システム思考×SDGs 「SDGs共有地の悲劇ゲーム」オンライン
今回は弊社の新製品であるSDGs共有地の悲劇ゲームについて紹介したいと思います。
SDGs共有地の悲劇ゲームのコンセプトはシステム思考×SDGsとなっています。
ゲームとしてはできるだけシンプルながら、実際にやってみると難しいという構成を目指していて、さらに、ゲームが終わった後にちょっとしたサプライズが用意されているという形となっています。
※本ゲームは先にオンライン版の提供を開始し、新型コロナウイルスの影響がもう少し落ち着いたタイミングでリアル(オフライン)版の提供を開始する予定です。
なお、共有地の悲劇とはシステム思考の1つのツールである「システム原型」の1つです。
こちらについては過去記事で紹介していますので参考にして下さい。
簡単に解説!システム原型その4:共有地の悲劇
SDGs共有地の悲劇ゲームの概要
まずはゲームの概要を紹介したいと思います。共有地の悲劇のよくある事例として漁場の漁師がありますが、このゲームも漁場で漁をする漁師という設定です。
ゲームのコンセプトとしてシステム思考の他にSDGsとうたっていますが、このゲームはSDGsの17の目標の14番目の海の豊かさを守ろうがゲームの設定となっています。
このゲームを企業研修として実施する際に自社にとって「海の豊かさを守ろう」の関連度が低いという場合もあると思いますが、最後まで読んで頂ければ、業界関係なくSDGsへの理解が深まる内容になっていることがご理解頂けるかと思います。
ゲームは3〜4名1チームで実施します。
ゲームのゴールは6ラウンドが終了したときに、チームとしては漁場の魚を0にしない、かつ、個人としては最も多くの現金を保有しているプレイヤーの勝利です。
ただし、ゲーム終了時も含めて、どこかのラウンドで漁場の魚が0匹となってしまった場合は全プレイヤーの敗北となります。漁場に魚がいなくなったら全員が廃業してしまう、ということです。
魚をたくさん獲って売れば、現金が獲得できてゲームの勝利に近づきます。
しかし、他のプレイヤーも同じ様に考えると、乱獲が起こり、漁場の魚が一気に減ってしまいます。
まさに、SDGsのように持続可能な漁場運営が求められるわけです。
ちなみに漁場には上画像のように魚とプラスチックゴミが存在しています。
プレイヤーは各ラウンドで魚を何匹獲るか、そして、プラスチックゴミを何個回収するかを選択します。
魚を獲れば現金が獲得できますが、プラスチックゴミは回収しても現金を獲得できないどころか、回収作業に掛かる分の現金を支払うことになります。つまり、ゲームの勝利から遠のいてしまうわけです。
では、プラスチックゴミなんて回収しなければ良いではないか、と思うかもしれませんが、それでは持続可能な社会の実現とはいきません。
現実問題としても、ユニセフのホームページにもプラスチックゴミの問題が取り上げられています。
ユニセフのホームページ
実は、各ラウンドの最後には魚が卵を生んで漁場に魚が増えるのですが、同時にプラスチックゴミも1つ増えます。
この時、魚が増える数についてはプラスチックゴミが無いマスだけ(上画像参照)となります。
つまり、魚を多く増やそうと思ったら、プラスチックゴミを回収し、空きマスを確保する必要があります。
ただ、先ほどもお伝えしたとおり、プラスチックゴミを回収すると支出が発生するため勝利からは遠のいてしまう。
みんなで同じ数のゴミを回収すれば平等だけど他のプレイヤーも協力してくれるかはわからない、というモヤモヤがあります。
最終的には6ラウンドが終了したときに、最も多くの現金を保有しているプレイヤーの勝利となります。
ゲーム後のアフターストーリー
実はこのゲーム、6ラウンド目が終わって優勝者が決まっておめでとう!で終わるゲームでは「ありません」。
実際にゲームをやってみると、持続可能な漁場を重視しすぎるがあまり、自分はあまり魚を獲らず、みんなのためにプラスチックゴミの回収に徹するプレイヤーが出てくることがあります。
または、プラスチックゴミの回収はそこそこにして、かつ、6ラウンド目が終わればゲームは終わりだから、最後のラウンドはみんなでたくさん魚を獲ろうぜ!となるチームもあります。
そんな状況を踏まえて、このゲームでは6ラウンド目終了後、アフターストーリーというものが用意されています。
アフターストーリーには3つの視点があります。
⇒ゲーム終了時の魚の数が一定以下、または、プラスチックゴミの数が一定以上の場合、
X年後に海の豊かさが損なわれてしまった、という結果になる。
2.1位と最下位の保有現金の差額
⇒同じチーム内の1位の人と最下位の人の保有現金の差が一定以上の場合、
経済格差が発生し、SDGsの17の目標の1番目「貧困をなくそう」
が達成できないという結果になる。
3.プレイヤー全体の保有現金の合計
⇒同じチームのプレイヤー全体の保有現金の合計が一定以下だと、
税収が落ち込み、社会インフラの維持が困難となるため、
SDGsの17の目標の3番目「すべての人に健康と福祉を」、
4番目「質の高い教育をみんなに」
11番目「住み続けられるまちづくりを」
が達成できないという結果になる。
1つ目の視点は、ゲームだから6ラウンドで終了となるが、現実はゴーイング・コンサーンとして続いていくため、長期的な視点を持つことが大事だということを意味しています。
また、2つ目と3つ目の視点は海の豊かさは守れたけれども、他のSDGs目標が実現できなくなったということを表しており、SDGsの17の目標は相互につながっていることを意味しています。
最後に、実は、1ラウンドで全プレイヤーがプラスチックゴミを回収すると、海の豊かさが守られやすくなる設定となっています。これは、SDGsの目標に対して、いつかではなく、今すぐに行動を起こすことが重要ということを意味しています。
また、ゲーム後の振り返りではゲームとシステム思考の繋がりを説明しています。
実施事例
実施事例として、さとのば大学での実施レポートをご紹介します。
社会課題をゲームで学ぶ!?~さとのば大学オープンキャンパスレポート~
詳細資料やデモ版を見たいという方へ
少し長くなってしまいましたが、今回は弊社の新作ゲームである 「SDGs共有地の悲劇ゲーム」オンラインについてご紹介しました。
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