OJTトレーナー研修で取り入れたい7つの内容
2026年4月も多くの企業で新卒採用が行われ、配属先の先輩社員がOJTトレーナーとしての役割を担うことになります。
OJT教育は新人の日常的な育成を担う重要な仕組みですが、「仕組みとして導入すれば成果が出る」わけではありません。会社として重要性を認識し、トレーナーが自覚を持って取り組むことが前提になります。そのために必要なのがOJTトレーナー研修です。

本記事では、OJTトレーナー研修に盛り込みたい7つの内容を整理します。
OJTトレーナー研修に取り入れたい7つの内容
| No | 内容 | 狙い |
|---|---|---|
| ① | OJTの目的 | 期待役割を明確にする |
| ② | 自分自身の棚卸し | 自分の育ち方を振り返る |
| ③ | マネジメントスタイルの把握 | 自分の癖・傾向を可視化 |
| ④ | 教え方の基本 | 教授スキルを身につける |
| ⑤ | ほめ方・叱り方の基本 | フィードバック技術 |
| ⑥ | 目標設定・管理の基本 | 成長を設計する |
| ⑦ | OJTシートの目的・書き方 | 組織とのインターフェイス |
①OJTの目的
最初に伝えるのは会社としてのOJTの目的と、新卒採用の意図です。
OJTトレーナーに選ばれた人の心境は様々です。
| よくある心境 | 研修でケアすべきこと |
|---|---|
| “部下”ができる誇らしさ | 成長機会と捉えてもらう |
| 何をしたらよいかの不安 | 具体的な進め方の共有 |
| 「面倒だな」という本音 | 会社としての期待を明確化 |
会社からOJTトレーナーへの期待を明確に伝え、トレーナー自身にも意義や成長の可能性を実感させることがポイントです。
②自分自身の棚卸し
OJTトレーナー自身の振り返りを行います。2人1組で相互インタビュー形式にすると深まります。
| 相互インタビューのテーマ例 |
|---|
| 自分が最も成長できたと感じた仕事 |
| 自分にとって良かったOJTトレーナー/上司 |
| 逆に、自分を伸ばせなかった先輩・上司 |
| 新人にどんな仕事を任せたら成長できるか |
棚卸しをした上で、OJTトレーナーとして新人の成長をどうデザインするかを設計段階から考えてもらいます。
③自分のマネジメントスタイルの把握

参考URL:SL理論
「良い上司像」ディスカッションで、自分が理想とする上司像を言語化し、他のトレーナーとの違いを確認します。マネジリアル・グリッドやSL理論など、理論的な解説も加えるとより深まります。
リーダーシップ理論とは?代表的な10理論を一覧でわかりやすく解説
PM理論とは?4つのリーダーシップタイプと無料診断テスト
④教え方の基本
“できる”と”教えられる”は別スキル——OJTトレーナー研修で強く意識させたいメッセージです。教え方の基本として以下の4ステップが使えます。
| ステップ | やること |
|---|---|
| ①仕事の目的・位置づけを伝える | 全体像・QCDの意識 |
| ②やってみせる | 思考プロセスを声に出す |
| ③やらせてみる | 説明させながら |
| ④フォローする | 頻度ルールを設計 |
研修では「お互いに特定の作業を教え合う」ワークを挟むと定着します。
新入社員(新人)への教え方の基本4ステップ
部下に仕事を任せる際の7つのステップ
⑤ほめ方・叱り方の基本
「ほめ方・叱り方」も日常で体系的に学ぶ機会がほぼないスキルです。OJTトレーナーが“どんな時に叱るか/どのように叱るか”の基準を持っていないと、部下の信頼感は簡単に損なわれます。
| 叱り方で外せないポイント |
|---|
| 人格ではなく”行動”を叱る |
| 他人と比較しない |
| 即時性を持たせる(あとで蒸し返さない) |
| 改善点の具体提案とセット |
研修ではケース(「こんなとき、あなたならどう叱る?」)を用意し、複数人で議論すると自分の癖に気づけます。
やってはいけない部下の叱り方6選
目標未達の部下へのフィードバック|4つのケース別の対処法と声かけ例
⑥目標設定・管理の基本
SMARTの法則などの目標設定の基本を押さえつつ、部下のタイプに応じて介入の深さを変える考え方を学びます。
| 部下タイプ | 介入の深さ |
|---|---|
| 細かく管理して欲しいタイプ | 進捗確認の頻度を上げる |
| 自由に任せて欲しいタイプ | 要所だけ関わる |
| 相談ベースで進めたいタイプ | 1on1の頻度を確保 |
| 独自の判断基準を持ちたいタイプ | 原則だけ共有し任せる |
目標設定の際に参考にしたいSMARTの法則とは
新入社員(部下)の4つのタイプに合わせた指導方法
⑦OJTシートの目的・書き方
OJTシートはOJTトレーナーと人事部をつなぐための重要なインターフェイスです。
| OJTシートの役割 |
|---|
| 新卒の日報/週報との整合性チェック |
| 成長の軌跡を組織として記録する |
| 人事・育成方針との擦り合わせの素材 |
| OJTトレーナー自身の内省材料 |
自社にOJTシートの用意があればそれを使って説明し、なければ一般的なシートをカスタマイズしても構いません。
押さえておきたいOJTシートの基本
OJTを放置プレイにしないために必要なこと
OJTトレーナーのためのコーチングスキル〜GROWモデル〜
まとめ
OJTトレーナー研修で取り入れたい7つの内容は以下の通りです。
| No | 内容 |
|---|---|
| ① | OJTの目的 |
| ② | 自分自身の棚卸し |
| ③ | 自分のマネジメントスタイルの把握 |
| ④ | 教え方の基本 |
| ⑤ | ほめ方・叱り方の基本 |
| ⑥ | 目標設定・管理の基本 |
| ⑦ | OJTシートの目的・書き方 |
会社としての期待×個人としての成長を両立させるOJTトレーナー研修を、新年度前の3月までに整えておきたい人事担当の方は、ぜひ7つの要素で設計を見直してみてください。
関連書籍
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業務支援・精神支援・内省支援の3つの支援フレームで、OJTにおける”支援の質”を体系化した古典。OJTシートや1on1の設計の土台にも使えます。

