燃え尽き症候群の診断テスト
今回はバーンアウト、いわゆる燃え尽き症候群について書いてみたいと思います。
バーンアウトについての研究は1970年代中盤から行われてきましたが、MBI(マスラック・バーンアウト・インベントリー)とよばれるバーンアウトの尺度(診断テストのようなもの)が開発され、さらに発展していきました。
MBIでは、バーンアウトの因子(要素)として以下の3つを挙げています。
⇒仕事を通じて情緒的に力を出し尽くし、消耗してしまった状態
2.脱人格化
⇒サービスの受け手に対する無情で、非人間的な対応
3.個人的達成感の低下
⇒職務に関わる有能感、達成感の低下
特に、1つ目の情緒的消耗こそが燃え尽き症候群の主たる症状ではないか?、と主張する声が多く、脱人格化や、個人的達成感の低下は、情緒的消耗による結果ではないか?という説もあります。
情緒的消耗は「仕事を通じて情緒的に力を出し尽くし、消耗してしまった状態」ということなので、情緒的資源をより多く使うと思われるヒューマンサービス職、例えば、看護師や教師を中心とした研究が多く行われています。MBIはヒューマンサービス職向けと言えます。
一方、ヒューマンサービス職以外にも使える尺度として、MBI-GS(GSはGeneral Surveyの略)が開発されています。
MBI-GSでは先に紹介したMBIの3つの因子が微妙に異なってきます。
⇒情緒的という言葉が取れて、いわゆる疲労の要素が強くなっています
2.冷笑的態度(シニシズム)
⇒サービスの受け手、ではなく、仕事そのものへの態度となっています
3.職務効力感
⇒こちらもサービスを提供する職務ではなく、職務一般に拡張されています
日本語版バーンアウト尺度
ここまで紹介してきたMBIを参考にして久保らによる日本語版のバーンアウト尺度が存在しています。(下記参考)自分自身の診断テストとして見てみてください。
画像参照:バーンアウト (燃え尽き症候群) ヒューマンサービス職のストレス
上記の17項目に対して、最近6ヶ月ぐらいの間にどの程度経験したか?を「いつもある」から「ない」までの5つの選択肢から選択します。
何点以上だとNGといったモノではないようですが細かい計算方法については下記の書籍の付録部分が参考になります。
上表のEと書かれた情緒的消耗(emotional exhaustion)に当てはまる場合には注意が必要だと思います。
まとめ
いかがでしょうか。自分が燃え尽き症候群になりそうかどうか、日本語版バーンアウト尺度を使ってチェックしてみるとよいと思います。
もし、情緒的消耗の度合いが高ければコーピングを意識して取り組んでみてください。
コーピングについてはこちらの記事を御覧ください。