ERG(Employee Resource Group)とは?D&I推進と従業員成長を促す4つの目的 — D&I推進・キャリア開発・コミュニティ形成・リーダーシップ機会提供の4つの目的

【結論】ERG(Employee Resource Group)とは
共通の関心事や属性を持つ従業員が任意に集まり、情報交換・相互支援・組織への提言を行う社内コミュニティです。

主な目的は次の4つです。
①ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進
②メンバーのキャリア開発支援
③従業員間のコミュニティ形成
④リーダーシップ機会の提供

【この記事で分かること】
・ERGの4つの目的と具体的な活動内容
・労働組合や部活動との違い
・自社でERGを始める8ステップ

目次

1. ERGの目的は?
2. 労働組合や社内の部活動との違い
3. ERGの具体的な活動とは?
4. ERGの始め方
5. ERG活動で使えるおすすめビジネスゲーム
6. 1. バーンガ(ダイバーシティ&インクルージョン体験)
7. 2. NASAゲーム(合意形成・多様な意見の統合)
8. 3. ベストチーム(心理的安全性)
9. ERGをさらに学ぶおすすめ書籍
10. ERGに関するよくある質問(FAQ)
11. まとめ

今回はここ最近注目されているERG(Employee Resource Group)についてご紹介したいと思います。

Employee Resource Group(ERG)は、
組織内で特定の共通の関心事や属性を持つ従業員が集まり、
情報交換や支援を提供するためのグループ
です。

一般的に、ERGはダイバーシティ&インクルージョンを促進
するために設立されますが、その目的や活動は組織によって
異なる場合があります。

企業での事例としてはパナソニックさんがうまく活用されているように思います。

会社と有志の良い関係って?ERGサミットから見えたこと

https://note.com/onepanasonic/n/n7b9839e8bfe2

ERGの目的は?

ここまで見てきて「ふーん」という感想をお持ちの方も多いと思います。
ここではなぜERGが注目されているのか、その設立の目的についてご紹介したいと思います。

目的は大きく4つあります。

1.ダイバーシティ&インクルージョンの促進
ERGは、異なる背景や属性を持つ従業員が組織内で包摂され、
尊重されることを確保するのに役立ちます。

例えば、女性、LGBTQ+、マイノリティ、障がい者など、様々な属性を持つ人々が
共通の声を持ち、組織文化や政策の改善を促進することができます。

2.プロフェッショナルな成長と開発の促進
ERGは、メンターシップ、トレーニング、キャリア開発プログラムなどを通じて、
メンバーのスキル向上や職場での成功を支援する場を提供することがあります。

3.コミュニティ形成とサポート
ERGは、メンバー間でのつながりを深め、組織内外でのサポートシステム
を構築します。
これにより、従業員はより快適で支えられた環境で働くことができます。

4.リーダーシップ機会の提供
ERGは、リーダーシップの機会を提供することで、メンバーが自己成長を促進し、
組織全体での影響力を高めることができます。

個人的になるほど、と思ったのは4番目のリーダーシップ機会の提供で、こういうった小さなグループの中でリーダーシップ経験を積むというのは重要だなと感じました。

労働組合や社内の部活動との違い

ここまで読んできて、労働組合や社内の部活動と同じような感じかな、と感じている方もいるかと思います。

朝日新聞デジタル様の記事で、労働組合とERGとの違いについて記述されている表がありましたので引用させていただきます。

ERG(従業員リソースグループ)とは? 概要や注意点などを解説
画像引用:https://www.asahi.com/sdgs/article/15012804

労働組合がその存在意義が明確なのに対して、ERGの方がバラバラ感はありますが、参加者の共通点が個人の特性ということですので、参加することへの熱量の高さはERGの方が高そうな気がしています。

