今後の企業に求められる「eリーダーシップ」のための3つの要素

これには、国際団体ATC21sの「21世紀型スキル」を包含する「戦略的思考」、組織変革や事業開発を担う「実務知識・能力」、そして「デジタル知識・能力」という3つの要素が求められます。
目次
1. eリーダーシップとは
2. eリーダーシップで求められる3つの要素
3. Strategic Leadership:戦略的思考
4. Business Savvy:実務知識・能力
5. Digital Savvy:デジタル知識・能力
6. ヨーロッパの諸国の取り組み事例
7. eリーダーシップの育成に関連する研修コンテンツ
8. まとめ
9. よくある質問(FAQ)
10. 研修導入をご検討の方へ
みなさんはeリーダーシップという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
新型コロナウイルスの影響もあり、リモートワークが進む中、eリーダーシップという考え方が広がりつつあります。
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉も流行りつつある中で、今回は今後の企業に求められる「eリーダーシップ」のための3つの要素をご紹介したいと思います。
eリーダーシップとは
【要点】eリーダーシップとは、ICTを活用してイノベーションや事業を推進できる資質のことです。これは、従来のリーダーシップにテクノロジーを融合させた、これからの時代に求められる新しいリーダーのあり方を指しています。急速に変化するビジネス環境において、テクノロジーの力を最大限に引き出しながら組織を牽引していくために、現代の企業やリーダーにとって極めて重要な概念となっています。
まずは、eリーダーシップの定義ですが、以下のように定義されています。
簡単に言えば、「従来のリーダーシップとテクノロジーを融合」させた新しい形のリーダーと言えるでしょう。
eリーダーシップで求められる3つの要素

画像参考: https://eskills.org.mt/
eリーダーシップで求められるスキルは大きく3つの領域に分類されています。
2.Business Savvy:実務知識・能力
3.Digital Savvy:デジタル知識・能力
まさに、従来のリーダーシップとテクノロジーを融合させたリーダーという形です。
1つずつの領域をもう少し詳しく紹介したいと思います。
Strategic Leadership:戦略的思考
【要点】eリーダーシップにおけるStrategic Leadership(戦略的思考)は、国際団体ATC21sが提唱する「21世紀型スキル」の4つのうち、思考や仕事、世界での生き方に関する3つのスキルを包含しています。この領域には、情報の予測や顧客理解、創造力など、現代の企業活動に不可欠な複数の細分化されたスキルが含まれています。
Strategic Leadershipの領域はさらに下記のようなスキルに細分化されています。
・Understanding customer needs(顧客理解)
・Solution orientation(解決策の方向付け)
・Creativity(創造力)
・Independent learner(自立学習)
・Team leading (チームを先導・主導・指導)
・Cultures, Intermationalization(文化、他国との関係をもつ)
このスキルは21世紀に求められるスキルとしてATC21s(Assessment and Teaching in 21st Century Skills)という国際団体が提唱している4つのスキルのうちの3つを包含しているように思います。

