を立て、チームで行動する必要があります。
「自分の頭で考え、行動する」と書くと1人で実施するイメージを持ちますが、現実の仕事では複数人で行うことが多く、ビジネスシミュレーションではそれが体験可能です。

また、ゲームを複数回実施することでPDCAサイクルを回しながら仮説をブラッシュアップしていくことで、試行錯誤を行うことができます。

2026年8月現在、ペーパータワーforビジネスの導入社数は約140社、受講者満足度は4.91(5点満点)となっております。

最新の満足度はこちらからご覧いただけます。

自律と協働を同時に鍛える「チームクリップ」

自律型人材育成ゲーム チームクリップ

ビジネスシミュレーションの中でも、個人の自律とチームでの協働を同時に扱うのが「チームクリップ」です。参加者は映像制作会社「クリップ」の社員という設定で、個人のタスクチームのプロジェクトの両方を時間内に達成することを目指します。

このゲームの特徴は砂時計を使う点です。作業を行う際には砂時計をマスに置く必要があり、砂が落ち切るまで次の作業に取り掛かれません。砂時計は1人2本、砂が落ちるのは30秒なので、作業1つに30秒かかることを意味します。さらに作業マスには人数制限があり、他の人の砂時計を動かすことはできません。そのため「その作業はもう終わっているので砂時計を動かしてください」といった他者への働きかけがなければ、チームは時間内に終われない設計になっています。

ゲームはチームで作戦を立てる計画タイムと、実際に手を動かす実行タイムの繰り返しで進みます。終了後には振り返りの時間を設けており、実施時間次第では再チャレンジも可能です。多くの参加者は2回目に、他メンバーの負荷や状況を意識しながら自分の判断で動き始めます。

「自分の頭で考えて動く」だけでなく、チーム全体を見渡したうえで動く。弊社ではこれを協働的自律と呼んでいます。新入社員研修で「指示待ちからの脱却」を狙うのであれば、試行錯誤を設計する選択肢の1つになるはずです。

自律型人材を育成するゲーム型研修「チームクリップ」

まとめ

いかがでしょうか。
自律型人材を育成するためには 試行錯誤 > 講義 の経験のデザインが必要です。
具体的に試行錯誤をデザインするには以下の3つが考えられます。

1.ジグソーメソッドの導入
2.グループディスカッションの実施
3.ビジネスシミュレーションの実施

よくある質問

Q. 自律型人材を育成するために、なぜ講義よりも試行錯誤の時間が重要なのでしょうか?

ビジネスの現場にはGoogleで検索しても出てこない「正解のない課題」が多いためです。講義中心の研修では「答えは誰かが持っている」という依存心を強めてしまいます。非効率に見えても、自ら考え試行錯誤する時間を長く設計することが、主体的な行動力を養うために不可欠です。

Q. 新入社員研修にジグソーメソッドを導入するメリットは何ですか?

新入社員がそれぞれ異なるテーマを自ら調べて他のメンバーに教え合うことで、主体的な学習態度と深い知識の定着が期待できます。例えば「仕事の進め方」などのテーマを分担して講義を行うことで、受け身ではない自律的な学びの姿勢を養うことができます。

Q. NASAゲームなどのグループディスカッションはどのような効果がありますか?

正解のない、あるいは正解にたどり着くのが困難な状況において、個人の仮説を持ち寄り、チームで合意形成(コンセンサス)を図るプロセスを体験できます。他者と意見を交わしながら最適な答えを模索する経験は、自律型人材に必要な思考力を鍛えるのに最適です。

Q. 「チームクリップ」はどのような研修に適していますか?

チームクリップは、映像制作会社「クリップ」の社員という設定で、個人のタスクとチームのプロジェクトの両方を時間内に達成するビジネスシミュレーションです。砂時計で自分の作業時間を管理しながら、他のメンバーへ働きかけないと終わらない設計になっているため、「自分で考えて動く」と「周囲を見て動く」の両方が同時に問われます。指示待ちからの脱却を狙う新入社員研修や、チーム内の連携に課題がある組織のチームビルディング研修に適しています。

Q. ビジネスシミュレーションの費用や導入方法について教えてください。

こちらのビジネスシミュレーションゲームは、キットのレンタルが可能です。具体的な費用や詳細な導入プランについては、資料請求やお問い合わせ時にご案内しておりますので、お気軽にご相談ください。まずはペーパータワーforビジネスなどのプログラム内容をご確認いただき、自社の課題に合わせてご検討ください。

新入社員研修|自律型人材育成プログラム導入をご検討の方へ

【要点】自律型人材育成に役立つ新入社員研修として、弊社では「NASAゲーム」や「ペーパータワーforビジネス」などのゲーム研修を社内講師で実施できるキットを有料レンタルしています。カードや投影用スライド、講師向け資料/動画マニュアルが含まれており、研修目的や実施時期、受講人数に応じた詳細資料やお見積りは無料で資料請求いただけます。

弊社では、ご紹介したゲームの一部を社内講師で実施できるキットとしてカード、投影用スライド、講師向けの資料/動画マニュアルのレンタルを行っております。(有料)

ゲームの詳細は資料請求(無料)でもご確認いただけます。

詳細な資料、お見積りをご希望の方はまずは下記より資料請求をお願いします。

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その他、実施時期や受講人数など(300文字以内)


この記事を書いた人

千葉 順
千葉 順
株式会社HEART QUAKE 代表取締役
元法政大学兼任講師(キャリアデザイン論)
→ 詳しいプロフィール

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