弊社のような体験型の研修を提供する企業では資料に経験学習モデルを掲載することが多々あります。

経験学習モデル  kolb

しかし、個々人がどれぐらい経験学習モデルを実践できているのか、また、経験学習モデルを実践している人は実際に仕事もできるのか?を測る指標については触れていませんでした。

そこで今回は経験学習モデルを実践できているかどうかの尺度と、それが能力向上に寄与しているかどうかの相関についての論文を紹介したいと思います。

経験学習の診断を行うための16項目の尺度

なお、この記事は以下の論文を参考にしております。

職場における経験学習尺度の開発の試み

木村充、舘野泰一、関根雅泰、中原淳
https://ci.nii.ac.jp/naid/10029782312

論文によれば、経験学習モデルの各項目について尺度は以下の項目で測定されます。

具体的経験
・困難な仕事に立ち向かう
・常に新しいことに挑戦する
・失敗を恐れずにやってみる
・様々な経験の機会を求める

内省的省察
・必要な情報を集めて、経験したことを分析する
・経験したことを多様な視点から捉え直す
・自分の仕事の成功や失敗の原因を考える
・様々な意見を求めて自分の仕事のやり方を見直す

抽象的概念化
・様々な仕事場面に共通する法則を見出す
・経験の結果を自分なりのノウハウに落とし込む
・他の状況にもあてはまるような仕事のコツを見つける
・経験から自分の仕事のやり方を見出す

能動的実験
・経験から学んだことを実際にやってみる
・あるやり方が他の場面でも使えるかどうか実験する
・新しく得たノウハウを実際に応用する
・自分のやり方が正しいかどうか試す

なお、これらの質問項目を 「1.まったくしていない」 から 「5.いつもしている」 までの5件法によるリッカート方式で診断を行います。

ちなみに、論文中にでてくる平均値や標準偏差は以下の通りです。
職場における経験学習尺度の開発の試み

また、経験学習尺度と、能力向上尺度の相関は以下のように表されています。
職場における経験学習尺度の開発の試み

この表から内省的省察の得点が高い人ほど業務能力が高い等ということが言えると思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。研修で経験学習について話す時に、自己採点のツールとして活用してみるのも面白いかもしれません。

職場における経験学習尺度の開発の試み

木村充、舘野泰一、関根雅泰、中原淳
https://ci.nii.ac.jp/naid/10029782312


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