今回は心理的安全性のベースとなる「心理的柔軟性」とは?というテーマで心理的柔軟性についてご紹介したいと思います。

心理的柔軟性とは

心理的柔軟性とは、変化する状況や困難な感情、思考に柔軟に対処し、自分の価値観に基づいた行動を取る能力のことです。
これは、アメリカの心理学者スティーブン・C・ヘイズによって提唱されたACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)といわれる認知行動療法の中の1つの心理療法において重要な概念であり、ストレスや困難な状況に直面したときに役立つとされています。

心理的柔軟性の高い人の具体的な特徴としては、下記の3点が挙げられます。

1. 感情をコントロールしすぎない

2. 変化に適応する力がある

3. 価値観に基づいて行動する

心理的柔軟性と心理的安全性の関係

心理的柔軟性と心理的安全性の関係について考えてみると、心理的柔軟性が高い人が多い組織では、心理的安全性が確保されやすくなります。
その理由は以下の通りです。

1.多様な意見を受け入れる余裕が生まれる
心理的柔軟性が高い人は、自分の考えに固執せず、他者の意見を受け入れる余裕があります。
その結果、組織内で自由な発言が促進されます。

2.建設的な対話が生まれやすい
柔軟な思考を持つ人が増えることで、対立があっても冷静に話し合い
解決策を見出しやすくなります。

3.失敗を過度に恐れず、挑戦しやすくなる
変化や困難に適応しやすい環境が整うため、社員が新しい挑戦に積極的になり、
イノベーションが生まれやすくなります。

また、心理的安全性のある組織では、社員が自己開示しやすくなるため、心理的柔軟性を高める土壌が育まれます。
つまり、心理的柔軟性と心理的安全性は相互に作用し合う関係にあるといえます。

心理的柔軟性の診断

ここまで読んでいただいて、自分には心理的柔軟性があるのか?と感じた方もいるのではないでしょうか?
そこで、心理的柔軟性の診断ができるテストや尺度を調べてみたところ、ACT Japan様のホームページに掲載されておりました。

ACT Japan様 ホームページTOP

様々なツールが掲載されているのですが、最も広く使われている心理的柔軟性の尺度としてAAQ-IIがあり、日本語版AAQ-II (7項目版) が日本語に対応しており、項目数が少なく使いやすいかと思います。

嶋 大樹・柳原 茉美佳・川井 智理・熊野 宏昭 (2013).
日本語版Acceptance and Action Questionnaire-II 7項目版の検討
日本心理学会第77回大会発表論文集, 271.

https://doi.org/10.4992/pacjpa.77.0_1AM-042

上記の論文では、点数が高いほど体験の回避が高いと説明されており、これは、点数が低いほど心理的柔軟性が高いということになるかと思います。

心理的柔軟性は個人の要素、ではない

ここまで書くと、心理的柔軟性は個人の要素、心理的安全性は組織の要素、というような考え方を持ってしまう人もいるかと思いますが、先程示した図の通り、両者は相互に影響し合い、個人と組織の両方に関連する概念です。

心理的安全性の高い組織では、心理的柔軟性が育ちやすいといえます。

安全な環境では、個人が試行錯誤しながら新しい行動を取る余裕が生まれますし、失敗を責められない環境では、恐れずに柔軟な対応を試すことができます。

企業内で心理的柔軟性を育むためには?

最後に、企業内で心理的柔軟性を育むためにできることをいくつかご紹介したいと思います。
1,2が個人へのアプローチの色が強く、3,4は組織的なアプローチです。

1.マインドフルネスの導入
⇒マインドフルネスは「今この瞬間に意識を向ける」トレーニングです。
思考や感情にとらわれすぎず、冷静に状況を判断する力を養います。

2.認知的柔軟性を高めるワークショップ
⇒「自分の考えが絶対に正しいとは限らない」と意識させるワークショップを行い、
他者の視点を理解する力を育てます。

3.心理的安全性についての研修
⇒心理的安全性の基礎知識の紹介や、診断チェックリストの実施、
Googleのプロジェクト・アリストテレスなどの事例を紹介し、
まずは心理的安全性について知ってもらいます。

4.傾聴/フィードバック文化の構築
管理職は傾聴スキルを、メンバーはフィードバックをネガティブに受け取るのではなく、
成長の機会として受け入れる姿勢を養うことで、心理的柔軟性が向上します。

1つめからマインドフルネス?と思った方もいるかもしれませんが、実は心理的柔軟性の概念を生み出した、ACTの6つの行動原則の1つめが現在の瞬間に注意を向ける(Present Moment Awareness)となっており、まさにマインドフルネスと言えると思います。

弊社関連サービス

上記でご紹介した4つの取り組みの中で弊社が提供できるサービス
認知的柔軟性を高めるワークショップとして異文化コミュニケーションゲームである「バーンガ」が挙げられます。

バーンガについてはこちらをご覧ください。

異文化コミュニケーションを体験するゲーム「バーンガ」

2025年12月現在、バーンガの導入社数は約30社、受講者満足度は社数が少ない影響もあり、5.0(5点満点)となっております。

また、心理的安全性についての研修としては心理的安全性をテーマにしたビジネスゲームの「ベストチーム」が挙げられます。

ベストチームについてはこちらをご覧ください。

心理的安全性を知り、高めるゲーム型研修「ベストチーム」

まとめ

いかがでしょうか。今回は心理的安全性のベースとなる「心理的柔軟性」とは?ということで心理的柔軟性についてのご紹介をさせていただきました。参考になれば幸いです。


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