GRIT(やり抜く力)とは|情熱(Passion)×粘り強さ(Perseverance)の掛け算で測れる非認知能力。Duckworth Grit Scale(2007)を12問で自己診断
【結論】グリット(GRIT)は長期目標に対する情熱と粘り強さを示す非認知能力であり、日本語版の「12問のグリット尺度」を用いることで個人のやり抜く力を5段階で簡易的に測定できます。
日本の論文研究では、グリットの高さが大学の累積GPAや教員採用試験の合格といった実際の成果と正の相関関係にあることが実証されています。
この能力は後天的に伸ばせるため、企業の採用選考や人材育成などのビジネス現場でも有効に活用できます。

目次

1. グリット(GRIT)とは|情熱×粘り強さ
2. 12問によるグリット診断
3. グリットと成果の相関|教員採用試験での研究結果
4. ビジネス・人材育成でグリットをどう扱うか
5. まとめ
6. 関連書籍

2016年にベストセラーになったアンジェラ・ダックワースの『GRIT(グリット) やり抜く力』。2025年現在も、人材育成・教育・採用の現場で参照され続けている成果を分ける非認知能力の代表です。

本記事では、自分のグリットを測るための12問のグリット尺度と、グリットが実際の成果(教員採用試験の合否)と相関することを示した日本の論文研究を紹介します。

グリット(GRIT)とは|情熱×粘り強さ

“GRIT”は心理学者アンジェラ・ダックワース博士らが2007年に提唱した概念で、長期目標に対する情熱と粘り強さを表します。

実はその源流は古く、1926年に心理学者コックスが行った研究まで遡ります。コックスは301人の”天才”と呼ばれた偉人の育成歴を分析し、卓越した業績を上げた人は、高い知能だけでなく動機付けと粘り強さがきわめて高いことを見出しました。

構成要素 内容
興味の一貫性 同じテーマに長期間興味を持ち続けられるか
努力の粘り強さ 困難があっても継続して取り組めるか

グリットは幸福な人生を送るうえで重要な要因であると同時に、グリットの低さは退学や退職を予測できるという研究もあります。個人のキャリア・組織の定着の両面で気になる概念です。

12問によるグリット診断

グリット(GRIT)診断の全体像インフォグラフィック:12問の5段階リッカートで情熱と粘り強さの2軸をスコア化し、高グリット型/粘り型/情熱型/要強化型の4タイプに判定。採用評価・1on1・キャリア面談・研修設計で活用できる

【要点】自分のグリット(やり抜く力)は、竹橋洋毅氏らによる12問のグリット尺度(日本語版)を用いて、5段階の回答から1〜5点のスコアで診断できます。この尺度では「興味の一貫性」と「努力の粘り強さ」を測定し、日本語版論文の参考平均値は3.09点です。また、調査では年代が上がるほどグリットの点数が高くなる傾向が見られます。

自分のグリットを測れる代表的な尺度が、12問のグリット尺度(Short Grit Scale / 日本語版)です。

⚡ 12問の自動採点版を新リリース

下記の12問は自分で集計する必要がありますが、5段階で回答するだけで自動採点・タイプ判定・ビジネス活用ガイドまで表示される自動診断版をご用意しました。所要2分・登録不要・無料。

▶ GRIT診断テスト(自動採点版)を試す

グリット(GRIT)診断テスト 入力画面のスクリーンショット — 12問の5段階リッカートで回答する診断フォーム

▲ 診断画面:12問の5段階リッカート(直感で2分)

グリット(GRIT)診断結果画面のスクリーンショット — GRIT指数・タイプ判定・スコア内訳・ビジネス活用ガイド

▲ 結果画面:GRIT指数・タイプ判定・スコア内訳・ビジネス活用ガイド

『日本語版グリット尺度の作成および信頼性・妥当性の検討』竹橋洋毅/樋口収/尾崎由佳/渡辺匠/豊沢純子

次の12問に、「非常に当てはまる/かなり当てはまる/少し当てはまる/あまり当てはまらない/全く当てはまらない」の5段階で答えます。

因子 設問
興味の一貫性(1-6)
(当てはまる=逆採点)
①新しいアイデアや計画によって、それまで取り組んでいたことから注意がそれることがある
②あるアイデアや計画に一時的に夢中になっても、あとで興味を失うことがある
③数ヶ月以上かかるような計画に集中して取り組み続けることは難しい
④私の興味は年々変わる
⑤目標を決めても、後から変えてしまうことがよくある
⑥数ヶ月ごとに新しい活動への興味が湧いてくる
努力の粘り強さ(7-12)
(当てはまる=順採点)
⑦私は精魂傾けてものごとに取り組む
⑧重要な試練に打ち勝つため、困難を乗り越えてきた
⑨数年に渡る努力を要する目標を達成したことがある
⑩私は頑張り屋だ
⑪始めたことは、どんなことでも最後までやりとげる
⑫困難があっても、私はやる気を失わない

