組織力の向上につながる5つの組織開発行動
今回は最近Xで見かけた論文がとても面白かったので共有させていただきます。
それが、こちらです。
サーベイフィードバック型組織開発行動尺度の開発
東南裕美、池田めぐみ、中原淳
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjet/advpub/0/advpub_47116/_article/-char/ja
最初にこの論文のタイトルを見たときは、サーベイフィードバック型組織開発行動という言葉が理解できなかったのと(勉強不足です)、企業内ファシリテーターというと会議におけるファシリテーターだと思い込んでいました。
サーベイフィードバック型組織開発とは
まず、私が知らなかったサーベイフィードバック型組織開発については下記のように定義されています。
その結果をチームや職場にフィードバックし,対話することを通じて
自組織の状況を認識し,改善していくための計画的で協働的な過程
ポイントは組織調査(サーベイ)を実施していること、その結果をフィードバックしていること、それを元に対話を行っていること、そこででた課題について解決するための取り組みを行っていること、の4つになるでしょうか。
さて、この時点で、「うちの会社は、部署はここまでやれている」という方が何名いらっしゃるでしょうか。
企業内ファシリテーターについて(3つの特徴)
続いて、企業内ファシリテーターについてですが、論文を読む前の私はすっかり、企業内ファシリテーターのことを会議のファシリテーションを行うファシリテーターだと勘違いしていました。
また、恥ずかしながら、企業内ファシリテーターという言葉自体を知りませんでした。
論文を引用して、企業内ファシリテーターの3つの特徴をご紹介したいと思います。
定義と照らし合わせ3点挙げることができる.
1点目は,組織の健全性・効果性を高めることを目的とする点である.
2点目は,組織調査を用いた改善活動を行うことである.
3点目は,担い手が役職者に限定されないことである.
ここまで読んでいただいて、会議におけるファシリテーターとは別物だということはご理解いただけるかと思います。(自戒)
正直なところ、この論文をしっかりと理解しようと思うと、前提となる知識がかなり必要なのではないか?と思っています。
そういう意味では、サーベイフィードバック型組織開発も、企業内ファシリテーターも理解していなかった私には少し早かった・・・という印象があります。
話を戻して、担い手が役職者に限定されないこと、という特徴が挙げられていますが、組織調査を用いた改善活動を行うこと、という特徴を踏まえると、実際にはマネージャーなり、経営企画室所属の方が多く該当するのかなと思います。
組織力の向上につながる5つの組織開発行動
だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、ここで急に結論部分を書いていこうと思います。
この論文を平易な言葉で表現すると、組織力の向上につながる企業内ファシリテーターの5つの組織開発行動として以下の5つの要素が抽出された、と言い換えることができるのかなと考えています。
2.的確な課題設定
3.ボトムアップ型の計画策定支援
4.配慮ある情報伝達
5.話し合い時のプロセスの観察
各要素の具体的な行動は下画像をご覧ください。
つまり、企業内ファシリテーターに必要な行動が上表のような尺度化された、と言えるかと思います。
ただし、これは少し横暴な解釈で、前述の組織調査(サーベイ)を実施していること、その結果をフィードバックしていること、それを元に対話を行っていること、そこででた課題について解決するための取り組みを行っていること、の4つが前提の上で、ということになるかと思います。
とはいえ、先にも述べた通り、「うちの会社は、部署はここまでやれている」という方は少ないかなと思います。
ということで、自社・自組織でサーベイフィードバック型組織開発を行うことを目指しつつ、個人としてはご紹介した5つの要素内の行動を心がけてみるというのが現実的なのかなと思っています。
まとめ
今回は企業内ファシリテーターによるサーベイフィードバック型組織開発行動尺度の開発、という論文を引用し、サーベイフィードバック型組織開発や、企業内ファシリテーターについてご紹介しました。
とはいえ、私の勉強不足でこの論文を読む前に必要な前提知識が足りなかったというのが実際のところです。
これから関連分野の論文も合わせて読んでいきたいと思います。
サーベイフィードバック型組織開発行動尺度の開発
東南裕美、池田めぐみ、中原淳
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjet/advpub/0/advpub_47116/_article/-char/ja