うつ病の相談される前に知っておきたいメンタルヘルス・ファーストエイド
みなさんは友人や部下からうつ病かも?と思われるような相談をされたらどうしますか?
正直、ちょっと焦ってしまうのではないでしょうか?
研究によれば、大学生は自分のうつ病の症状について専門家よりも友人に援助を要請しやすいことがわかっています。大学生に限らず社会人もそうかもしれません。
経験がないからわからないな・・・専門家じゃないし知識もないよ・・・下手なこと言って追い込んじゃったら・・・というのが正直なところかと思います。
メンタルヘルス・ファーストエイドとは?
そんな友人・部下にうつ病と思われる相談を受けたときに役立つのがメンタルヘルス・ファーストエイドです。
メンタルヘルス・ファーストエイドの定義は以下のようになっています。
専門家からの援助を受ける前に身近な友人のような非専門家から提供される初期援助
Kichener & Jorm 2002
メンタルヘルス・ファーストエイドについてはメンタルヘルスファーストエイドジャパンという組織が書籍も出しています。
メンタルヘルスファーストエイドジャパン HP
「り・は・あ・さ・る」の5原則
では、具体的にどうようにしたらメンタルヘルス・ファーストエイドができるのでしょうか?その答えは「り・は・あ・さ・る」の5文字で表されます。
は:判断(はんだん)、批判をせずに話を聞く
あ:安心(あんしん)と情報を与える
さ:専門家のサポートを得るように勧める
る:自分でできる対処法(セルフ・ヘルプ)を勧める
あなたが男性でかつ、相談された時の注意点
もしあなたが男性で、友人・部下から相談された時には少し注意が必要です。
大学生を対象とした研究では、男性ほど非推奨のメンタルヘルスファーストエイド方略を取る可能性が高いことがわかっています。
非推奨のメンタルヘルスファーストエイド方略とは以下のようなことを言います。
・問題を紛らわすために飲酒を勧める
・軽快するまで無視する
・元気づけるために友達を集める
・問題から気をそらさせるために忙しくさせる
・もっと体を動かすように促す
もしこのような言動を取っているとしたら、先ほど紹介した「り・は・あ・さ・る」の5原則を活用するように変更してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
友人や部下からうつ病かも?と思われるような相談をされたら、「り・は・あ・さ・る」の5原則を思い出しサポートしてあげてください。
は:判断(はんだん)、批判をせずに話を聞く
あ:安心(あんしん)と情報を与える
さ:専門家のサポートを得るように勧める
る:自分でできる対処法(セルフ・ヘルプ)を勧める
さらに詳しく知りたい方こちらの書籍もオススメです。
大学生のうつ病に対する認知およびファーストエイド方略
河合 輝久 東京大学