また、社内の部活動との違いについては以下のようなものが考えられます。

目的の違い
ERG: 主な目的は、D&Iを促進することです。

社内の部活動: 目的は趣味やスポーツ、文化活動などを通した交流となります。

参加メンバーの違い
ERG: 通常は、特定の属性や関心事を持つ従業員がメンバーとなります。
例えば、女性、LGBTQ+、マイノリティ、障がい者などが該当します。

社内の部活動: 通常は、興味や趣味に共感する従業員がメンバーとなります。

活動内容の違い
ERG: 活動内容は、D&Iの促進、プロフェッショナルな成長と開発、コミュニティ形成とサポートなど

社内の部活動: 活動内容は、趣味やスポーツ、文化活動、ボランティア活動など

組織への影響力の違い
ERG: D&Iの促進や組織文化の改善など、
組織全体に対するポジティブな影響を目指します。

社内の部活動: 通常は、メンバーの交流や楽しみを提供することが主な目的であり、
組織全体に直接的な影響を与えることはありません

ERGの具体的な活動とは?

なんとなくわかってきたけど、じゃあ具体的に何やるグループなの?という疑問が湧くかと思います。

ここではERGに実施されている具体的には活動を6つご紹介したいと思います。

1.定例会議やイベントの開催
ERGは定期的な会議やイベントを開催し、メンバー同士の交流や情報共有の場を提供します。
これには、ネットワーキングイベント、パネルディスカッション、ワークショップ、
セミナーなどが含まれます。

2.メンターシッププログラム
メンタリングやコーチングプログラムを通じて、経験豊富なメンバーが新入社員や
若手従業員をサポートし、キャリアの成長やプロフェッショナルなスキルの向上
を促進します。

3.意識向上キャンペーン
D&Iに関する意識向上キャンペーンを実施し、組織全体で理解を深める取り組み
を行います。これには、トレーニングセッション、パネルディスカッション、
啓発キャンペーン、リソースの提供などが含まれます。

4.地域社会への貢献
ボランティア活動や地域サービスプロジェクトを通じて、組織が地域社会に貢献する
機会を提供します。これには、チャリティイベント、寄付活動、
ボランティアプログラムの支援などが含まれます。

5.組織内政策や文化の改善
ERGは、組織内の政策や文化に関する提案や改善を行います。例えば、
D&Iを促進する新しいポリシーやプログラムの提案、差別や偏見に対処するための
取り組みなどが含まれます。

6.外部の講演やイベントへの参加
ERGは、業界イベントやカンファレンスへの参加や、他の組織の多様性関連の
イベントに参加して、知識を共有し、ベストプラクティスを学びます。

これらの活動内容を見ると社内の部活動との違いは明確で、やや労働組合側に近い活動だと言えると思います。

ERGの始め方

最後に、「なるほど、うちの会社にもERGのような活動が必要だ」と感じた方がどのようにERGを始めていけばよいのか?ということについて始めたあとの流れも含めて8個のステップにわけてご紹介したいと思います。

STEP1.必要性の評価
まず、組織内でERGが必要かどうかを評価します。組織のD&Iの促進、従業員のサポート、
文化の改善など、ERGが解決するべき問題や目標が明確になることが重要です。

STEP2.リーダーシップの確保:
ERGをリードするリーダーシップチームを組織します。
このチームには、ERGの目的や活動を立案し、実行するための情熱と
リーダーシップ能力を持つメンバーが含まれます。

STEP3.組織の承認を取得
ERGを始める前に、組織のリーダーシップや人事部門から承認を取得します。
組織のリーダーシップやルールに則り、ERGが適切に運営されることを
保証することが重要です。

STEP4.メンバーの募集
ERGの目的に共感し、参加したいと考える従業員を募集します。
定期的な会議や情報セッションを通じて、ERGの存在を広く周知し、興味を持つ従業員を集めます。

STEP5.目標と計画の設定
ERGの目標や活動計画を設定します。これには、定期的な会議やイベントの開催、
メンターシッププログラムの立ち上げ、意識向上キャンペーンの実施などが含まれます。

ーーここまでが始め方のステップーー

STEP6.活動の実施と評価
計画を実行し、ERGの活動を開始します。定期的に進捗状況を評価し、
メンバーのフィードバックを収集して、必要に応じて調整を行います。

