今回はレジリエンス・エンジニアリングの4つの能力というテーマでレジリエンス・エンジニアリングについて紹介したいと思います。

なお、以前にも管理職に必要なレジリエンス・エンジニアリングという考え方という記事をご紹介しましたので、そちらも合わせてご覧いただければと思います。

管理職に必要なレジリエンス・エンジニアリングという考え方

簡単に書くと、レジリエンス・エンジニアリングは安全についての考え方で、これまでの安全の考え方は「事故やエラーが起こらない状態」というのが一般的だと思いますが、「エラーが発生してもすぐに復旧可能なようにする、事故が発生した時の対応が示されている状態」を目指すという考え方です。

このように書くと、事故やエラーは無いほうが良いじゃないか!と考える方もいると思います。それはもちろんその通りだと思いますが、ゼロリスク信仰はやめて、適切なリスクは取って、果実も手にしていこうという考え方になります。

レジリエンス・エンジニアリングの4つの能力

ということで、前置きが長くなりましたので結論を。

レジリエンス・エンジニアリングの4つの能力

こちらがレジリエンス・エンジニアリングの4つの能力を図示したものです。

1.対処(Responding)
⇒現在発生している問題に適切に対処できる能力

2.監視(Monitoring)
⇒どんな兆候に注意を払って監視すべきか知っていて、かつ、実際に監視できる能力

3.予見(Anticipation)
⇒問題やチャンスの可能性を見定める能力

4.学習(Learning)
⇒発生した問題からの教訓を得る能力
⇒3つの能力を絶え間なく向上させるための学習能力

図でも分かる通り、4つの能力は互いに独立しているわけではなく、例えば、予見ができれば監視や対処についても事前に備えができることが多いなど、関連しています。

1つめは対処できる能力で、問題が発生した際に修正する能力や、事前に用意された対応マニュアルを遂行できる能力、さらにはマニュアル外の問題について臨機応変に対応できる能力が求められます。

2つめは監視で、問題の発生を認識したり、発生しそうかを知る能力が求められています。また、そのためには何を監視すべきかを知っている必要があります。

3つめは予見で、監視よりも時間軸的には前に必要な能力で、個人的には4つの能力の中では最も難しいように思えます。問題やチャンスの可能性を見定めるという抽象性の高い能力です。
チャンスについて言えば「ワクワクする」といった感覚や、問題については「なんか嫌な感じがする」というデータになってない感覚のようなものに近いかもしれません。

最後が学習で、発生した問題からの教訓を得るという問題対処後に求められる能力という意味と、対処、監視、予見についての能力を絶え間なく高めるという平時に必要とされる能力の2つの意味があります。

まとめ

いかがでしょうか。今回はレジリエンス・エンジニアリングの4つの能力についてご紹介しました。

レジリエンス・エンジニアリングの4つの能力

どこかでこれら4つの能力を効果的に発揮するための補完的条件についても書きたいと思います。

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