上画像がATC21sですが、このうちのWAYS OF THINKING,WAYS OF WORKING,WAYS OF LIVING IN THE WORLDの3つはStrategic Leadershipに含まれると思います。
ATC21sについてはこちらを御覧ください。
ATC21sによる21世紀型スキルとは(その定義)
Business Savvy:実務知識・能力
Business Savvyの領域はさらに下記のようなスキルに細分化されています。
・Partnership Establishment (業務提携の推進)
・Business development(事業開発)
・Organaisation change(組織変革)
・Project management(プロジェクト管理能力)
・Process optimisation (プロセスの最適化)
・Strategic marketing(戦略的マーケティング思考)
・Agile methodology(アジャイル開発の知見)
・Business analysis(事業分析)
・Market analysis(市場分析)
・Financial skills(財務)
これらのスキルはより現場で必要なスキルということになるでしょう。ただし、1つだけ特徴を挙げるとしたら、ハイライトしたAgile methodology(アジャイル開発の知見)でしょう。VUCAの時代において、アジャイル開発の知見を持っていることがeリーダーシップには求められています。
Digital Savvy:デジタル知識・能力
Digital Savvyの領域はさらに下記のようなスキルに細分化されています。
・Cloud computing & Virtualization(クラウドコンピュータ&ヴァーチャル技術)
・Mobile app design and development(モバイルアプリのデザインと開発)
・Complex business systems(複雑な事業の仕組みの理解)
・Web development & tools(ウェブ開発とツールの活用)
・IT architecture, platform architecture(IT構築やプラットフォーム構築)
・Security skills(セキュリティスキルの理解)
・ERP systems(ERPシステムの理解)
・Social media (SNSの活用)
この領域がeリーダーシップの特徴と言えると思います。これまでのリーダーにはあまり求められていなかったスキルですが、世界を席巻するGAFAのリーダーには確実にこれらの能力が備わっています。
ちなみに、ATC21sと比べるとTOOLS FOR WORKINGをより詳細に示しています。
ヨーロッパの諸国の取り組み事例
ヨーロッパではeリーダーシップの育成に力を入れています。
具体的には、2013年から欧州全体でeリーダーシップの開発を推進し、2013年からEuropean Commission e-leadership Initiativeが設立され、段階を踏んで2020年までにe-リーダーを20万人育成するという目標を掲げて取り組みを行ってきました。(え、日本は・・・)
実際にヨーロッパで発表されたeリーダーシップの需要を予測された2015年から2020までのデータでは年平均4.6%増加されると予測され、776,000人が必要となるため、年間40,000〜50,000のeリーダーを育成する必要があるとされていました。
だいぶ日本を先行しているヨーロッパですが、この差は残念ながら今後も開いてしまいそうです。
eリーダーシップの育成に関連する研修コンテンツ
【要点】eリーダーシップは概念として新しく、これを直接育成する体系的なプログラムが確立されているわけではありません。ただし3つの要素として挙げられた領域は、いずれも「知識として知っている」状態と「実際に判断・行動できる」状態のギャップが大きいテーマです。弊社では、こうした領域と重なるテーマを扱う体験型のビジネスゲーム研修を提供しています。
3つの要素として挙げられた戦略的思考・実務知識・デジタル知識は、どれも座学で知識を入れるだけでは行動につながりにくい領域です。とくに「不確実な状況で意思決定する」「事業の全体像を踏まえて判断する」といった部分は、実際にやってみるまで自分の判断の癖が見えてきません。
そこで弊社が提供している体験型のビジネスゲーム研修の中から、これらの領域と重なるテーマを扱うものを3つご紹介します。いずれもeリーダーシップの育成を目的として開発されたコンテンツではありませんが、変化への対応や事業運営を疑似体験する題材としてご活用いただいています。リーダーシップをテーマにした研修で使えるゲームはリーダーシップ研修で使えるビジネスゲーム4選でもまとめています。
トレードアンドグロース

トレードアンドグロースは、VUCAを再現した設定でチーム間交渉が求められるビジネスゲームです。1チーム4〜6名でチームを組み、各チームには7枚の情報カードが配られます。ゲームのルールそのものもカードに分散して書かれているため、誰も全体のルールを知らない状態からスタートし、他チームとの情報共有や交渉によって事業価値の最大化を目指します。
ゲームは4ラウンド制で、途中では環境変化イベントが発生し、それまでの前提が崩れます。不完全な情報のまま意思決定を行い、状況が変われば戦略を組み替えるという流れを体験するため、変化の速い環境での判断を題材にした研修としてご利用いただいています。
対象人数は12名以上(1チーム4〜6名推奨)、実施時間は1時間半〜3時間です。
VUCA時代のチーム間交渉ゲーム「トレード&グロース」の詳細はこちら
プロジェクトテーマパーク

プロジェクトテーマパークは、プロジェクト管理ツール「Backlog」を提供する株式会社ヌーラボが2019年にリリースした協力型ボードゲームです。サイコロや「ヤル気カード」を使ってジェットコースターや観覧車などのアトラクションを1ターンずつ建築し、期日までにすべて完成させることを目指します。
弊社ではヌーラボ社と連携し、このボードゲームを使ってプロジェクト管理を学ぶ研修プログラムを提供しています。ゲームのあとには振り返りと解説の時間を設け、PMBOKの説明を交えながら「ゲームから学べて現実に活かせることは何か」を参加者どうしで考えます。
2026年6月現在、プロジェクトテーマパークの導入社数は約120社、受講者満足度は4.89(5点満点)となっております。

その中でプロジェクトテーマパークは、システム開発に関するコンテンツではないため、知識の有無によらず受講者全員が平等に発言する環境を促進できると同時に、PMBOKの知識エリアを5/9カバーしているため、アナロジー的な思考も容易になり業務にも還元しやすいと思い、導入を決断しました。
対象人数は3名〜100名超(1グループ3〜5名)、実施時間は2〜3時間です。講師派遣型とキットレンタルのどちらにも対応しています。
ヌーラボと連携した「プロジェクトテーマパーク」研修の詳細はこちら
NASAゲーム2025オンライン

