1973年にスタンフォード大学のマーク・グラノヴェッター博士が発表した「弱い紐帯の強さ理論」をご存知でしょうか。

紐帯(ちゅうたい)は聞き慣れない言葉だと思いますが、簡単に書けば「つながり」ということになります。

つまり、弱い紐帯の強さ、とは、弱い(薄い)つながりが強さを持っているという理論です。

弱い紐帯の強さが発見された実験

これは、グラノヴェッター博士のこんな実験から明らかになりました。

1970年に米ボストン郊外に住むホワイトカラーの男性282人を対象に、
就職先を見つける際に役立った情報の入手経路を調査しました。

その結果、282人の対象者のうち16%は、会う頻度の高い人
つまり社会的つながりの強い人からの情報で仕事を得ていましたが、
残り84%はまれにしか会わない、
社会的つながりの弱い人
からの情報で就職していたことを見出したのです。

さらに、満足度の観点でも「弱い紐帯」からの情報で就職した人のほうが、
満足度が大きい
ことも明らかになりました

ちなみに、紐帯の強さは、ともに過ごす時間量および、情緒的な強度、
親密度 (秘密を打ち明け合うこと)、 助け合いの程度
という4つの要素
によって決定されます。

企業内における弱い紐帯の強さの活用

では、企業内において弱い紐帯の強さ理論をどのように活用したら良いのでしょうか。

ハンセン(1999年)によれば、弱い紐帯の強さが特に強さを発揮するのは形式知の伝達や新たな情報の探索が効率的だとしている。

社内で言えば、他部門の有用な情報を探索するには弱い紐帯が有効ということになります。

例えば、自分のチームで問題とっている若手社員の育成方法について、他の部門のちょっとした知り合い(=弱い紐帯)に他部門の人材育成法を聞いてみることで新しい発見があるこということになります。

このように弱い紐帯の強い理論は企業内ではイノベーション促進や効果的な情報共有として活用されることがあります。

「弱い紐帯の強さ」理論と部門間チームビルディング研修

しかしながら、弱い紐帯の強さ理論を活かすには、そもそも、弱い紐帯が存在する必要があります。

そこで、部門や事業所をまたいだコミュニケーションを取る場が必要となってきます。少し前までは社員旅行といった形式で交流の場があったと思います。

弊社の感覚では社員旅行はここ数年また増加傾向にありますが、以前までの観光や飲み会を中心とした旅行よりも、部門間や事業所間のチームビルディング施策も取り入れようという流れに変わってきています。

具体的には、14-17時の3時間はチームビルディング施策に当て、18時半から宴会という形式で研修要素が含まれてきています。

このようなチームビルディング研修要素を入れることで、部門や事業所を越えた社員館のコミュニケーションを促し、旅行後はそんなにコミュニケーションを取ることは無いけれど、弱い紐帯を作っておくという狙いがあります。

なお、弊社ではチームビルディングとしてゲームを用いた体験型研修を実施しています。

興味のある方はこちらもご覧ください。

チームビルディングに効果的なゲーム10選+2


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