職種によってストレス要因に違いがあるのか?
2015年12月からストレスチェックが義務化され、少しずつ自社の状況がわかり始めたころだと思います。
実際に、弊社には、ストレスチェックによって職場内の相互支援が少ないことが明らかになった企業様から、相互支援の重要さを学べるメンタルヘルス対策ゲーム「ストマネ」への問い合わせが増えてきています。(下図はゲーム実施風景)
ストマネについてはこちらを御覧ください。
「ストマネ」実施の流れ|メンタルヘルス研修
職種によってストレス要因に違いがあるのか?
今回はそんなストレスについて職種によってストレス要因に違いがあるのか?というテーマでこの論文をご紹介したいと思います。
:事務職と指導職の比較から
朴 明姫:中源大学校
大竹弘和:神奈川大学校
山田泰行:順天堂大学院、順天堂大学
岩浅 巧:順天堂大学院
水野基樹:順天堂大学院、順天堂大学
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjls/15/1/15_1/_pdf/-char/ja
この論文では、いわゆるスポーツジムの従業員を対象に、事務職とトレーナー職(論文中では指導職)のストレス要因に違いがあるのか?あるとしたらどのような違いがあるのか?を分析しています。
一般企業で言えば事務職と営業職のストレス要因の違いというようなことになるかと思います。
職業性ストレスは新職業性ストレス簡易調査票、精神的健康度はGHQ-12を用いて調査を行ったところ以下の表のような結果が得られたということです。
※論文中の表5を加工して引用
表からも読み取れると思いますが、事務職とトレーナー職では以下のような違いが見えました。
「量的負担」,「仕事のコントロール」,「働きがい」という
単純労働や業務量に関する職務ストレスが有意に寄与し、
指導職のメンタルヘルスには
「身体的負担」と「対人関係」などの
肉体労働や感情労働(社内の人間関係)
に関する職業性ストレスが有意に寄与していた。
こうやって書かれると「調べなくてもイメージできるよ」という印象を持つ方も多いと思いますが、
そのイメージが実際にどうなのか?を明らかにしたという点ではとても価値があると思います。
上記から少なくともスポーツジムの従業員では職種によるストレス要因に違いがあることがわかりました。
これはメンタルヘルス対策も職種によって対応が違ってくることを意味していると思います。
また、さらに興味深いのは上図の最下部の雇用安定度は事務職、トレーナー職ともに精神的健康度に寄与するという点です。
これはフィットネスクラブでは8割が非正規社員であることが要因と説明されています。
これはまた、非正規社員のメンタルヘルス対策という点で誰が責任を持つのか、という難しい話になりそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はスポーツジムの従業員を対象に職種によるストレス要因に違いがあることをご紹介し、これはつまり、メンタルヘルス対策も職種によって対応が違ってくることを意味していると思います。
今後のメンタルヘルス対策の参考になれば幸いです。
:事務職と指導職の比較から
朴 明姫:中源大学校
大竹弘和:神奈川大学校
山田泰行:順天堂大学院、順天堂大学
岩浅 巧:順天堂大学院
水野基樹:順天堂大学院、順天堂大学
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjls/15/1/15_1/_pdf/-char/ja