今回は興味深い論文を見つけましたのでみなさんに紹介したいと思います。
それが、入棺体験による死の疑似体験というDeath Educationについての論文です。

それがこちらの論文です。

看護学生の入棺体験による死観の変化
―Death Educationの効果に関する準実験的研究―
河野 由美(2006)
藍野大学

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjesp/45/2/45_2_122/_pdf/-char/ja

弊社では過去にも別の死の疑似体験ワークをご紹介しています。

シニアのキャリア研修で実施したい「死の疑似体験」ワーク

こちらのワークについてはオンライン研修として実施できるようなツールの開発も行っており、パーソルホールディングス様などでの実施実績があります。

パーソルホールディングス様の実施レポート

今回紹介する死の疑似体験は入棺体験というより、リアリティのあるワークとなっています。
このように死の疑似体験するというワークはDeath Educationという分野の1要素として注目されているようです。

ちなみに、Death Education(死の準備教育)の目的は以下のように設定されています。

Death Education のプログラムの性質や内容は定まっていないが,
目標としては死の不安の軽減である。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjesp/45/2/45_2_122/_pdf/-char/ja

入棺体験による死の疑似体験

少し前置きが長くなりましたが、論文では、看護学生に対して、納棺の儀の手順を一通り実施し、その後、本物の棺桶を使って一人ずつ入棺し、蓋を閉めるという体験を実施したことが記載されています。

この体験の結果、入棺を体験した学生には以下のような効果があったと記載されています。

否定的死観である
「苦痛」「挫折」「虚無」「未知」が軽減し,
肯定的な死観である
「浄福な来世」が上昇することが明らかとなった。

入棺体験 死の疑似体験
画像引用: Table5 事後調査の死観尺度の平均値と標準偏差

また、論文では入館した学生の感想が下記のように掲載されていました。
死の疑似体験 ワーク
画像引用: Table6 「お棺に入った感想」の自由記述内容

寂しい、淋しいというキーワードが複数回登場しており、個人的にはSNSで常時つながっている現代の特徴なのかなと感じました。

論文では他にも個人の宗教観が入棺体験の効果に与える影響などより詳しい分析が行われています。

まとめ

いかがでしょうか。非常に興味深い論文だと思います。ぜひ本文を読んでみてください。

看護学生の入棺体験による死観の変化
―Death Educationの効果に関する準実験的研究―
河野 由美(2006)
藍野大学

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjesp/45/2/45_2_122/_pdf/-char/ja

また、弊社で提供している死の疑似体験ワークについてこちらをご覧ください。

死の疑似体験 オンラインを開発しました


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