今回はリフレクションについて書いてみたいと思います。リフレクションは振り返り、内省、省察など色々な呼ばれ方がありますが、ここでは簡単に振り返りとしておきたいと思います。

2017年の論文に大学のキャリアデザイン授業において各回のワークシートにリフレクションの質問を入れたところ、リフレクションを入れなかった年度と、入れた年度では、いくつかの項目で統計的に優位な差があったとされています。

アクティブラーニング型授業における リフレクション導入の試みと効果検証
本田 直也 2017
大手前大学論集 P187-197

実際に差のあった項目が下図の**がついている項目です。


出典:本田(2017)

質問や議論の深まりや自発的な学習の度合い、学びの意欲が高まっていることがわかります。

なお、ワークシートに入れたリフレクションに関するインストラクションは以下のような問いを入れていたということです。

A)この課題の学習を通して、あなたに起きた変化、成長、気づきをまとめてみよう。
本田(2017)

週報を活用したリフレクション

大学の授業は通常、週次で行われます。社会人で週次で行われるものと言えば週報があると思います。


画像参照:https://lineblog.me/sakota3216/archives/513596.html(現在はサービスが終了しているようです)

この週報を活用してリフレクションを促すことができれば、前述の論文のように自発的な学習や意欲の高まりが生まれるのではないか?という仮設を持っています。

しかし、ポイントは週報に記入する内容です。一般的には今週行った業務内容や反省、達成度を記入するものが多いようですが、そこに1つ、今週得た気づき、学びを聞く問いがあると良いでしょう。

例えばこのような形です。

今週の業務を通して、あなたが得た気づき、学びをまとめてみよう。

週報による振り返りの効果についてはこちらの論文でも、新入社員の学び方の学びが深まっていることが知られています。

営業実習の週報から見る新入社員の学び方の学びと指導員によるその支援
―― 質的データ分析手法 SCAT を用いた一事例分析 ――
田中 孝治、水島 和憲、仲林 清、池田 満 2017

論文には以下のように記述されています。

週報に5週間に渡って記述された新入社員の振り返りとその振り返りに
対する指導員のコメントを分析対象とした

分析結果から,指導員が,経験の積み重ねによる知識構築のプロセスである
経験学習サイクルに沿って,実習員の学び方の学びを支援することで,
実習員の学び方の学びが深化していることが読み取れた

まとめ

いかがでしょうか。週報を活用してリフレクションを促進することで従業員の自発性や学びの意欲を高めることができるかもしれません。

参考論文

アクティブラーニング型授業における リフレクション導入の試みと効果検証
本田 直也 2017
大手前大学論集 P187-197
営業実習の週報から見る新入社員の学び方の学びと指導員によるその支援
―― 質的データ分析手法 SCAT を用いた一事例分析 ――
田中 孝治、水島 和憲、仲林 清、池田 満 2017

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