会議を効率的に行うための「ロバート議事法」のやり方
ロバート議事法は、1876年に米国陸軍少佐ヘンリー・マーティン・ロバートが「Robert’s Rules of Order」として発表した会議運営の国際標準ルールです。多数決・少数意見の尊重・不在者への配慮・一事一件など、明文化された原則によって会議の意思決定を公正かつ高速化する仕組みで、国際青年会議所や各国の議会・協会で正式採用されています。
日本の会社の会議でも「発言前に意見か質問か動議かを宣言する」など、一部だけならすぐ取り入れられます。この記事では、ロバート議事法の4つの権利と4つの原則を整理したうえで、実際の会社の会議に取り入れるための3ステップまでまとめて解説します。

※画像は青年会議所で配布されている会議プロトコル資料の一部。原文は水戸青年会議所 ロバート議事法(PDF)でも確認できます。
ロバート議事法とは?
ロバート議事法は、米国陸軍少佐ヘンリー・マーティン・ロバートが1876年に発表した「Robert’s Rules of Order」を起源とする会議運営マニュアルです。現在も世界中の議会・協会・NPO・青年会議所で採用されており、会議を公正かつスムーズに運営するためのデファクトスタンダードとして機能しています。
日本でも青年会議所(JCI日本)をはじめ、議案の扱い方・発言ルール・採決の取り方まで具体的に定められたルールセットとして利用されています。
4つの権利
2. 少数者の権利 ー 少数意見も尊重し、2名以上で動議を取り上げる
3. 個人の権利 ー プライバシーを守り、一人1票の同じ権利を与える
4. 不在者の権利 ー 委任状や不在者投票で、欠席者にも議決権を残す
一般的な会社の会議と比べると、違いが浮き彫りになります。会社の会議では意思決定権を持つ人の意見が事実上優先され、少数意見や欠席者の意思が議論に反映されないことが少なくありません。ロバート議事法は、この「ズレ」を明文化されたルールで補正する仕組みだと捉えると分かりやすいです。
4つの原則
2. 一事不再議の原則 ー 一度決まった議案は同じ会期内で蒸し返さない
3. 多数決の原則 ー 定足数の1/2以上の賛成がないと承認されない
4. 定足数の原則 ー 会議の開催・決議に必要な出席数をあらかじめ決めておく
会社の会議では特に4番目の「定足数」が曖昧になりがちです。「とりあえず集まった人で決める」という運用は、後から「あの時いなかったから」と決定が覆される原因になりがちです。
原文と参照資料
英語の原文は公式サイトで確認できます。
Robert’s Rules of Order(公式)
日本語の解説資料としては、水戸青年会議所が公開しているPDFが分かりやすくまとまっています。
水戸青年会議所 ロバート議事法(PDF)
ロバート議事法のやり方(ハイライト)
ロバート議事法は細かいルールが膨大ですが、会社の会議でも取り入れやすいものを抜粋すると以下の通りです。
・議案の提案者は提案理由を必ず説明する
・1回の発言は10分以内(実務的には3〜5分以内を推奨)
・発言するときは先に「意見・質問・動議」のどれかを宣言する
・賛否は多数決で過半数で採択。ただし既決事項の修正は2/3以上の賛成が必要
・賛否同数の場合は否決とする
この中でも、「発言前に意見・質問・動議のどれかを宣言する」ルールは、すぐに会社の会議に取り入れられる上に効果が大きいのでおすすめです。発言の意図が最初に分かるだけで、議論の脱線や空中戦が一気に減ります。
会社の会議に取り入れるための3ステップ
いきなり全ルールを導入するのはハードルが高いので、段階的に取り入れるのが現実的です。
ステップ1 ー 発言種別を明示するルールから始める
次回の会議から、発言前に「意見です」「質問です」「動議です」のいずれかを宣言するルールを導入します。ファシリテーターが冒頭でルールを説明し、最初の1回は強制的に守ってもらうだけで、その後は自然と定着します。
ステップ2 ー 一事一件と定足数を決める
議題を明確に区切り(一事一件)、会議の開始時に「今日の決議事項は何か」「何名の出席で決議できるか」を全員で合意します。これだけで「結局何が決まったのか分からない会議」が激減します。
ステップ3 ー 少数意見と欠席者への配慮を仕組み化する
採決の前に「反対意見・懸念点」を一周回して拾い上げ、議事録で欠席者にも決定事項を共有します。すべてを一気に導入せず、まずは少数意見の拾い上げから始めるのが現実的です。
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まとめ
ロバート議事法の要点を、持ち帰りポイントとして整理すると以下の通りです。
・4つの権利: 多数者 / 少数者 / 個人 / 不在者 それぞれの権利を守る
・4つの原則: 一事一件 / 一事不再議 / 多数決 / 定足数
・会社で使える1ルール: 発言前に「意見・質問・動議」のどれかを宣言する
・段階導入: 発言種別 → 一事一件と定足数 → 少数意見と欠席者配慮 の順に
会議の生産性を上げたいなら、まずは次回の会議で「発言前に意見・質問・動議のどれかを言う」という1ルールから試してみてください。5分で導入でき、効果もすぐに実感できるはずです。
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