採点方法

項目 内容
1-6(興味の一貫性) “非常に当てはまる”=1点 〜 “全く当てはまらない”=5点(逆採点)
7-12(努力の粘り強さ) “非常に当てはまる”=5点 〜 “全く当てはまらない”=1点
最終スコア 12問の合計(最大60点)÷12=あなたのグリット(1〜5)
日本語版論文の参考平均値 平均 3.09点

興味深いことに、調査結果では年代が上がるほどグリットの点数も高い傾向が見られました。若い時期は興味の移り変わりが大きく、それが年齢とともに落ち着いてくる、というのは感覚にも合う結果です。

グリットと成果の相関|教員採用試験での研究結果

【要点】国立教員養成大学の学生を対象とした研究により、グリット(やり抜く力)は教員採用試験の合格や累積GPAの高さといった現実の成果と正の相関があることが分かっています。特に二次試験の合格や教員としての採用に結びついており、長期的な努力による学力や意志の強さ、面接での印象などが要因として考察されています。

同じ論文では、国立教員養成大学の学生を対象に、グリット尺度と教員採用試験(一次・二次)の結果との相関を分析しています。比較対象としてセンター試験の点数や累積GPA(単位の成績)との関係も調べています。

関連 分かったこと
グリット高い学生 ↔ 累積GPA 正の相関(学業の成績が良い)
グリット高い学生 ↔ 二次試験合格 正の相関(面接含む総合判断を通過)
グリット ↔ 教員としての採用 相関あり(実際に採用されやすい)

二次試験合格との関連は、長期的な努力による学力、意志の強さ、面接での印象など複数の要因が絡んでいると論文では考察されています。いずれにせよ、グリットは現実の成果に結びついているという結論です。

ビジネス・人材育成でグリットをどう扱うか

グリットは非認知能力の1つとされ、生まれつきの固定値ではなく環境と行動で伸ばせることも研究で示唆されています。ビジネス現場での応用場面を整理します。

場面 グリット視点の活用
採用選考 学歴だけでなく”長期にやり抜いた経験”を問う
目標設定・OKR 短期ゴール連続で達成感を重ねる設計
人材育成 “やり抜く体験”を段階的に任せていく
離職対策 興味の一貫性が揺らぐ時期の対話設計
自己成長 興味の一貫性と粘り強さの両方を意識的に鍛える

関連する非認知能力・継続行動系の記事もあわせてどうぞ。

レジリエンスを築く10の方法

レジリエンスを鍛える具体的なトレーニング

ポジティブ心理学のPERMAと組織開発

情熱とは?幸福度を高める2つのタイプとウェルビーイングの関係

まとめ

【要点】12問のグリット尺度は、興味の一貫性と努力の粘り強さからやり抜く力を測るツールであり、日本語版論文での平均3.09点が参考値です。グリットは教員採用試験の合否などの実際の成果と相関することが示されています。自己理解だけでなく、人材育成や採用、目標設計の場面でも有効に活用できます。

12問のグリット尺度は、興味の一貫性努力の粘り強さの2因子から、やり抜く力を測るシンプルなツールです。

日本語版の論文では平均3.09点が参考値として得られており、グリットは教員採用試験の合否などの実際の成果とも相関することが示されています。自己理解のほか、人材育成・採用・目標設計の場面で活用してみてください。

関連書籍

本テーマをさらに深掘りしたい方におすすめの1冊です。

GRIT(やり抜く力)研究の第一人者アンジェラ・ダックワース本人による解説書。Grit Scale の開発背景、ウェストポイント陸軍士官学校での研究、情熱と粘り強さを伸ばす実践的アプローチを網羅した1冊です。


この記事を書いた人

千葉 順
千葉 順
株式会社HEART QUAKE 代表取締役
元法政大学兼任講師(キャリアデザイン論)
→ 詳しいプロフィール

関連記事

人気記事

お知らせ

関連記事

記事内検索

カテゴリ別

注目されているタグ

HEART QUAKE サポート
TOPに戻る
お問い合わせ