メンタルヘルス対策で行うべき3つの予防
従業員50名以上の事業場にストレスチェックの実施が義務化されたのが2015年。それから10年が経過した現在、企業のメンタルヘルス対策は「実施すれば良い」フェーズから「予防の質」が問われるフェーズへと移っています。
本記事では、企業のメンタルヘルス対策の基本フレームである3つの予防(一次・二次・三次)について、それぞれの目的と具体的な施策を整理し、自社の対策を点検するヒントを紹介します。
参考: データで見るメンタルヘルス研修を実施する意味
メンタルヘルス対策の3つの予防
メンタルヘルス対策は、発症段階による3段階で整理すると、自社で取り組むべき施策の全体像が見えてきます。
・一次予防: メンタルヘルス不調を未然に防止する
・二次予防: メンタルヘルス不調を早期発見・早期対応する
・三次予防: 休職者・復職者への対応と再発予防を行う
ご覧の通り、一次予防の段階でメンタルヘルス不調を防げるのが最も理想的です。品質管理や安全管理と同様、不調が顕在化してから対応するより、早期に予防する方が従業員にとっても、会社のコストの観点からも望ましいという原則が当てはまります。
一次予防の具体的施策
一次予防には大きくメンタルヘルス研修・職場風土改善・健康増進対策の3つがあります。
メンタルヘルス研修
メンタルヘルス研修は一次予防の中核となる施策です。ストレスについての基礎知識、セルフケア、ラインケアを中心に実施されます。
・メンタルヘルスの4つのケアを理解しよう
・メンタルヘルス研修で使えるグループワーク・ゲーム3選
弊社ではビジネスゲームを使って、セルフケア・ラインケアを体験から学ぶ研修を提供しています。
セルフケア研修: 「攻略!きみのストレスを発見せよ!」というゲームを使い、日常のストレスの気づき方とコーピング方法を体験的に学びます。
五月病対策のためのゲームを使ったセルフケア研修

ラインケア研修: 「ストマネ」というゲームを使い、管理職が部下のメンタルヘルス不調のサインに気づき、適切に対応するスキルを疑似体験で学びます。
ラインケアゲーム「ストマネ」

職場風土改善
メンタルヘルス不調の多くは職場の人間関係や業務負荷に起因します。ハラスメント対策、コミュニケーションの活性化、業務量の適正化などの職場風土改善が一次予防の重要な柱になります。
健康増進対策
運動・睡眠・食生活など身体的な健康はメンタルヘルスの土台です。従業員の健康増進を支援するプログラムも一次予防の施策として位置付けられます。
二次予防の具体的施策
二次予防は早期発見・早期対応がテーマです。
ストレスチェック
2015年12月に施行された改正労働安全衛生法により、従業員50名以上の事業場では年1回のストレスチェックが義務化されています(2026年現在)。
ストレスチェックの結果を集団分析することで、職場単位の高ストレス傾向や、改善が必要な部署を特定できます。個人結果だけでなく、組織課題の可視化ツールとして活用することが二次予防の本質です。
産業医面談・上司との1on1
ストレスチェックで高ストレスと判定された従業員への産業医面談、および日常の1on1での早期察知も二次予防に位置付けられます。管理職がラインケアの視点を持っていると、1on1での早期発見精度が上がります。
メンタルヘルス・ファーストエイド
部下や同僚の不調サインに気づいた時、最初にどう関わるかを学ぶメンタルヘルス・ファーストエイドの考え方も二次予防に有効です。
・うつ病の相談される前に知っておきたいメンタルヘルス・ファーストエイド
三次予防の具体的施策
一次予防の体験学習として、管理職向けにラインケアを体感で学べるビジネスゲームストマネを活用する企業も増えています。部下の不調兆候への対応を疑似体験することで、現場での早期発見・支援行動に繋がります。
三次予防は不調者への対応と再発予防です。
職場復帰支援制度
休職した従業員が段階的に復帰できる制度設計(リワーク、時短勤務、業務量調整など)が中核になります。本人・主治医・産業医・人事・上司の連携プロセスを整えることが重要です。
復職後の再発予防
復職後も継続的に上司との1on1やフォローアップ面談を実施し、再発のサインを早期に察知します。本人だけでなく、受け入れる職場メンバーの理解も欠かせません。
弊社では三次予防で使えるウツ会議というゲーム型研修を提供しています。休職者を迎える側の職場メンバーが、どう関わるべきかを疑似体験で学べる設計です。
メンタルヘルス研修 ウツ会議
自社の対策を点検するチェックポイント
自社のメンタルヘルス対策を点検する際の観点を整理します。
・一次予防: メンタルヘルス研修を全階層(新入社員・若手・管理職)に実施しているか、職場風土のアンケートを実施しているか
・二次予防: ストレスチェックを集団分析まで活用しているか、管理職が日常の1on1で不調サインを察知できる訓練を受けているか
・三次予防: 復職支援プログラムが制度化されているか、受け入れ側の職場メンバー向け研修も実施しているか
どの段階が自社で手薄か、優先順位を付けて手を打つことが費用対効果の高いメンタルヘルス対策に繋がります。
お問い合わせ
メンタルヘルス研修(セルフケア・ラインケア・三次予防)のご相談は以下のフォームからお気軽にお問い合わせください。
まとめ
メンタルヘルス対策は一次予防(未然防止)・二次予防(早期発見)・三次予防(再発防止)の3段階で整理すると、施策の全体像が見えてきます。
ストレスチェック義務化から10年が経過し、制度の有無ではなく運用の質が企業間の差になっています。自社でどの予防段階が手薄かを点検し、優先順位を付けて改善していくことが重要です。
