メンタルヘルスの4つのケアを理解しよう! — セルフケア・ラインケア・事業場内産業保健スタッフによるケア・事業場外資源によるケア

【結論】メンタルヘルス対策の基本は、厚生労働省の指針が示す「4つのケア」=セルフケア、ラインケア、事業場内産業保健スタッフによるケア、事業場外資源によるケアの4つです。2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、これまで努力義務だった労働者50人未満の事業場にもストレスチェックが義務づけられるため、規模を問わず4つのケアを整理しておく必要があります。
弊社では、カードゲーム「攻略!きみのストレスを発見せよ!」やボードゲーム「ストマネ」などのビジネスゲームを用いた、体験型のメンタルヘルス研修を提供しています。

目次

1. メンタルヘルスの4つのケアとは
2. セルフケア
3. ラインケア
4. 事業場内産業保健スタッフによるケア
5. 事業場外資源によるケア
6. 2025年の法改正で50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化
7. まとめ
8. よくあるご質問
9. 研修導入をご検討の方へ

メンタルヘルスのケアは、いまや企業の業績に大きな影響を与える要因の1つです。

厚生労働省の「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.2%でした。ただし、この数字は事業所の規模によって大きく異なります。

事業所規模 メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合
全体 63.2%
労働者50人以上 94.3%
労働者30〜49人 69.1%
労働者10〜29人 55.3%

出典: 令和6年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況(厚生労働省・令和7年8月7日公表)より作成

50人以上の事業場ではストレスチェックが義務化されているため94.3%に達している一方、30人未満の事業場では約半数が未着手という状態です。

同じ調査では、過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者、または退職した労働者がいた事業所の割合は12.8%(休業10.2%、退職6.2%)でした。8事業所に1つ程度で、1か月以上の戦力離脱が実際に起きていることになります。

取り組んでいる事業所の具体的な内容としては、「ストレスチェックの実施」が65.3%と最も多く、次いで「職場環境等の評価及び改善(ストレスチェック結果の集団ごとの分析を含む)」が54.7%となっています。

つまり、メンタルヘルスケアの施策はどの企業にも必要で、かつ着手できていない企業がまだ多いのが現状です。

メンタルヘルスの4つのケアとは

【要点】メンタルヘルスの4つのケアとは、厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が示す、セルフケア(働く人が自分で行う)ラインケア(管理監督者が行う)事業場内産業保健スタッフによるケア(産業医・保健師などが行う)事業場外資源によるケア(外部機関を活用する)の4つの分類です。誰が担うかで役割を分け、4つを組み合わせて進めるのが基本になります。

では、具体的にどのような対策を行っていくべきなのでしょうか。ここからはメンタルヘルスの4つのケアと呼ばれる基本を、1つずつ見ていきます。

4つのケアとは以下のとおりです。

1.セルフケア
2.ラインケア
3.事業場内産業保健スタッフによるケア
4.事業場外資源によるケア

弊社の研修では、4つのケアの関係を次の図で整理してお伝えしています。

4つのメンタルヘルスケア(セルフケア・ラインケア・事業場内産業保健スタッフによるケア・事業場外資源によるケア)の整理図

それぞれ見ていきましょう。

1.セルフケア

セルフケアとは、その名の通り、働く人が自分自身で行うケアです。

自分自身で行うことのできるケア。働く人が自らのストレスに気づき、予防対処し、また事業者はそれを支援すること。

「図解 ストレスチェック実施・活用ガイド」より

具体的には、休養・睡眠、運動、食事、音楽・アロマなどのリラクセーションなどが挙げられます。ストレスへの対処法(コーピング)を自分の引き出しとして持っておくことが出発点になります。

ここで押さえておきたいのは、セルフケアは「気合い」や「性格」の問題ではなく、知識とスキルで身につけられるという点です。だからこそ、事業者側が学ぶ機会を提供する意味があります。

なお、弊社ではセルフケア研修で使えるカードゲームを提供しております。

攻略!きみのストレスを発見せよ!

