今回は、チームビルディングのワークショップや研修で使えるチームキャンバスについてご紹介したいと思います。

チームキャンバス(Team Canvas)は現状、日本ではそこまで広がっていない手法だと思いますが、とても面白い手法だと思います。
まずは下図を御覧ください。
チームキャンバス
画像参照:http://theteamcanvas.com/learn/(現在はサイトがダウンしているようです)

上がチームキャンバスのフォーマットを使った記入サンプルです。
これを見て「ん?これはビジネスモデルキャンバスに似てるな」と思った方はかなり鋭い方です。

チームキャンバスの本家サイトには以下のように記載されています。

The Team Canvas is Business Model Canvas for teamwork.

訳:
チームキャンバスは、チームワークのためのビジネスモデルキャンバスです。

引用:http://theteamcanvas.com/(現在はサイトがダウンしているようです)

ビジネスモデルキャンバスは数年前に日本でも流行った?ビジネスモデルの構築や生理のためのフォーマット(ツール)です。ビジネスモデルを9つの要素に分けて考えるというものになります。

フォーマットはこちらになります。
ビジネスモデルキャンバス フォーマット

ダウンロードはこちらから。
https://www.strategyzer.com/canvas/business-model-canvas

日本ではビジネスモデル・ジェネレーションという書籍が有名です。

今回はビジネスモデルキャンバスの記事ではないのでビジネスモデルキャンバスの詳細は別記事にしたいと思います。(今後書きます)

チームキャンバスを使ったチームビルディングを行う方法

話をチームキャンバスに戻して、チームキャンバスを使ったチームビルディングを行う方法について書いていきたいと思います。
といっても、とてもシンプルで、簡単に書けば、チームメンバーとフォーマットに従って対話し、枠を埋めていくというだけです。

ただし、フォーマットがある、ということが重要になってきます。フォーマットを使うことでMECEというわけではないですが、漏れやダブリを極力減らし、効果的な話し合いができるようになります。

ちなみに、チームキャンバスには2つのフォーマットが用意されており、1つがチームキャンバス、もう1つがその簡易版であるチームキャンバス ベーシックです。上画像で紹介したのフォーマットはチームキャンバスとなり、下画像がベーシックのフォーマットをつかったサンプルです。

チームキャンバス ベーシック

画像参照:http://theteamcanvas.com/assets/team-canvas-basic-example.png(現在はサイトがダウンしているようです)

ベーシックのほうが項目数が少ないのがおわかりいただけると思います。チームで話し合い、枠を埋める時間もベーシックでは25−40分程度、チームキャンバスでは2時間程度が推奨されています。

ベーシックはチームのチームのキックオフやちょっとした軌道修正の際に利用することをメインとされています。

完全版のフォーマットについては次回ご紹介するとして、今回はベーシックについてもう少し詳しく紹介したいと思います。

まず、用意するのは以下のものです。(リアルでの実施の場合)

・印刷したチームキャンバス ベーシック(A0やA1サイズを推奨)
・色んな色の付箋
・ペン
・タイマー

オンラインの場合はMiroなどのツールを使うと良いでしょう。

まずは、5つある枠のうちの1つ目としてGOALS(ゴール)について話し合いましょう。
ちなみに、上画像で紹介したフォーマットのバージョンは0.8となっており(画像の右上参照)、現在はバージョン1.0(下)が公開されています。

チームキャンバス ベーシック

0.8と比べるとよりシンプルになった印象です。GOALSの位置も左下に変更されています。PDFのダウンロードはこちらから。
http://theteamcanvas.com/(現在はサイトがダウンしているようです)

ゴールの枠では、チームメンバーにチーム共通の目標に同意してもらうことはもちろん、このプロジェクトでの個人的な目標についても言及してもらいましょう。

少し硬くなりますが、ファシリテーターは以下のような問いかけをすることが推奨されています。

私たちのチームが(本当に)達成したいことは何か?
実現可能で、測定可能で、期限付きの重要な目標は何か?

私たちが共有したい個人的な目標は何か?

ちなみに、GOALSの枠の記入は5分程度とされています。個人的はちょっと短い気がしています。

2つ目はPEOPLE&ROLES(人物と役割)の枠です。こちらも所要時間は5分程度です。
付箋に自分の名前と役割を書いてもらい、貼っていきます。複数の役割を持っている人は、別々の付箋を使います。

ファシリテーターからの問いかけ例は以下の通りです。

あなたのチームの中での役割とは?
私たちのチーム名は?

ちなみに、Version0.8ではROLES & SKILLSでしたが、Version1.0ではPEOPLE & ROLESに変更されています。

3つ目はPurpose(目的、存在意義)の枠です。10分程度を推奨されています。

余談ですが、最近、Purpose(目的、存在意義)についての書籍が多く出版されており、その重要性が再注目されています。

ここでは、GOALSで話し合った共通の目標から一歩進んで、「なぜそうするのか」を話し合ってみましょう。
ファシリテーターからの問いかけ例は以下の通りです。

そもそも、なぜ私たちは何をしているのか?

私たちが共通の目標を追求するための、より重要な何かとは?

回答の例としては以下のようなものを想定しています。

モノのインターネット分野でのイノベーションを通じて、
人々の生活をより快適でストレスのないものにする

難しいのは、この枠への回答が「仕事だから」、「このプロジェクトにアサインされただけなので・・・」というものになってしまわないか?ということです。

そういった場合、そうだとしても、せっかくやるんだったらどうしたいか?というような形で深めていくことが必要だと思います。

4つ目がValues(価値感)の枠です。所要時間は5分程度で、チーム内で共有したいコア・バリュー(最も重要な価値観)を話し合います。

ファシリテーターからの問いかけ例は以下の通りです。

私たちにとっての基本原則は?

チームの核にしたい共有の価値観は?

回答の例としては、相互理解、創造性、品質、などですが、ちょっと崇高すぎる気もするので「残業しない」というものでも良いと思います。

最後の枠がRULES & ACTION POINTS(ルールと活動ポイント)です。ちなみに、Version0.8ではRules & Activities とされていました。所要時間は10分間です。

ここではチームでの具体的なルールについて話し合います。

ファシリテーターからの問いかけ例は以下の通りです。

この話し合いをやった後に導入したいルールは何か?

どうやってコミュニケーションをとり、全員に最新の情報を伝えるのか?

どうやって意思決定するのか?

どうやって実行し、評価するのか?

例えば、ツールとして、Slackを使う、MTGは毎日朝10時からなど、具体的なルールを決めていきます。

これですべての枠が埋まったと思います。
この話し合いの最後に、チームメンバーにワークショップで得た気づきを一つだけ話してもらうことが推奨されています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。なお、ここまでの説明は下記サイトを翻訳してご紹介しています。

ただし、ダウンロードできるフォーマットがVersion1.0であるのに対して、説明はVersion0.8をベースにしているので適宜読み替えていくことが必要です。
http://theteamcanvas.com/use/(現在はサイトがダウンしているようです)

次回はチームキャンバスの完全版についてご紹介したいと思います。


関連記事

人気記事

記事内検索

カテゴリ別

注目されているタグ

TOPに戻る
お問い合わせ