社員の活気や抑うつ対策に「組織キャンプ」が有効かもという話し
この数年で弊社に来るお問い合わせのうち、オフサイトミーティング形式のお問い合わせが増えているように感じます。
具体的には、関東圏からは熱海、湯河原、軽井沢、鴨川、上総一ノ宮、伊香保、関西圏からは伊勢や滋賀、愛知、などの温泉旅館、ホテルへ移動し、いつもとは違う環境での会議・研修の案件が増えています。
組織キャンプとは
今回はそんなオフサイトミーティングと同様、いつもとは違う環境での活動となる組織キャンプについて書いてみたいと思います。組織キャンプという名前に馴染みがない方も多いと思いますが、日本キャンプ協会の金山さんの記事によれば下記のように定義されています。
教育的な意図を持って行われるキャンプのことです。
また、キャンプの定義について日本キャンプ協会さんでは下記のように定義されています。
大学生を対象にした組織キャンプの効果
なんとなく自然に触れるのは良いことだと思うけど、会社のお金を使ってキャンプをやる効果はどんなもんなんですかね、という疑問が湧くと思います。
そこで、大学生を対象にした組織キャンプ(アウトドアレクリエーション)の効果についての論文を紹介したいと思います。
大学生の気分プロフィール(POMS)および
ストレスに及ぼす影響
田中一徳・メドウズ マーティン
國學院大學北海道短期大学部紀要 36巻(2019)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kokuteanc/36/0/36_29/_article/-char/ja/
論文では大学生を対象に3泊4日の組織キャンプ(レクリエーションプログラム)を実施し、その効果をPOMS(Profile of Mood States)という気分状態を評価できる指標を使って測定しています。
なお、POMSについてはこちらのサイトから購入可能なようです。
サクセス・ベル株式会社:http://www.saccess55.co.jp/untitled514.html
論文中で活用されたPOMS短縮版では以下の6項目の測定と、総合的な気分プロフィールのTDM(Total Mood Disturbance)が測定が可能です。
6項目とは下記の通りです。
2.抑うつ-落ち込み(D:Depression-Dejection)
3.怒 り – 敵 意(A-H:Anger-Hostility)
4.活 気(V: Vigor)
5.疲 労(F:Fatigue)
6.混 乱(C:Confusion)」
組織キャンプは高ストレス群に効果的!?
組織キャンプ前と後でPOMSの得点を比較した結果、「抑うつ」と「混乱」は統計的有意に下っていた。
統計的に有意ではないものの、「緊張」や「怒り」の数値も低下していた。また、「活気」の得点も向上していた。
一方、「疲労」は統計的有意に上がっていた。
論文中 Fig.11より
また、日常生活において主観的にストレスが高いと認識している高ストレス群においては総合的な気分プロフィールのTDMが統計的有意に下がっていた。
まとめ
いかがでしょうか。
対象が大学生ということで、社会人にそのまま当てはまるとは言えないものの、組織キャンプが特に高ストレス群のメンタルヘルスに有効なこと、また、統計的有意ではないものの、活気が向上することがおわかりいただけたかと思います。
メンタルヘルス研修として座学の研修を行うのも効果的だと思いますが、組織キャンプという方法も検討に入れてみるのも良いかもしれません。
大学生の気分プロフィール(POMS)および
ストレスに及ぼす影響
田中一徳・メドウズ マーティン
國學院大學北海道短期大学部紀要 36巻(2019)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kokuteanc/36/0/36_29/_article/-char/ja/