攻略!きみのストレスを発見せよ!

3つのゲームを通して、ストレスへの気づき方と対処法を体験的に学べるカードゲームです。

【対象人数】3名〜100名超
【実施時間】1〜2時間程度

詳しい内容についてはこちらをご覧ください。

五月病対策のためのゲームを使ったセルフケア研修

2.ラインケア

ラインケアとは簡単に書けば、職場の管理監督者(上司)が行うケアのことです。

管理監督者が行うケア。日頃の職場環境の把握と改善、部下の相談応答を行うことなど。

「図解 ストレスチェック実施・活用ガイド」より

また、一度休職していた社員の復帰支援などもラインケアに含まれるとされています。

具体的には、騒音や光といった作業環境の整備から、仕事の量、労働時間といった作業内容、さらには職場の人間関係といった組織環境まで、ラインケアは多岐に渡ります。

4つのケアの中でも、ラインケアは「知識としては知っていても、実際の場面で使えるかどうか」の差が大きい領域です。部下の変化に気づくタイミング、声のかけ方、業務量の調整判断は、座学だけでは身につきにくいためです。

なお、弊社ではラインケア研修で使えるボードゲーム「ストマネ」(ストレスマネジメント)を提供しております。

メンタルヘルスゲーム「ストマネ」

2026年2月現在、ストマネの導入社数は約60社、受講者満足度は4.92(5点満点)となっております。

メンタルヘルスゲーム「ストマネ」の受講者満足度

マネージャーたちが必死にプロジェクト終えようと3分間の会議で真剣に戦略を練り、また、サイコロの結果で一喜一憂し、大変盛り上がりました。

少々複雑なルール設定だったのですが、早々に”コツ”をつかみ、時間内にきちんとプロジェクトを終えていました。

この“コツ”というのが、ラインケアの肝であり、後で行う振り返りの際に、チーム、そして全体で振り返りを行うことで、たくさんの気づきを得たという印象でした。

【対象人数】4〜40名程度推奨(1チーム4名)※100名超の実施実績あり
【実施時間】1時間半〜2時間程度

詳しい内容についてはこちらをご覧ください。

ラインケア研修で使えるボードゲーム「ストマネ」

3.事業場内産業保健スタッフによるケア

事業場内産業保健スタッフによるケアとは、一言で言うと、産業医などの社内の専門スタッフが行うケアです。

企業の産業医、保健師や人事労務管理スタッフが行うケア。
労働者や管理監督者等の支援や、具体的なメンタルヘルス対策の企画立案を行うことなど。

「図解 ストレスチェック実施・活用ガイド」より

具体的には産業医による健康診断や面接指導人事労務管理スタッフによる異動・配置転換などの取り組みが挙げられます。

なお、産業医は労働者が常時50人以上いる事業場では選任しなければならないと労働安全衛生法で定められています。逆に言えば、50人未満の事業場ではこのケアの担い手が社内にいないことが多く、その分をセルフケア・ラインケアと次の事業場外資源で補う設計が必要になります。

4.事業場外資源によるケア

事業場外資源によるケアとは、メンタルヘルスの専門知識を持つ外部サービスの利用などが挙げられます。

会社以外の専門的な機関や専門家を活用し、その支援を受けること。

「図解 ストレスチェック実施・活用ガイド」より

具体的には、公共の機関と、民間の機関に分けて考えることができます。公共の機関で言えば労災病院、産業保健総合支援センターなどがあり、民間の機関で言えば精神科・心療内科、外部EAP機関などが挙げられます。

社内に産業保健スタッフがいない中小規模の事業場では、地域産業保健センターなど公共の窓口が現実的な選択肢になります。

2025年の法改正で50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化

4つのケアを「いま」整理しておきたい理由があります。2025年(令和7年)5月14日に公布された改正労働安全衛生法により、労働者50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が義務づけられることになったためです。

