モチベーションマネジメントに使えるグループワークゲーム「Moving Motivators」
今回は珍しく海外のビジネスゲームの紹介です。
その名もMoving Motivators(ムービングモチベーターズ)というゲームです。
画像参照:https://management30.com/practice/moving-motivators/
このゲームでは、メンバーのモチベーションの源泉がなんなのかをカードゲームを用いて見える化・言語化し、対話を通してお互いをより深く知る、または、上司の立場であればモチベーションマネジメントの参考にすることができます。
ヨーガン アペロ氏が提唱する10の動機
このゲームでは、上画像で紹介した10枚のモチベーションの種類を表すカードを用います。
このカードは新時代を切り開くマネジメント3.0の概念を提唱したヨーガン アペロ(Jurgen Appelo)氏が、変化していく組織形態に必要なマネジメントのあり方や本来人が持っている動機や欲求を10個に分類したものを表しています。
10枚のカードについて簡単に説明しておきましょう。
・Honor(自尊心):価値観が仕事に反映される
・Acceptance(承認・承諾):周囲が仕事を承認・承諾してくれる
・Mastery(熟達・知見):能力が及ばない範囲ても挑戦できる仕事
・Power(影響力):周囲に与えられる影響力
・Freedom(自主・独立):他者から独立、責任のある仕事ができる状態
・Relatedness(関係性):仕事における良質な人脈や人間関係
・Order(秩序):安定した環境と十分な役割と規則がある
・Goal(目標):人生の目的が仕事に直結している
・Status(地位):同僚から認められる地位にいる
ヨーガン アペロ氏のTEDxLilleでのマネジメント3.0についての話は下記から閲覧可能です。
Moving Motivatorsのやり方
さて、みなさんは先程の10のモチベーションの要素のうち、どれがあなたにとって最も重要で、どれがそこまで重要ではないでしょうか。
ゲームは1人につき10枚のカードが配布され、それを右から順に最も重要度の高いものから重要度の低いものに並べます。(右端が最も重要)
画像参照:https://www.plays-in-business.com/moving-motivators/
並び終えたら、一人一人が何が重要なのかを共有しましょう。例えば、最も重要度が高いもの2つと低いものを1つを選択して簡潔に話します。
ワークを行う人数が多い場合は3〜4人のグループを作って対話を行うとじっくりと話をすることができると思います。
このとき、そのメンバーがその順位をつけるに至った経験や価値観にフォーカスして話を聞いてあげるとよりその人を深く理解することができます。
画像参照:https://www.plays-in-business.com/moving-motivators/
次に、10個の要素のうち、現在満たされているものを上にずらし、満たされていないものを下にずらすというワークを行います。
これによって、メンバーのチームに対するモチベーションという観点での評価を見える化することができます。
他にも今後考えている変化(例えば、チーム人数が増える、XXという製品を開発する)が、モチベーション上、ポジティブな変化をもたらすのか、ネガティブな変化をもたらすのかを、やはり、上にずらす、下にずらすで表現してもらい、その理由をシェアしてもらいます。
これによって、上司が感じ取れていないメンバーの変化への受け止め方を見える化することができます。
英語版ではありますが、下の動画でも使い方の説明を聞くことができます。
SmartHR 社での実施レポート
国内でもSmartHR社などで実施されているようです。下記が実施レポートです。
チームメンバーの価値観を知る「ムービングモチベーターズ」の実践!
Moving Motivatorsからの気付き・学び
Moving Motivatorsを行うグループワークでの気づき・学びとしては、まず、モチベーションの源泉は人によって違うということです。当たり前のように思えるかも知れませんが、それが見える化されることで体感を持って理解できます。
その上で、モチベーションの源泉が異なることでそれぞれが活きる仕事が異なり、チームとしてのパフォーマンスが向上するということも理解してもらえると思います。
また、自分自身でモチベーションの源泉を知ることも重要だと思います。
カードデータのダウンロード
上記で紹介したカードはPDFデータを下記のサイトから無料でダウンロードすることができます。
https://management30.com/practice/moving-motivators/
ぜひ社内で実施してみてください。
下記のサイト(英語)でもワークショップのやり方が詳しく書いてありますので参考にしてください。