チームワークについて語られるときにスポーツに置き換えて語られることが多々あります。
誰もが一度は体育の授業などでチームスポーツを体験しているからでしょう。

実際に企業研修に関するカンファレンスではプロスポーツチームの監督がチームワーク、チームビルディングについて講演するというケースがあります。

特に野球よりもサッカー、ラグビーのような自由度や複雑性の高いスポーツが取り上げられます。

今回はサッカーを例にしてチームワークの重要性について書いていきたいと思います。

超一流選手だけでも勝てないという問題

レアルマドリード
参考URL:https://www.soccer-king.jp/team/article/420367.html

世界最高峰のチームにレアル・マドリードというスペインのサッカーチームがあります。
野球で言えば読売ジャイアンツのように超一流選手を高額を払って獲得することが多いチームの1つです。

超一流選手だけを集めれば圧勝できる、誰もがそう思うでしょう。
しかし、一時期、超一流の選手は揃っているのになかなか勝てない時期がありました。

原因は明らかにチームワークの不足です。
サッカーは1チーム11人で広いコートで実施されます。
どれだけ優秀な選手でも1人では簡単にはゴールまでたどり着つことはできません。

そこで、パスを回しながら相手の守備の穴をつき、ゴールを狙っていくことになります。

サッカーチームと企業組織の違い

サッカーを例にしてチームワークの重要性を書いていますが、サッカーチームと現実の企業はいくつか前提が異なります

現実の企業では必ずしも一流選手だけが集まっているわけではありませんし、もっと言えば、サッカーなどのチームスポーツと違って、試合に勝つという明確な共通目標がその組織にあるかどうかも微妙なところです。

また、サッカー選手はプロとして11人のメンバーに入ることすら難しく、そのための努力を惜しみませんが、現実はそういう人ばかりではありませんし、人数も11名という少人数ではありません

ポイントは連動性

連動性 チームワーク
参考URL:https://www.soccer-bunseki.com/entry/2019/12/23/063301

チームワークに話を戻しましょう。

近年のサッカーでは連動性という言葉が注目されています。
チームメンバーがお互いの意図を汲み取って、1人の動きに対してチーム全体が連動して動くという意味です。

サッカーでは誰かが動けば、そこにスペースが生まれます。
その空いたスペースを埋めるため、他の誰かが動き出し、またそのスペースを埋めるため・・・と連動することで選手間の距離が広がりすぎず、パスの正確性が増します
こうやってパスを回しつつ相手のスキを見つけていくのです。

レアルマドリードと同じスペインの人気チーム「バルセロナ」の連動性はとても高いとされています。

企業組織における連動性とは

企業内における連動性とはどういうことになるのでしょうか。

企業組織には部門の壁があると言われています。

部門の壁 原因

営業と製造部門、管理部門と利益を生み出す部門など、それぞれの具体的な目的・目標が異なるために利害関係が一致しないということが原因となります。そこで連動性が失われています。

そこで、組織の間に落ちるボール(仕事)を取りに行く社員の存在や、部門横断型チームであるクロスファンクショナルチームのような全体最適を実現する個人・組織の存在が重要になってきます。

最後は個の力

日本代表の選手が「個の力」が重要だ、とインタビューで答えています。
これに関して弊社では

1.「自分の強み」を自分で理解していること
2.「他の人の強み」を活かしてあげること

の2つが重要だと考えています。

サッカー選手はそのポジションによって大まかな役割が与えられており、ポジションは各選手の強みを活かした配置となっています。
レアルマドリードの選手の1人であるクリスチャーノ・ロナウド
特に左のサイドでボールを持つと相手ディフェンスを抜く力を持っています。

他の選手もこれを理解しているため、左サイドはなるべくクリスチャーノ・ロナウドと相手ディフェンスの1対1の状態を作ってあげ、彼が相手を抜き去ればすぐにゴールに繋がりやすいようにしています。

ロッペンシフト
参考URL:http://soccertentyou.blog.fc2.com/category4-2.html

面白いことに、バイエルンというチームのロッペンという超一流ドリブラーの強みを活かすためにあえて、ロッペン選手の近くには誰もサポートを送らず、彼に自由なスペースを与えるシフトがあると聞きます。
※味方の誰かサポートしてしまうと、敵も寄ってくるためスペースが減ってしまう。

社員の強みを知っているか、活かせているか?

強み

ひるがえって、社員は自分自身の強みを知っているでしょうか?また、他の社員の
強みを理解し、それを活かせているでしょうか

チームワークを発揮するには1+1が2以上になるような取り組みが必要です。

ジョハリの窓

心理学の有名なフレームワークワークに「ジョハリの窓」がありますが、これはまさに、自分の強みやメンバーの強みを理解できているかどうかを考えるのに適切なフレームワークです。

弊社のチームビルディング研修では振り返り時にお互いの強みを褒め合うというワークを通してジョハリの窓の「開かれた窓」や「盲目の窓」に気づいてもらっています。

まとめ

サッカーではコートが広く、相手チームも含め人数も多いため、1人ではゴールまでたどり着けません。従ってパスを繋ぎながら相手の隙を見つけていくことになります。

パスの精度を上げるため、選手全員が連動し、誰かが動いたスペースを埋める動きをします。

また、個の力を活かすため、選手全員が自分の強みと、他の選手の強みをよく理解しています。

このように局所的には個別最適、総合的には全体最適を行うこととで勝てるチームとなっているのです。

サッカーチームと企業では前提が違いますが、チームワークの重要性は変わりません。


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