ストレスチェックは2015年から労働者50人以上の事業場に義務づけられてきましたが、50人未満の事業場は当分の間の努力義務とされていました。今回の改正で、この区別がなくなります。

項目 内容
改正法 労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律
公布日 令和7(2025)年5月14日
対象 労働者50人未満の事業場(努力義務から義務へ)
施行時期 公布後3年以内で政令で定める日

出典: ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策(厚生労働省)

注意したいのは、ストレスチェックを実施するだけではメンタルヘルス対策が完結しないことです。ストレスチェックは4つのケアで言えば、セルフケア(自分のストレスへの気づき)と職場環境の改善(ラインケア)の入り口にあたります。チェックの結果を受け取った本人が何をすればよいのか、上司はどう関わればよいのかまで用意しておかないと、実施が目的化してしまいます。

義務化までの準備期間は、「誰が何を担うのか」を4つのケアの枠組みで棚卸ししておく時間と考えるとよいでしょう。

まとめ

メンタルヘルスの4つのケアについて書いてきました。

1.セルフケア
2.ラインケア
3.事業場内産業保健スタッフによるケア
4.事業場外資源によるケア

厚生労働省の令和6年調査では、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所は63.2%、規模が小さいほど取り組みは遅れています。2025年の法改正で50人未満の事業場にもストレスチェックが義務づけられることを踏まえると、4つのケアを誰が担うのかを早めに設計しておくことが、これからの実務では重要になります。

なお、弊社ではメンタルヘルス対策としてビジネスゲームというシミュレーションを用いた研修を提供しております。

メンタルヘルス研修の実施風景

詳しくはこちらを御覧ください。

グループワーク形式で学べるメンタルヘルス研修3選

よくあるご質問

Q. メンタルヘルスの4つのケアとは何ですか?

A. 厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が示す、セルフケア(働く人が自分で行う)、ラインケア(管理監督者が行う)、事業場内産業保健スタッフによるケア(産業医・保健師などが行う)、事業場外資源によるケア(外部機関を活用する)の4つの分類です。誰が担うかで役割を分けている点が特徴です。

Q. 労働者50人未満の事業場でもストレスチェックは必要ですか?

A. 必要になります。2025年(令和7年)5月14日に公布された改正労働安全衛生法により、これまで努力義務だった労働者50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が義務づけられました。施行日は公布後3年以内で政令で定める日とされています。

Q. 4つのケアはどこから手をつければよいですか?

A. 社内に産業医などの産業保健スタッフがいない規模の事業場では、まずセルフケアとラインケアから着手するのが現実的です。厚生労働省の令和6年調査でも、メンタルヘルス対策の取組内容は「ストレスチェックの実施」が65.3%、「職場環境等の評価及び改善」が54.7%と、この2つが上位を占めています。

Q. ラインケア研修はどのくらいの時間・人数で実施できますか?

A. 弊社のボードゲーム研修の場合、実施時間は1時間半〜2時間程度、対象人数は4〜40名程度(1チーム4名)を推奨しています。100名超での実施実績もあります。

Q. セルフケア研修とラインケア研修は分けたほうがよいですか?

A. 対象者が異なるため、分けて設計するのが基本です。セルフケアは全社員が対象、ラインケアは管理監督者が対象になります。弊社では前者にカードゲーム(3名〜100名超 / 1〜2時間程度)、後者にボードゲームを用意しています。

研修導入をご検討の方へ

弊社では研修をご担当されている方に向けて、体験型のビジネスゲーム研修を提供しています。

キットレンタルの場合は、ゲームキット・運営スライド(パワーポイント)・動画マニュアル・ワークシートを一式でお送りしますので、貴社のご担当者様だけで実施いただけます。講師派遣にも対応しています。

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この記事を書いた人

千葉 順
千葉 順
株式会社HEART QUAKE 代表取締役
元法政大学兼任講師(キャリアデザイン論)
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