働き方改革の1つの要素として働く場所の改革が進んでいます。いわゆる、テレワークやリモートワークと呼ばれるもので、働く場所をオフィスに限らず、自宅やカフェ、シェアオフィス、サテライトオフィスなど、従業員に働く場所の選択肢が増えてきています。

テレワーク 効果

テレワークの目的としては妊娠や子育て、介護、一時的な病気など通勤が困難な従業員の負担を減らしたり、企画や開発職などのクリエイティビティを必要とされる職種においては、いつもと違う場所で働くことでの創造性の向上が期待されています。
また、営業職やサポートスタッフなどで外出が多い従業員が外出先で働きやすいようにICT環境を整えて行くことも働く場所改革といえます。

つまり、テレワークやリモートワークは従業員の働きやすさを高め、結果として組織の生産性を高めることを目的としてます。

働く場所の選択肢は本当に働きやすさにつながっているのか?

では、本当に働く場所の選択肢は働きやすさにつながっているのでしょうか?
それを調べた論文があります。今回は以下の論文を紹介しながら働く場所の選択肢と働きやすさの関係を見ていきたいと思います。

働く場所の柔軟な選択とウェルビーイング度の関係性の研究
齋藤敦子(コクヨ株式会社)・杉村宏之(早稲田大学) 2017

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasmin/2017s/0/2017s_245/_pdf/-char/ja

論文では働く場所の柔軟な選択とウェルビーイングの関係についてリサーチを行っています。

ちなみに、ウェルビーイングはポジティブ心理学権威であるマーティン・セリグマン博士によれば以下の5つの要素で説明しています。

1.Positive Emotion:ポジティブ感情
2.Engagement:エンゲージメント、没頭
3.Relationship:関係性、人間関係
4.Meaning and Purpose:人生の意味や意義
5.Achievement:何かを成し遂げること

調査は以下の条件で実施されました。

論文では1日の業務時間中に感じた「よかったこと」の合計数を「1日のウェルビーイング度」指標、1日の業務時間中に働いた場所の数を「1日の働く場所の柔軟性」指標としてこれらの関連性について分析を行った模様です。

分析の結果としては大きく3つのことが明らかとなりました。

1.働く場所の選択肢が多い群の方が、少ない群に比べて働く場所の柔軟性の平均値が高い。
(仮説 2-a、有意水準1%)

2.働く場所の柔軟性が高い群の方が、固定的な群に比べてウェルビーイング度の平均値が高い。
(仮説 2-b・2-c、有意水準5%)

3.感謝する頻度が高い群の方が、頻度が低い群に比べてウェルビーイング度の平均値が高い。
(仮説 3-a、有意水準5%)

つまり、働く場所の選択肢が多く、かつ、実際に働く場所を柔軟にしている従業員のウェルビーイング度は高く、一方、働く場所の選択肢が多いからといって、活用していない従業員の場合はウェルビーイング度には直結しないことがわかりました。

また、ウェルビーイングの先行研究でも効果が認められていた感謝については、感謝をされることよりも感謝をすることのほうがウェルビーイング度が高いことが明らかとなった。

制度があるだけで活用されてなければ意味がない

論文から言えることとして、働く場所の<選択肢が多いからといって、活用していない従業員の場合はウェルビーイング度には直結しないことから、テレワークなどの制度があっても実際に活用されてなければ、意味がないということになります。

実際に、弊社が働き方改革のワークショップを実施したある大手企業様では、在宅勤務の制度はあるが、多くの社員が月に1度程度しか利用していないという声が上がっていました。

つまり、制度を作り、それをいかに活用してもらうか?がポイントになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。働き方改革を進めていく上で制度の活用という重要なポイントについて考えさせられる論文だったかと思います。
ぜひ、論文自体も読んでみてください。

働く場所の柔軟な選択とウェルビーイング度の関係性の研究
齋藤敦子(コクヨ株式会社)・杉村宏之(早稲田大学) 2017

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasmin/2017s/0/2017s_245/_pdf/-char/ja


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