リーダーシップの理論についてはこれまでの記事でも書いてきましたが、今回はフィードラーによる状況即応理論(LPCモデル)について書いてみたいと思います。

過去のリーダーシップ理論についての記事はこちら

リーダーシップの理論として有名な3理論

リーダーシップは状況によって変化すべき?

フィードラーの状況即応理論は、ざっくり言えば、良いリーダーシップとはチームの状況によって行動を変えるべきという考え方です。

これは、メンバーの成熟度によってリーダの取るべき行動を変えるべきというSL理論(下図)に近しい考え方です。

SL理論
参考:https://leadershipinsight.jp/

SL理論がメンバーの成熟度よるのに対し、フィードラーの状況即応理論(LPCモデル)は、下記の3つの観点によってリーダーの行動を変えた方が良いと主張しています。

1.メンバーとの関係性
⇒メンバーがリーダーを支持しているか

2.課題構造
⇒目標・プロセスが明確か

3.リーダーの勢力
⇒メンバーに対する賞や罰を与える権限があるか

上記の3つがすべて良い状態というのはリーダーにとって有利な状況で高統制といえます。一方、3つがすべて良くない状況はリーダーにとって不利な状況で、低統制といえます。

LPCとは?

LPCとはLeast Preferred Coworkerの略で、「一緒に仕事をする上で、最も苦手な仕事仲間」を意味しています。

LPCという指標はそんな最も苦手な仕事仲間に対してでも、どれぐらい好意的な印象を持っているかを測る指標となります。

具体的には、最も苦手な仕事仲間を1人思い浮かべてもらい、以下の質問項目で回答していきます。

LPC測定 尺度

画像参照先
成功一失敗条件およびリーダーのLPC得点が集団過程におよぼす効果
吉田道雄 白樫三四郎(1973)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjesp1971/13/1/13_1_1/_article/-char/ja/

各設問にa〜hで回答し、得点が算出されます。得点が高い人=高LPCの人は、最も苦手な仕事仲間に対しても好意的な評価を与えている人(平易な言葉で言えば良い人)ということになります。

つまり、高LPCの人は人間関係重視型リーダーシップといえます。一方、低LPCの人は課題解決型リーダーシップといえます。

このような分類は下記のPM理論とも近しいところがあると思います。

画像参照:https://service.visasq.com/blog/10

LPCモデルとは?

最後にLPCモデルを紹介したいと思います。

LPCモデル
画像参照:https://jdandd.com/pocket/leadership/

LPCモデルは高LPCのリーダーや低LPCのリーダーがどのような状況のときに成果を上げやすいか、を表した図です。上図で言うと、仕事中心型=低LPC、メンバー中心型=高LPCとなります。

つまり、低LPCのリーダーは前述した3つの条件が良いとき、または悪いとハッキリしたときには有効なリーダーシップといえます。

一方、3つの条件の中で良いものも悪いものもある場合は、高LPCの人のリーダーシップが成果を上げやすい傾向にあります。

このように、自分のLPCの点数と、状況によって誰がリーダーシップを取ったほうが良いのか、またはリーダーシップのスタイルを変更するという考え方がLPCモデルの言わんとすることになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はリーダーシップ理論の状況即応理論(LPCモデル)を紹介しました。

より詳しく知りたい方は今回の記事で参照した下記の論文も読んでみてください。

成功一失敗条件およびリーダーのLPC得点が集団過程におよぼす効果
吉田道雄 白樫三四郎(1973)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjesp1971/13/1/13_1_1/_article/-char/ja/


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