STEP7.組織との連携
ERGは、組織内の他の部門やリーダーシップと連携し、支援を受けながら活動を展開します。
必要に応じて、資金援助やリソースの提供を求めることも重要です。

STEP8.成果の共有と広報
ERGの活動や成果を組織内外に広報し、関心を持つ人々に参加を呼びかけます。
成功事例やメンバーの声を通じて、ERGの存在と価値を積極的にアピールします。

ERG活動で使えるおすすめビジネスゲーム

ERGの目的である「D&I推進」「コミュニティ形成」「リーダーシップ機会の提供」をより効果的に実現するために、体験型のビジネスゲームを活動に取り入れる方法があります。ここではERG活動と相性の良い3つのゲームをご紹介します。

1. バーンガ(ダイバーシティ&インクルージョン体験)

バーンガ

バーンガは、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I・DEI)を体験から学ぶビジネスゲームです。ゲーム中は無言で実施するルールのため、英語力や日本語力を問わず参加でき、外国人社員との合同研修や海外支社のメンバーとの交流にも活用できます。導入社数約30社、受講者満足度は5.0(5点満点)。

詳しくは D&I、DEIを体験する「バーンガ」実施の詳しい流れ をご覧ください。

2. NASAゲーム(合意形成・多様な意見の統合)

NASAゲーム

NASAゲームは、チーム内での合意形成(コンセンサス)を学ぶゲームです。ERGに集まった異なる属性・背景を持つメンバーが共通の意思決定を行う場面で、多数決ではない真の合意プロセスを体験できます。導入社数約560社、受講者満足度は4.81(5点満点)。オンライン版もあります。

詳しくは NASAゲーム|チームビルディング研修 をご覧ください。

3. ベストチーム(心理的安全性)

ベストチーム

ベストチームは、心理的安全性を学ぶチームビルディングゲームです。ERG活動の前提となる「率直に話せる場づくり」を体験的に学べる設計で、メンバー間の関係性向上と業績向上の両立を扱います。導入社数約180社、受講者満足度は4.91(5点満点)。

詳しくは 『ベストチーム』実施の流れ:心理的安全性を高めるチームビルディング研修 をご覧ください。

ERGをさらに学ぶおすすめ書籍

ERGをはじめとするダイバーシティ&インクルージョン推進について、より体系的に学びたい方にはGoogleでプロダクトインクルージョンチームを率いてきたアニー・ジャン=バティスト氏の著書がおすすめです。Googleの社内ERGや実際の製品開発プロセスでD&Iがどう機能しているか、具体的な事例とフレームワークを交えて解説されています。

社内コミュニティとしてのERGを成功させるには、ボトムアップの活動と経営層の理解の両輪が必要です。本書はその両面を実例ベースで描いており、これからERGを立ち上げる担当者・既に運営しているリーダーの双方に参考になる一冊です。

ERGに関するよくある質問(FAQ)

Q1. ERGと労働組合の違いは何ですか?
労働組合は労働条件の交渉が中心ですが、ERGは特定の属性や関心事を共有する有志のコミュニティで、企業のD&I戦略やメンバー支援を目的とします。

Q2. ERGへの参加は強制ですか?
任意です。共通の関心に共感する従業員が自発的に参加することが基本となります。

Q3. ERGを始めるのに最低何人必要ですか?
特定の人数規定はありません。趣旨に共感する有志が集まることが起点となります。

Q4. ERGの効果はどう測定しますか?
メンバーのエンゲージメント、定着率、提言数、組織文化サーベイの変化などが一般的な指標として使われます。

Q5. 中小企業でもERGは導入できますか?
可能です。規模が小さいほどメンバー間の関係性が密になり、機動的に活動できるメリットもあります。

まとめ

いかがでしょうか。今回は最近注目されているERG(Employee Resource Group)についてご紹介しました。
参考になれば幸いです。


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