セルフケアのためのコーピングリスト(レパートリー)
今回は4つのメンタルヘルスケアの1つであるセルフケアについて書いてみたいと思います。
今回は上図左上のセルフケアの中でも対処法を表す(ストレス)コーピングについて書きたいと思います。
なお、コーピングとは以下のように定義されています。
例えば、ストレス解消のためにカラオケで熱唱する、なんてことがコーピングといえます。重要なのは意図的なの部分で、ストレス解消のために、と思っているかどうかが大事なのです。
コーピングの種類
画像参照:https://mynavi-agent.jp/dainishinsotsu/canvas/2018/03/5-9.html
上画像の通り、実はコーピングにはいくつかの種類があり、大きく3つに分けることができます。
⇒ストレスの原因となっているものに対する対処
具体例:原因を調べ、解決しようとする、信頼できる人に解決策を相談する など
2.情動焦点型コーピング
⇒ストレスへの反応に対する対処
具体例:これも自分には良い経験だと思うようにする など
3.ストレス解消型コーピング
⇒ストレスを身体の外へ追い出したり、発散させたりする対処
具体例:趣味や娯楽で気を紛らわす、問題に関係する人を責める など
株式会社ヒューマネージによる2018年の研究では、以下のように報告されています。
“認知”によるコーピングをおこなった人は、ストレス反応の程度が
約 1 割と大幅に改善していました。
参考:「ポジティブに考えると、ストレスが軽減する」を、データで実証。 特に、“対人ストレス”や“職場ストレス”の軽減に効果的。
画像参照:https://www.humanage.co.jp/topics/docs/181109_TEAMS%E7%B5%8C%E5%B9%B4%E5%88%86%E6%9E%90.pdf
コーピングリスト(レパートリー)
ここまででコーピングの意味やその効果についてご理解いただけたと思いますが、重要なのはここからです。
専門家によれば、コーピングは質より量が重要と言われています。
例えば、ストレス解消のために飲酒が効果的だと考え、ちょっとしたストレスのたびに飲酒を繰り返していると依存になりかねません。
つまり、飲酒に関わらず対処法が少ないとそれに依存してしまう可能性があるため、できるだけたくさんの対処法を持っておくことが重要とされています。
折れない心がメモ1枚でできる コーピングのやさしい教科書の著者の臨床心理士 伊藤絵美 氏によればコーピングは100個を目標にリストアップするとよいと言われています。
このように自分のストレスへの対処法をリスト化してコーピングリストを作成し、手元に置いておくことでなにかストレスを感じることがあったときに見返して使えるようにしておくということが大事です。
ちなみに、40代男性のコーピングリストのサンプルが下記です。
画像参照:http://www.nhk.or.jp/special/stress/02.html(現在はページが無いようです)
望ましいコーピングの7つの特徴
最後にコーピングリストを作るときに注意したい、望ましいコーピングの7つの特徴を挙げておきます。
2.時間がかからない
3.実行に無理がない
4.人間関係を損なわない
5.健康に悪影響を及ぼさない
6.自分が後悔をしない
7.人に迷惑をかけない
これらを満たしていないコーピングは継続可能性が低くなってしまうので注意が必要です。
詳しくはこちらをご覧ください。
コーピングリストを作るときに気をつけたい6つのポイント
まとめと関連製品
いかがでしたでしょうか。メンタルヘルス研修、セルフケア研修などではぜひオリジナルのコーピングリストを作成してみるワークを行うとよいかもしれません。
また、市販のゲームでセルフケアやコーピングについて学ぶことができるゲームがあります。
伊藤絵美 (監修)
合同出版 (2023/8/2)合同出版様ホームページ
こちらのゲームについては過去記事に記載しておりますのでぜひご覧ください。