学校教育も企業研修もアクティブラーニングへの流れが強まっているように感じています。

学校教育の場合は2012年8月の中教審による、「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)」の中で以下のように記述されています。

従来のような知識の伝達・注入を中心とした授業から、教員と学生が
意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互に刺激を
与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し
解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)
への転換が必要である。

一方、企業研修においてはアクティブラーニングを推進する動きがあるわけではありませんが、ビジネスゲーム用いたアクティブラーニング型研修を提供している弊社へのニーズがここ数年で急激に高まっていることを考えると、研修のアクティブラーニング化も時代の流れと言えるでしょう。

今回はそんなアクティブラーニングにおける受講者の学習レベルを判断するための重要な指標の1つであるブルームのタキソノミー(改訂版)を紹介したいと思います。

改訂版 ブルームのタキソノミー(教育目標分類)


画像参照:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/053/siryo/__icsFiles/afieldfile/2015/05/25/1358029_02_1.pdf

先に「改訂版」とついているのは、元々、1956年にベンジャミン・ブルームが発表したタキソノミーというものを、2001年にその弟子のローリン・アンダーソンらが改訂したからです。

上図の左側の6段階による表がブルームが提唱したタキソノミー(=教育目標の段階)で、右側のマトリックスがアンダーソンが提唱した改訂版タキソノミーです。

タキソノミー(=教育目標の段階)人が学習する際の段階と言えます。

まずは知識を得て、それを理解し、次第に応用し、最終的にはそれ自体について批評などの評価を下すようになるというものです。以下の表がうまくまとまっていると思います。

ブルーム タキソノミー
画像参照:https://www.intel.co.jp/content/dam/www/program/education/ijkk/jp/ja/documents/project-design/thinking-skills-bloom-taxonomy.pdf

従来型と改訂版の2つの違い

ブルームによるタキソノミーとアンダーソンによる改訂版では大きく2つの違いがあります。

1つめは6段階の項目の違いです。従来型では「知識⇒理解⇒応用⇒分析⇒統合⇒評価」だったのに対して、改訂版では「知識⇒理解⇒応用⇒分析⇒評価⇒創造」と、統合がなくなり、創造が追加されています。

創造は以下のように表現されます。

物事を組み合わせて新たなものを作り出すプロセス。
「創造」の課題達成のために、学習者は「考えを生み出し」、
「計画をつくり」、「成果物を作り上げ」ます。

Intel Education: 効果的なプロジェクトの設計: 思考スキルの構造より

2つ目は改訂版はマトリックス形式になっているということです。新たに「知識次元」という軸が追加されています。これは「何を知っているか?」ということを表しています。

知識次元は4つに分かれていて事実的認識、概念的知識、遂行的(手続き的)知識、メタ認知的知識と表現されます。それぞれを簡単に説明したいと思います。

事実的認識:単語や知識などを知っている

概念的知識:分類や区分などの系統を知っている

遂行的(手続き的)知識:経験則やパターン、利用シーンを知っている

メタ認知的知識:自分がどのように感じているかを知っている

メタ認知的知識は理解が難しいですが、多くの場合、内省によって自分自身をの認知を理解していくというプロセスが取られます。

まとめ

アクティブラーニングでは、単に知識を知っているだけではなく、新たなものを創造したり、知識について自分自身がどのように思っているか、感じているかを他の人との対話や内省を通して理解するというプロセスが重要になってきます。


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