PM理論の診断テストとPM理論の解説
今回はPM理論についてご紹介したあと、PM理論の論文に基づいてPM理論のWEB診断テスト(無料)開発しましたので合わせてご紹介したいと思います。
リーダーシップ関連の書籍を読んでいると必ずでてくる3つの理論がPM理論とSL理論、マネジメントグリッドです。
今回はその中でもPM理論にフォーカスしてご紹介したいと思います。
PM理論とは
PM理論は1966年に三隅二不二(みすみ じゅうじ)らのリーダー行動に関する研究によって生まれました。
参考:https://service.visasq.com/blog/10
三隅らはリーダーの行動にP機能(Performance function:目標達成機能)と、M機能(Maintenance function:集団維持機能)」の2つの因子を見出しました。P機能(以降はP行動と呼ぶ)は、集団の目標達成や課題解決に関する行動とされ、M機能(以降、M行動)は集団の維持を目的とする行動とされています。
P行動とM行動のマトリクスを作ると上図のような4象限で表現できます。(大文字・小文字は区別されます)
Pm型:目標を達成する力はあるが、集団を維持する力が弱い
pM型:集団を維持する力はあるが、目標を達成する力が弱い
pm型:目標を達成する力も、集団を維持する力も弱い
当然、最も良いのはPM型のリーダーで、次に良いとされているのはpM型リーダーのようです。(実証研究済み)
P行動、M行動の具体例
それでは、P行動や、M行動が具体的にどのようなものなのか見てみましょう。
・指示命令を与える
・目標達成への綿密な計画を立てている
・進捗の報告を求める
・知識やスキルを教える
・問題の新しい解決策を示す など
M行動
・気軽に話せる
・部下を信頼している
・部下が困っている場合援助する
・部下の意見を求める
・良い仕事をした時に褒める など
こちらを見て頂ければP行動が目標達成への行動、M行動が集団維持のための行動ということが理解頂けるかと思います。
特に現代に置いてはM行動は心理的安全性にもつながる行動でより重要度が増しているように思えます。
PM理論の診断テスト
ここからはPM理論に基づいた診断テストについて書いておきたいと思います。なお、診断テストの内容についてはこちらの論文を参考にして記述しております。
論文によればP行動、M行動それぞれに10項目に5段階で回答し、それぞれの項目の点数を合計することで自分自身や、自分の上司がどのようなタイプなのかを分析することができるようです。
診断結果は下記のように表示されます。
下記URLからPM理論 WEB診断テストを無料で実施することができます。
※名前やメールアドレスなどの入力も不要です。
PM理論 WEB診断テストページ
各項目について5段階で自己採点、さらに、本来であれば部下からの上司評価を実施します。(5段階については論文中では詳細な説明がありませんが、リッカート尺度であれば、5:非常に該当する、4:やや該当する、3:どちらとも言えない、2:あまり該当しない、1:全く該当しない となるかと思います)
面白いのは自己採点と部下による採点があることかと思います。自分ではできている、やっていないと思っていても、部下から見たらやっている、やってないと評価されることがあります。他の論文では、部下からの評価のほうが妥当性が高いことが確かめられているそうです。
参考:アパレル店舗における店長のリーダーシップ行動測定尺度の作成とその効果性
論文中の図によれば、P行動、M行動ともにそれぞれの項目の合計点が30点が基準となるようです。
参考:リーダーシップPM理論に基づくトレーニングの開発 P.12より
まとめ
いかがでしたでしょうか。リーダーシップ理論の中で有名なPM理論の診断テストについてご紹介しました。リーダーシップ研修などでの参考になれば幸いです。
参考:https://service.visasq.com/blog/10
診断テストもぜひ実施してみて下さい。