部下が思うように動いてくれない時の3つのチェックポイント

特に最も重要な信頼関係は一朝一夕には築けないため、日頃から部下の意見を尊重し、こまめなコミュニケーションを重ねることが重要です。
この3点を意識することで、OJTリーダーなどの上司は部下との良好な関係を築き、主体的な行動を促すことができます。
OJTリーダーをはじめとする上司の方であれば、「部下が自分の思うように動いてくれない」という悩みを抱えていることも多いでしょう。
では、どうすればいいのか。それを考えるにあたり、まずはご自身の仕事の任せ方を振り返ってみましょう。
部下が動かない理由は、大きく3つの層に分けて考えると原因を切り分けやすくなります。そもそも何をすればいいか分かっていないのか、やることは分かっているが納得できていないのか、内容も納得も問題ないが、その人からの依頼だから動きたくないのか。この3つは対処法がまったく違うため、どこでつまずいているかを見極めないまま伝え方だけを変えても、状況はなかなか改善しません。
以下の3つのチェックポイントは、それぞれこの3つの層に対応しています。
部下が思うように動いてくれない時の3つのチェックポイント

2.「思い」を伝えているか
3.「信頼関係」が築けているか
1.「内容」を正確に伝えているか
まずは「何をしてほしいのか」という「内容」を正確に伝える必要があります。
そのためには論理的に、わかりやすくポイントを伝える必要があります。
そのためには、「5W1Hで伝える」ことです。それぞれのポイントは以下です。
・What:何をやるのか。ゴールイメージを明確に
・When:いつまでにやるのか。期限を明確に
・Where:どこまでやるのか。作業範囲を明確に
・Who:誰と(誰に対して)やるのか。関係者を明確に
・How:どうやるのか。具体的なやり方を明確に
これらを全て伝えることで、ポイントを抜けもれなく伝えることができるでしょう。
習慣化するまでは、チェックリストを用意して、抜け漏れがないか確認するのも良いかもしれません。
なかでも抜けやすいのはWhy(なぜやるのか)とWhere(どこまでやるのか)です。WhatとWhenは伝えないと仕事が始まらないため自然と口に出しますが、この2つは上司の頭の中では自明なので省略されがちです。部下が「言われたことはやりましたが、そこまでとは思いませんでした」という結果を持ってくる時、その多くはWhereの共有漏れが原因です。
仕事の渡し方そのものを手順に落としたい場合は部下に仕事を任せる際の7つのステップを、相手によって伝え方を変える観点は新入社員(部下)の4つのタイプに合わせた指導方法を参考にしてみてください。
2.「思い」を伝えているか
仕事の「内容」が正確に伝わっただけでは、動き出せない人がいます。
そこで、そのタイプの人には特に、仕事にこめる「思い」も同時に伝える必要があります。
思いを伝えるには3つの視点があります。
・会社(プロジェクト)としての思い
思いというよりも「意義」に近いかもしれませんが、任せた仕事が会社(プロジェクト)全体のどの部分に位置づけされるのかを認識させることです。
最初に任せる仕事は全体の中の一部分を切り取ったような仕事が多くなると思います。
そのため、どうしても作業的に任せてしまいがちです。
そうではなく、その仕事が属する全体像を見せることで、自分がやっている目の前の仕事が大きな意義と結びつくようになります。
・自分の思い
任せる仕事に対して、自分がどのような思いをもって取り組んでいたかを伝えることです。
それによって、作業と捉えるのではなく思いを引き継ごうという意識が生まれ、モチベーションにつながるでしょう。
・部下の思い
その上で、部下がどういった思いでその仕事に取り組むか、一緒に言語化してあげるとよいでしょう。
場合によっては部下の将来像に紐づけてあげると良いかもしれません。
実際には淡々とこなさなければならない作業タスクもあると思いますので、全ての業務において実行するのは現実的でないかもしれませんが、できるものは意識してみると良いでしょうか。
なお「思い」は、上司が一方的に語るだけでは部下の側に自分ごととして残りません。上司が話す時間よりも、部下自身に言語化させる時間を長く取るほうが行動につながります。その問いかけの型としてはコーチングのGROWモデルが使いやすいでしょう。
また、何に動機づけられるかは人によって異なります。若手社員のモチベーションの5パターン「VIOCEフレームワーク」のように相手の源泉を把握しておくと、伝える「思い」の切り口を選べるようになります。
3.「信頼関係」が築けているか
最も重要なのは、部下との信頼関係です。
どれだけ正しいことを言われても、どれだけ気持ちを込めて言われても、信頼関係が築けていない人に仕事をお願いされたら、動き出しが鈍くなるでしょう。
むしろ正しくいわれるほど、思いを込めて言われるほど気持ちがのらないという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
つまり、一番大事なことは「信頼関係」を築くことです。
論理的に伝える、思いを伝えるというのは、意識をすればある程度はすぐにできるようになります。
しかし信頼関係を築くことは、日頃から意識していないとできません。
日頃から部下と信頼関係を築いておくことを心がけましょう。
以下にいくつかポイントをあげておきます。
・こまめにコミュニケーションをとる
・部下の話しを聴く時には手をとめて目を見る
・仕事のアウトプットに対して、必ず感謝とフィードバックを行う
こういった細かい日常の積み重ねが信頼関係を築くことになるのです。
このうち部下の話しを聴くは、意識しているつもりで実際にはできていないことが多い項目です。相手が話し終わる前に結論を先回りしたり、聴きながら次の指示を考えていたりすると、部下の側には「聴いてもらえていない」という印象だけが残ります。具体的な聴き方は積極的傾聴(アクティブリスニング)とは?3原則と実践テクニックで解説しています。
逆に、日頃の積み重ねを一度で帳消しにしてしまいやすいのが叱り方です。伝えるべきことを伝えないという意味ではなく、伝え方の問題としてやってはいけない部下の叱り方6選もあわせて確認しておくとよいでしょう。
まとめ
以上、3つのポイントは仕事を任せる時に限らず、対人コミュニケーション全般を通して重要なことです。
最後にもう一度振り返っておきましょう。

1.「内容」を正確に伝えているか
2.「思い」を伝えているか
3.「信頼関係」が築けているか
この3つは知識として理解すること自体は難しくありませんが、自分ができているかどうかは自分では気づきにくいという性質があります。研修の場で「仕事を任せる側」を疑似体験し、うまく伝わらない瞬間をその場で自覚してもらうと、日常の関わり方が変わりやすくなります。
弊社では、管理職・OJTリーダー層向けに以下のような研修ゲームをご用意しています。
・傾聴チャレンジ:聴く力をフィードバックで鍛えるゲーム。「信頼関係」の土台となる聴く姿勢を可視化できる
・管理職研修で使えるビジネスゲーム10選:目的別の選び方と比較表。どれが自社の課題に合うか迷う場合はこちら
3つのチェックポイントのどこでつまずいているかによって、適したゲームは変わります。各ゲームのページから資料請求・お見積りいただけますので、実施時間や人数に合わせたご提案が必要な場合もお気軽にご相談ください。