NASAゲーム2025オンラインは、月に不時着したという設定で15個のアイテムに優先順位をつけ、チームで1つの答えに合意するコンセンサスゲームです。NASAの公式サイトで紹介されていた2025年設定のものを採用しており、模範解答が2人の科学者から示されている点、15個のアイテムのうち4つが変更されている点が従来版との違いです。
ZoomやTeamsなどのビデオ会議で議論しながら、最終的な回答はウェブシステムから入力する形式のため、参加者が別々の場所にいても実施できます。画面越しに情報を持ち寄って結論を出すプロセスそのものが研修の題材になるため、リモートワークが定着した組織でご利用いただいています。
対象人数は4名〜100名超(1チーム4〜6名推奨)、実施時間は約50分〜2時間です。社内講師で実施する場合はゲームシステムの貸し出しに加え、講師向けのトークスクリプトや解説入りのパワーポイント資料を提供しています。
NASAゲーム2025オンラインの詳細はこちら
まとめ
【要点】本記事では、これからの企業経営において重要性が高まるeリーダーシップを身につけるために不可欠な3つの要素について詳しく解説しました。変化の激しい現代ビジネスにおいて、この新たな指導力は組織を成功に導く鍵となります。紹介した内容が、今後の組織における効果的なリーダー開発を進める上での有益な参考指針となれば幸いです。
いかがでしたでしょうか。今回は、今後の企業に求められる「eリーダーシップ」のための3つの要素ということでeリーダーシップについて紹介しました。
今後のリーダー開発の参考になれば幸いです。
よくある質問(FAQ)
Q. eリーダーシップと従来のリーダーシップは何が違いますか?
A. eリーダーシップは、ICTを活用してイノベーションや事業を推進できる資質を指します。従来のリーダーシップでも求められてきた戦略的思考や実務知識に加えて、ビッグデータ解析やクラウド、セキュリティといったデジタル領域の知識・能力が求められる点が違いです。
Q. eリーダーシップに求められる3つの要素とは何ですか?
A. Strategic Leadership(戦略的思考)、Business Savvy(実務知識・能力)、Digital Savvy(デジタル知識・能力)の3つです。戦略的思考にはATC21sが提唱する21世紀型スキルの多くが含まれ、実務知識には事業開発や組織変革、プロジェクト管理などが、デジタル知識にはビッグデータ解析やクラウド、セキュリティの理解などが含まれます。
Q. eリーダーシップの育成に力を入れている国はありますか?
A. ヨーロッパでは2013年からEuropean Commission e-leadership Initiativeが設立され、2020年までにeリーダーを20万人育成するという目標を掲げた取り組みが行われてきました。日本ではこうした国レベルでの育成プログラムはまだ整備されていません。
Q. 研修で使えるゲームの費用はどのくらいですか?
A. 本記事でご紹介したコンテンツの場合、キットレンタルは5万円〜(20名での実施の場合)、講師派遣型は25万円〜が目安です。参加人数や実施形式によって金額が異なりますので、詳細はお問い合わせください。
Q. 何人くらいの規模で実施できますか?また、所要時間はどのくらいですか?
A. ご紹介した3つのコンテンツは3名〜100名超まで対応可能です。所要時間はゲームによって異なりますが、説明や振り返りを含めるとゲーム1種類あたり1.5〜2時間を見込んでください。
Q. オンラインでも実施できますか?
A. ご紹介した3つのうち、NASAゲーム2025オンラインがオンライン専用のコンテンツです。ZoomやTeamsなどのWeb会議ツールで議論しながら、最終的な回答はブラウザ上のシステムから入力します。
Q. 社内のスタッフだけで実施できますか?
A. はい。キットレンタルには運営用スライド(パワーポイント)や動画マニュアルが付属しているため、社内の講師・ファシリテーターだけで実施いただけます。オンライン版の場合もゲームシステムの貸し出しに加えて、講師向けのトークスクリプトや解説の入った資料を提供しています。
Q. 過去の導入事例はありますか?
A. これまで4,500社以上の研修実績があります。具体的な事例は導入事例ページまたはお問い合わせフォームよりご相談ください。
研修導入をご検討の方へ
eリーダーシップが示すように、これからのリーダーには従来のリーダーシップに加えてテクノロジーへの理解が求められます。ただ、こうした力は知識として学ぶだけでは行動につながりにくいものです。
弊社では研修をご担当されている方に向けて、体験型のビジネスゲーム研修を提供しています。上記でご紹介した3つのコンテンツは、いずれも弊社講師の派遣と、社内講師で実施いただく形式の両方に対応しています。
詳細な資料、お見積りをご希望の方はまずは下記より資料請求をお願いします。
※同業他社様からのお問い合わせはご遠慮ください。


不確定要素が多い中で、情報を集め、仮説を立て、検証するという一連の流れを体験し、状況に応じて柔軟に対応する重要性について理解を深めるよい機会になったと感じています。