今回は、ここ最近話題のレジリエンスについて書いていきたいと思います。

レジリエンスとは・・・「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」などとも訳される心理学用語である。

イメージととしてはサンドバッグのように「打たれても戻ってくるしなやかさ」 というところでしょうか。

他にはボールを手で押したときに元に戻ろうとする反発力という表現もよく使われます。

画像参照:https://resilient-medical.com/risk/resilience-meaning-definition

ストレス社会と呼ばれる現代において、ストレスを受けたときに回復できる力、レジリエンスが求められています。

今回はそんなレジリエンスを診断する二次元レジリエンス要因尺度をご紹介したいと思います。

二次元レジリエンス要因尺度によるレジリエンス診断

今回は下記の論文を引用し、二次元レジリエンス要因尺度をご紹介します。

レジリエンスの資質的要因・獲得的要因の分類の試み
――二次元レジリエンス要因尺度(BRS)の作成
平野 真理

パーソナリティ研究
2010 年 19 巻 2 号 p. 94-106

https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/19/2/19_2_94/_article/-char/ja/

論文の中で、著者はレジリエンスを資質的な性質の強いレジリエンス要因と、獲得的な性質の強いレジリエンス要因の2つに分類しています。
つまり、生まれ持った気質的なものなのか、後天的に身に着けた性格的なものなのか、に分けています。

調査の結果、2つの要因はさらに細かい因子によって構成されていることがわかりました。

★資質的レジリエンス要因
楽観性
⇒将来に対して肯定的な期待を保持する傾向

統御力
⇒体調や感情といったコントロールしにくい部分を統御する力

社交性
⇒他者と関わるのを好み、コミュニケーションをとるのが容易である傾向

行動力
⇒物事に対して目標や意欲をもち、それに向かって努力・達成できる能力

★獲得的レジリエンス要因
問題解決志向
⇒問題を積極的に解決しようとする志向性、および解決スキルを学ぼうとする傾向

自己理解
⇒自分自身の考えや特性について理解し把握する力

他者心理の理解
⇒他者の心理を認知的に理解する力

それでは、これらをどうやって測定していくのか、ということですが、これについては下記の21個の質問項目に対して、1「まったくあてはまらない」~5「よくあてはまる」の5件法で回答してもらうという形となっています。

二次元レジリエンス要因尺度によるレジリエンス診

画像引用:
平野真理 (2010).
レジリエンスの資質的要因・獲得的要因の分類の試み
――二次元レジリエンス要因尺度(BRS)の作成

パーソナリティ研究, 19, 94-106.

注意点は自己理解の11の問いは逆転項目となっています。
各項目の合計が尺度全体・下位尺度の得点となります。

なお、尺度利用マニュアルには以下のように記載されています。

必ずしも本尺度の総得点が高いことが望ましいわけではないことに留意し、
個人の有するレジリエンス要因をプロフィール的に理解するために活用
いただければ幸いである。

尺度の使用マニュアルはこちらを御覧ください。

「二次元レジリエンス要因尺度」 使用マニュアル

まとめ

いかがでしょうか。

昨今とても注目されているレジリエンスですが、自分のレジリエンスがどれぐらいなのか気になるという方も多いのではないでしょうか。また、研修テーマとしてレジリエンスを取り上げたいという方も多いと思います。

そんなときに、この二次元レジリエンス要因尺度を活用してレジリエンス力(りょく)を診断してみて、自己理解を深めるというのも良いかと思います。

ぜひ論文も読んでみてください。

レジリエンスの資質的要因・獲得的要因の分類の試み
――二次元レジリエンス要因尺度(BRS)の作成
平野 真理

パーソナリティ研究
2010 年 19 巻 2 号 p. 94-106

https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/19/2/19_2_94/_article/-char/ja/


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