新入社員研修や経営合宿で、山登り(登山)を取り入れる企業があります。「研修で山登り?」と思う方もいれば、スパルタ研修のように感じる方もいるかもしれませんが、その多くはチームビルディングを目的としたアウトドア研修として設計されています。

本記事では、山登り研修で得られる効果を、Dickinson & McIntyre(1997)によるチームワークの7要素に沿って整理し、研修設計時の着眼点と、天候・安全面で実施が難しい場合の代替手段までをまとめます。

山登り研修の目的

山登り研修の多くは、次のような体験を通してチームワークを頭ではなく体で実感してもらう意図で設計されています。

・全員で山頂到達を達成する
・共通の苦労を体験する
・遅れているメンバーへのサポートを自然に行う
・スマートフォンから切り離された環境で対話する

日常業務では得られにくい「共同体験」を短期間で凝縮できるのが、山登りやアドベンチャー型研修の強みです。

山登り研修に当てはめるチームワークの7要素

Dickinson & McIntyre(1997)は、チームワークを7つの要素から捉える枠組みを提示しています。

チームワークの7要素

参考: チームワークが良いチームは何が違うのか?

山登り研修は、この7要素を1日の体験の中で同時に観察できる稀有な研修形態です。

要素 山登り研修での表れ方
1. チームの指向性 全員で山頂を目指すという共通目標
2. リーダーシップ 目標や到達時刻を自分たちで明確にする
3. モニタリング 他メンバーの疲労・怪我を観察する
4. フィードバック 観察した状況をチームに伝える
5. 相互支援 疲れているメンバーの荷物を持つ、声をかける
6. 相互調整 状況に合わせてチーム全員のペース配分を合わせる
7. コミュニケーション スマホに頼らず、話すしかない環境で対話する

1. チームの指向性:全員で山頂を目指す姿勢

最初の要素はチームの指向性(=共通目標)です。

良いチームには共通の目標が必要です。山登り研修では「全員で山頂を目指す」「チームワークを発揮して全員で山頂を目指す」と設定するとよいでしょう。そもそも研修の目的が受講者に伝わっているかが設計上の第一ポイントとなります。

2. リーダーシップ:目標を明確にする

2番目はリーダーシップです。

特定の誰かがリーダーを担うというよりも、目標を全員で決めたというプロセスが重要です。研修効果を最大化するには、「何時間で山頂にたどり着くか」などの目標を受講者自身から引き出す設計が理想的です。担当者が目標を与えるだけではなく、目標設定のプロセスを委ねることで、ゴールへのコミットメントが高まります。

3. モニタリング:他メンバーの状況を観察する

3番目はモニタリングです。登山中は自分の状況に加えて、他メンバーの疲労度や怪我の様子を把握できているかが、全員で時間内に目標達成するための鍵です。

4. フィードバック:状況を全体に伝える

4番目はフィードバックで、観察した状況を全体に伝える行動です。「誰かが疲れているからここで休憩を取ろう」「誰かが遅れているから少し待って欲しい」といった声かけが該当します。下山後にモニタリングとフィードバックができたかを振り返る時間を取ると、行動の定着度が高まります。

5. 相互支援:他メンバーへのサポート

5番目は相互支援で、疲れているメンバーに声をかけたり、荷物を軽くしたり、坂道で手を貸したりといった直接的なサポートです。チームワークというと多くの人が最初にイメージする要素ですが、実はモニタリングができて初めて相互支援が可能になるという順序関係があります。

6. 相互調整:全員が連動する

6番目は相互調整で、フィードバックで共有された状況に応じて全員が連動して行動を合わせることです。疲れているメンバーがいれば全員で休憩を取る、複数グループがあればグループ間で連絡を取り合うといった動きが含まれます。

7. コミュニケーション:話すしかない環境がある

最後はコミュニケーションで、他の要素の土台となるものです。山登りの時間はスマホや娯楽が使いにくく、メンバーと話すしかない環境が自然に生まれます。音楽やスマホを使用禁止にするかどうかを自分たちで決めてもらうと、コミュニケーション促進の狙いがより自分ごと化します。

山登り研修の効果を高めるための設計ポイント

山登り研修の効果を最大化するには、以下のポイントを押さえた設計が有効です。

事前ミーティング:目標、ルール(スマホ使用可否)、役割分担を自分たちで決める
途中でのモニタリングタイム:一定時間ごとに「チーム状態」を全員で確認する短い時間を挟む
下山後の振り返り:7要素のどれが機能したか/機能しなかったかを言語化する
職場での行動宣言:研修後に「明日から職場で1つ続けること」を宣言する
安全管理の徹底:登山計画書、装備、天候チェック、引率者の配置を必須にする

天候・安全面のリスクと代替研修の選択肢

山登り研修は効果的な一方で、以下のリスクもあります。

天候に左右される:雨天・台風で延期・中止になる
参加者の体力差:新入社員に登山未経験者が多いと怪我リスクが増える
準備負荷:装備・保険・引率体制の整備に担当者の工数が必要
繰り返し実施が難しい:年1回が限界で、反復学習に向かない

これらの制約があるため、同じチームワーク7要素を室内で学べる代替研修として、コンセンサスゲーム型のビジネスゲームを活用する企業も増えています。

屋外でチームワーク7要素を体験できるロゲイニングカード

弊社HEART QUAKEが提供するロゲイニングカードは、制限時間内に街中のチェックポイントをチームで巡ってポイントを集めるアウトドア型のチームビルディング研修です。山登り研修と同様に共通目標・モニタリング・相互調整・コミュニケーションなどの7要素を体験でき、本格的な登山と比べて安全・短時間・低コストで反復実施できます。

ロゲイニングカード 実施風景

ロゲイニングカード 導入社数・満足度グラフ

2025年12月現在、ロゲイニングカードの導入社数は約60社、受講者満足度は5.0(5点満点)となっております。

詳細はアウトドアでチームビルディング研修「ロゲイニングカード」をご覧ください。


関連記事

人気記事

お知らせ

関連記事

記事内検索

カテゴリ別

注目されているタグ

HEART QUAKE サポート
TOPに戻る
お問い合わせ