今回は組織市民行動について書いてみたいと思います。
組織市民行動はインディアナ大学のデニス・オーガン教授(Organ)らによって提唱されました。

オーガン教授の定義によれは組織市民行動は下記のように表されます。

1.任意の行動であり

2.公式の報酬システムによって直接、
もしくは明確に承認されているものではなく

3.集合的に組織の効率を促進するもの

である

ちょっと堅苦しいので簡単に言えば、こんな感じでしょうか。

命令されなくても、自主的な行動によって、組織の効率性を高めるもの

確かにこういう人が職場にいてくれたら嬉しいですよね。例えば、誰に頼まれたわけでもないのに、社内で事例共有勉強会を実施する人などは組織市民行動ができている人、と言えそうです。

組織市民行動の5つの次元

オーガン教授は組織市民行動を以下の5つの次元(要素)に分解しています。


参考:職場学習の探究 企業人の成長を考える実証研究

1つずつ簡単に解説していくと、1つめの愛他主義はまさに前述の組織市民行動の定義そのもので、困っている人が居たら、誰かに頼まれたわけでもないし、評価に直接つながるわけではないが援助するという行動です。

2つめの誠実さ社会人として当たり前の行動のように思いますが、組織に属する市民としては重要な行動です。

3つめのスポーツマンシップは、環境のせいにしない、という他責NG的な考え方で、与えられた環境の中でベストを尽くそうという姿勢です。

4めの礼儀正しさは、同じ職場で働く市民としてお互いの権利を尊重しようという考え方で、具体的には相手に適切な情報を届けるために報告・連絡・相談などを行っていきましょう、という行動が挙げられます。

5つめの市民の美徳は誠実さにも近しいですが、同じ職場で働く市民として、職場での活動にはできるだけ参加・関与・配慮していきましょう、という行動です。職場にゴミが落ちていたら拾う、なども市民の美徳に含まれるでしょう。

組織市民行動の6つの効果

上記のような組織市民行動が職場で行われるとどのような効果があるのか?といえば、以下の6つが挙げられます。

1.同僚や管理者の生産性を上げる

2.資源(時間など)を自由に使える

3.同僚同士の調整活動を助ける

4.最優秀の従業員を組織に留まらせることを助ける

5.環境変化に対する組織の適応能力を高める

6.社会資本(人脈など)を構築する

詳しく知りたい方は下記の書籍も参考にしてください。

組織市民行動を促すには?

最後に、では、組織市民行動をどうやって促していったら良いのだろうか?という疑問について下記の論文を参考に書いておきたいと思います。

組織市民行動を促す上司の行動に関する探索的研究
: 若年層従業員と中堅層従業員に着目して
藤澤 広美(2017)

https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/ja/list/HU_journals/AA11658355/–/18/item/42897

論文によれば、組織市民行動を促すには経営者の行動とビジョン、及び、ソーシャル・サポート(SS)、OJTが有効ということです。(下図参照)

特に、若手社員には経営者の行動とビジョン中堅社員にはソーシャル・サポート(SS)、OJTが有効ということが研究によって把握できたとのことです。

ソーシャルサポートについては過去記事を参照してください。

ストレス軽減のための4種類のソーシャルサポート

なお、経営者の行動とビジョンとは「経営者は組織全体の業績が良くなるように常に努力している」といった行動や、「会社のビジョンや経営戦略が末端まで良く周知されている」といったものになります。詳しく知りたい方はぜひ論文をご覧ください。

まとめ

いかがでしょうか。今回は組織市民行動に注目して、組織市民行動の5つの次元やその効果、そして、どうやって組織市民行動を促していくか、をご紹介しました。参考になれば幸いです。

参考

組織市民行動を促す上司の行動に関する探索的研究
: 若年層従業員と中堅層従業員に着目して
藤澤 広美(2017)

https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/ja/list/HU_journals/AA11658355/–/18/item/42897


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