管理職のためのハラスメント予備軍チェックリスト 5つの兆候

【結論】管理職の多くは「自分はハラスメントをしていない」と認識していますが、被害を受けた側との認識ギャップは大きく、自覚のないまま加害者になっているケースが少なくありません。本記事では人事院のパワー・ハラスメント防止ハンドブックをもとにした「ハラスメント予備軍チェックリスト」と、チームの認識のズレを可視化する研修ゲーム「ハラスメントフラグ」を紹介します。

目次

1. なぜハラスメントの認識ギャップが生まれるのか
2. ハラスメント予備軍によく見られる5つの兆候
3. 管理職向け|ハラスメント予備軍チェックリスト
4. 予備軍だと気づいたら取るべき3つの行動
5. 組織として予防するために必要な4つの取り組み
6. チームの認識のズレを可視化する研修ゲーム『ハラスメントフラグ』
7. よくある質問
8. ハラスメント研修導入をご検討の方へ

今回は管理職のためのハラスメント予備軍チェックリストというテーマで、自分自身がハラスメント予備軍になっていないかを確認する方法と、組織として認識のズレを可視化する研修ゲームをご紹介します。

なぜハラスメントの認識ギャップが生まれるのか

管理職の方の多くが「自分はハラスメントなんてしていないし、今後もしない」と思っています。しかし実際のデータでは、パワーハラスメントをしたと感じたり、指摘されたことがあると回答した人は、パワーハラスメントを受けたことがあると回答した人と比べて大幅に少ないことが分かっています。

ハラスメント 認識

つまり、ハラスメントを行っている側の人は、自分の言動をハラスメントだと認識できていない可能性が高いということです。

なぜこのようなギャップが生まれるのでしょうか。背景には大きく3つの要因があります。

「指導の一環」と捉える管理職側の認識:本人は「教育のために厳しく言っている」と考えているが、受け手は「人格否定された」と感じる
世代間・価値観の変化:かつて自分が受けてきた指導スタイルを基準にすると、現在の社会通念とのズレが生じる
パワーバランスの非対称性:上司側は「軽いやり取り」と感じても、部下側は反論できず深刻に受け止めている

過去記事でも無自覚セクハラについて解説していますのであわせてご覧ください。

やってしまいがちな「無自覚セクハラ」の分類

ハラスメント予備軍によく見られる5つの兆候

ハラスメント予備軍と呼ばれる管理職には、共通する行動パターンがあります。以下の5つに心当たりがある場合は要注意です。

高圧的な指導スタイル:声を荒げる、机を叩く、長時間にわたる叱責など、感情を伴う指導が多い
人格に踏み込む発言:「お前は本当にダメだな」「こんなこともできないのか」など、行動ではなく人格を否定する言葉が出る
過剰なプライベート干渉:休日の予定、交友関係、恋愛・結婚について繰り返し質問する
性別・年齢による決めつけ:「女性だから」「若いから」「男なんだから」といった属性ベースの言動が多い
自分の感情の起伏を部下に向ける:機嫌の良し悪しで態度が変わり、部下が顔色をうかがう状況になっている

これらの兆候は本人に悪意がなくても発生します。「自分はやっていない」と思っていても、無意識のうちに該当する言動を取っている可能性があるため、客観的なチェックが必要です。

管理職向け|ハラスメント予備軍チェックリスト

下記のチェックリストを使って、自分がハラスメント予備軍、または、すでにハラスメント加害者になっていないかを確認してみましょう。

ハラスメント チェックリスト 管理職

「とてもそう思う」「そう思う」が多いほど、ハラスメントをしやすい傾向にあります。
また「とてもそう思う」「そう思う」の数が少なかったとしても、自分が「とてもそう思う」「そう思う」に◯をつけた項目は要注意です。

各項目はストレス耐性、部下への要求水準、コミュニケーションスタイル、感情コントロール、価値観の柔軟性などの観点から構成されており、自分の傾向を多面的に確認できる内容です。

なお、こちらのチェックリストは人事院「パワー・ハラスメント防止ハンドブック」(平成27年)のチェックリストを加工したものとなります。

パワー・ハラスメント防止ハンドブック – 人事院

https://www.jinji.go.jp/sekuhara/handbook.pdf(現在は削除されているようです)

動画でも解説しております。

予備軍だと気づいたら取るべき3つの行動

チェックリストで自分がハラスメント予備軍だと気づいた場合、放置せずに以下の3つの行動を取ることをおすすめします。

1. 自己認識を継続的に持ち続ける
週次で自分の言動を振り返る習慣を持ちましょう。「今週、感情的に部下に当たった場面はなかったか」「人格に踏み込む発言をしなかったか」を記録することで、改善の進捗が見えるようになります。

2. 部下や同僚にフィードバックを求める
自分では気づけない言動こそハラスメントの温床になります。1on1や匿名アンケートを活用して、部下から見た自分の指導スタイルについてフィードバックをもらいましょう。直属の部下に直接聞きづらい場合は、同期の管理職や上司にも意見を求めるのが有効です。

3. ハラスメント研修を受講する
体系的に学ぶことで、自分の言動と一般的な基準とのズレを把握できます。座学だけでなく、ケーススタディやロールプレイ形式の研修を受講することで、実践的な改善につながります。

