みなさんは2016年に発売された下記の「GRIT」(グリット)という本を覚えているでしょうか?

元々は1926年にコックスが301人の天才の育成歴を調べたところ、卓越した業績を上げた人は高い知能だけでなく、動機付けと粘り強さがきわめて高いことを突き止めました。

この先行研究を受けて、GRITの著者であるDuckworthとPeterson、Matthews、Kellyは2007年に長期目標に対する情熱と粘り強さを表すGRITという特性とそれを測定するグリット尺度を作成しました。

また、グリットは幸福な人生を送る上で重要な要因であること、さらに、グリットの低さは退学や退職を予測できることがわかってきました。

今回はグリットを測るグリット尺度の紹介と、グリットが実際の成果と相関があることを突き止めた下記の論文をご紹介したいと思います。

日本語版グリット尺度の作成および信頼性・妥当性の検討

竹橋 洋毅 関西福祉科学大学
樋口 収 明治大学
尾崎 由佳 東洋大学
渡辺 匠 北海道教育大学
豊沢 純子 大阪教育大学

グリット尺度とは?

ここからはグリットを測るグリット尺度について書いていきます。

グリット尺度は次の12問で測定することができます。

1.新しいアイデアや計画によって、それまで取り組んでいたことから注意がそれることがある
2.あるアイデアや計画に一時的に夢中になっても、あとで興味を失うことがある
3.数ヶ月以上かかるような計画に集中して取り組み続けることは難しい
4.私の興味は年々変わる
5.目標を決めても、後から変えてしまうことがよくある
6.数ヶ月ごとに新しい活動への興味が湧いてくる
7.私は精魂傾けてものごとに取り組む
8.重要な試練に打ち勝つため、困難を乗り越えてきた
9.数年に渡る努力を要する目標を達成したことがある
10.私は頑張り屋だ
11.始めたことは、どんなことでも最後までやりとげる
12.困難があっても、私はやる気を失わない

これらの設問に対して5択の中からあなたが多数の人と比べてどうであるかについて回答してもらいます。
※ 非常に当てはまる、かなり当てはまる、少し当てはまる、あまり当てはまらない、全く当てはまらないの5択

上記のグリット尺度のうち、1-6の設問が「興味の一貫性」因子とされ、7-12の設問が「努力の粘り強さ」因子とされます。

1-6は非常に当てはまるが1点、7-12は非常に当てはまるが5点として数値化し、12問の合計得点(最高60点)を5で割った平均値があなたのグリットとなります。(なお、論文では平均3.09点でした)

なお、面白いことにグリットは全体的には年代が高いほど点数も高かったという結果がでています。

グリットと教員試験の合格の関係

論文ではさらにグリットの点数が実際の成果と相関があるのかどうかを分析しています。

具体的には国立教員養成大学の学生にグリット尺度と教員採用試験の結果(一次、および、二次試験の合否)を回答してもらい、そこに相関があるかどうかを分析しています。

また、詳細な分析のため、彼らのセンター試験の点数や累積GPA(簡単に書けば単位の成績を得点化したもの)との関連性も見ています。

そこでわかったことは、グリットの高い学生ほど累積GPAが高いということ。つまり、学業の成績がよいということになります。

また、グリットの高い学生ほど教員採用試験の二次試験に合格し、教員として採用されやすいということでした。
これは意志の強さや、長期的な努力による学力、また、二次試験では面接もあることから、第三者からの適性判断などの複数の要因が関与していた可能性が考えられるとされています。

つまり、グリットは現実の成果にも結びついていることがわかります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。グリットを測定する12問による尺度と、グリットが実際の成果につながっていることを紹介してきました。
詳しくはこちらの論文もご覧ください。

日本語版グリット尺度の作成および信頼性・妥当性の検討

竹橋 洋毅 関西福祉科学大学
樋口 収 明治大学
尾崎 由佳 東洋大学
渡辺 匠 北海道教育大学
豊沢 純子 大阪教育大学

グリットについてはこちらもぜひ。


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