健康経営の促進で1人当たりコストが30万円削減できる?
健康経営への取り組みが促進されている昨今ですが、健康経営への取り組みが企業としてどの程度の効果をもたらすのか?という具体的なデータが経済産業省のレポートにて提示されていましたのでご紹介します。
経済産業省 商務情報政策局
2024年9月現在、資料は削除されているようです
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/yuuryouhoujin.pptx
健康経営の取組で1人当たり30万円の損失削減
資料によれば、健康関連リスクが低リスクと判定された組織と高リスクと判定された組織では健康関連費用が1.4倍の差となっており、低リスク組織での健康関連コストが1人当たり60万円程度なのに対して、高リスク組織では健康関連コストが90万円程度ということで、社員が健康になることによって1人当たりで30万円の損失を削減できると説明されています。
なお、ここで言うコストとは、医療費、プレゼンティーイズム、および、アブセンティーイズムによる生産性損失を表していますが、それぞれ以下のように定義されています。
病気・体調不良による欠勤(長期療養)している状態。
プレゼンティーイズムとは、
病気や体調不良により休養を取ったほうが良いのに無理をして出勤している状態。
体調不良により仕事遂行能力が低下した状態。
なお、別の資料では医療費、プレゼンティーイズム、アブセンティーイズムの中で、最も割合が高いのはプレゼンティーイズムだとされています。
画像参照:https://www.pasonagroup.co.jp/media/index114.html?itemid=1525
コストに影響を与える要因
医療費、プレゼンティーイズム、アブセンティーイズムのそれぞれのコストに影響を与える要因はなんなのか?についても触れてみたいと思います。
医療費の要因
医療費上昇の大きな要因なっているものは、下記の3つの図の1つ目の身体的リスクと呼ばれるものです。特に既往歴(通院などの記録)や、血糖値の数値が高いと医療費の上昇に大きな影響がある。
2つめの図は生活習慣リスクとの関連だが、良質な睡眠が取れていないと医療費の上昇に影響がある。
3つめの図は心理的リスクとの関連だが、自分自身が健康についてどのように感じているかを表す主体的健康感が低いと医療費の上昇に影響がある。
アブセンティーイズムの要因
アブセンティーイズムによるコスト上昇の大きな要因なっているものは、下記の3つの図の1つ目の心理的リスクです。主体的健康感が低いとアブセンティーイズムに大きな影響がある。
2つめの図は身体的リスクとの関連だが、特に既往歴(通院などの記録)がアブセンティーイズムに影響がある。
最後の図は生活習慣リスクだが、生活習慣リスクとアブセンティーイズムの関連性は薄いようだ。
プレゼンティーイズムの要因
最後に3つのコストの中でも最も影響の大きいプレゼンティーイズムの要因を見ていきましょう。プレゼンティーイズムの大きな要因なっているものは、下記の1つ目の心理的リスクと呼ばれるものです。特に主体的健康感、仕事満足度が低いとアブセンティーイズムに大きな影響がある。
次に影響が大きいのは生活習慣リスクで、特に良質な睡眠が取れていないとプレゼンティーイズムに影響がある。
最後に、身体的リスクだが、血圧が高いとプレゼンティーイズムに影響がある。
まとめ
3つのコストに影響を与えている要素を一度まとめておきたいと思います。
既往歴、血糖値、睡眠、主体的健康感
アブセンティーイズムに影響があるのは
主体的健康感、既往歴
プレゼンティーイズムに影響があるのは
主体的健康感、仕事満足度、睡眠、血圧
いかがでしたでしょうか。健康経営を促進することで1人当たり30万円程度の損失削減ができること、また、3つのコストについて影響を与えている要因についてご紹介しました。
特にプレゼンティーイズム対策への投資はインパクトが大きいため、早めに対策を取ることが重要です。