組織として予防するために必要な4つの取り組み

ハラスメント予防は個人の努力だけでは限界があります。2020年6月の大企業への適用、2022年4月の中小企業への適用拡大により、労働施策総合推進法(通称パワハラ防止法)でパワーハラスメント防止措置が事業主の義務となりました。組織として以下の取り組みを進めることが重要です。

1. 管理職向けの定期的なハラスメント研修
新任管理職への研修だけでなく、既存管理職にも年1回程度の継続的な研修機会を設けます。研修内容は法的知識・ケーススタディ・自己診断の3点をバランスよく組み込むのが効果的です。

2. 相談窓口の整備と周知
社内・社外の両方に窓口を設け、相談者のプライバシーが守られる体制を整えます。窓口の存在を全社員が知っていることが前提条件です。

3. 通報後の対応プロセスの明確化
通報を受けた後の調査・処分・再発防止までの流れを社内規程として整備します。「通報しても何も変わらない」と思われた瞬間に窓口は機能しなくなります。

4. パワハラ・セクハラ・マタハラ・カスハラを横断的に扱う
ハラスメントはパワーハラスメントだけではありません。セクシャルハラスメント(男女雇用機会均等法)、マタニティハラスメント(育児・介護休業法)、カスタマーハラスメントも含めて総合的な防止体制が求められます。

チームの認識のズレを可視化する研修ゲーム『ハラスメントフラグ』

個人のチェックリストの次のステップは、チームでの認識のズレを可視化することです。同じ言動でも「これはハラスメントだ」と感じる人と「これくらい問題ない」と感じる人が混在しているのが現実だからです。

弊社が提供する研修用ゲーム『ハラスメントフラグ』は、まさにこの認識のズレを可視化するために開発されました。

ハラスメントフラグ

50枚の設問カード(オンライン版はWeb設問)に対し、参加者は「ホワイト/ライトグレー/ダークグレー/ブラック」の4段階で回答。チーム内で回答の違いを共有し、なぜそう感じたのかを議論します。

『ハラスメントフラグ』には2つの形式があります。

ハラスメントフラグ カード版:50枚のカードを使った対面型ワーク。5〜100名超以上、1〜2時間、講師派遣15万円〜/カード購入3万円〜
ハラスメントフラグ オンライン版:Webブラウザベースで実施。5〜100名超以上、1〜2時間、レンタル5万円〜

カードゲーム形式のため一方的な講義にならず、参加者同士の対話から認識のズレに気づけるのが特長です。QRコードで他企業の回答データと比較できる機能もあり、自分たちの基準が世間とどう違うかも体感できます。

詳細は下記の記事をご覧ください。

『ハラスメントフラグ カード版』の詳細はこちら

『ハラスメントフラグ オンライン版』の詳細はこちら

よくある質問

Q. ハラスメント予備軍チェックリストは、管理職本人がやっても効果がありますか?

はい、効果があります。むしろ管理職本人が定期的にセルフチェックすることで、自分の言動を客観視する機会が生まれます。ただしセルフチェックには限界があるため、年1〜2回は部下や同僚からのフィードバックや、研修ゲームでの他者との比較を組み合わせることをおすすめします。

Q. チェックリストで「とてもそう思う」「そう思う」が多かった場合、すぐに何をすべきですか?

まずは自分の言動を1週間記録してみましょう。チェック項目に該当する言動が実際にどの程度発生しているかを見える化することで、改善の優先順位が明確になります。あわせて部下との1on1の場で「指導スタイルについて率直に教えてほしい」と伝え、フィードバックを得る機会を設けるのが効果的です。

Q. 『ハラスメントフラグ』は管理職以外も対象になりますか?

はい、管理職だけでなく一般社員から幅広い層を対象にしています。後輩を指導する立場であれば誰でも対象です。チームメンバー全員で参加することで、組織全体の認識基準をそろえる効果が高まります。

Q. パワハラ防止法の対応はいつまでに完了する必要がありますか?

大企業は2020年6月、中小企業は2022年4月から義務化されており、すでに対応必須となっています。具体的には事業主の方針明確化・周知、相談体制の整備、相談を受けた後の対応、再発防止措置などが求められます。未対応の場合は早急な体制構築が必要です。

Q. ハラスメント予備軍だと気づいた管理職に、組織としてどう改善を促せばよいですか?

本人の自覚が大前提のため、まずはチェックリストや研修で気づきを得る機会を設けることから始めます。一方的に「あなたは予備軍だ」と通告すると反発を招くため、全管理職を対象にした共通研修として位置づけ、その中で自己診断する形式が受け入れられやすいです。

管理職研修向けのビジネスゲームをまとめて比較したい方は、管理職研修で使えるビジネスゲーム10選|目的別の選び方と比較表つきもあわせてご覧ください。

ハラスメント研修導入をご検討の方へ

【対象人数】3名以上(カード版1チーム3〜6名 / オンライン版5名〜)
【実施時間】1時間〜2時間
【予算】講師派遣:15万円〜 / カード購入:3万円〜 / オンライン版レンタル:5万円〜

『ハラスメントフラグ』は講師派遣形式・カード購入形式・オンライン版レンタル形式からお選びいただけます。無料サンプルの貸出(1週間、返送料のみご負担)もご利用いただけます。

スライド形式での説明資料はこちらをご覧ください。

詳細な資料や、無料のサンプル貸し出しをご希望の方はまずは下記より資料請求をお願いします。

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