今回は研修内製化の効果(メリット)と課題(デメリット)について、産労総合研究所の調査データを参考に整理します。内製化を進めるか、外注するかの線引きに悩む研修担当者の方向けに、判断軸もあわせて提示します。

結論:内製化の「効果」と「課題」のトレードオフ

先に結論を提示します。

・研修内製化に取り組んでいる企業は69.3%(調査時点)で、年々増加傾向
・効果として多いのは経費削減(63.7%)自社固有ニーズ対応(57.1%)
・課題として多いのは講師人材の不足(66.4%)人材開発部門のマンパワー不足(41.4%)(前回調査より20ポイント以上増加)
・結論として、全て内製化ではなく「内製化すべき研修」と「外注すべき研修」を切り分けるのが現実解

調査概要:企業と人材「教育研修費の実態」

参考にしたのは産労総合研究所が発行する雑誌「企業と人材」(2018年10月号)の年次教育研修費実態特集です。同誌は人事・教育担当者向けに研修費・内製化動向・研修手法別実施率などを毎年特集しており、研修担当者の実務に使いやすいデータソースとして定評があります。

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ビジネスゲーム研修の実施風景

内製化の実施率:69.3%(3年前から+1.9ポイント)

調査によれば研修内製化に取り組んでいる企業は69.3%で、3年前の調査から1.9ポイント増加していました。多くの企業で内製化は既に実行フェーズに入っている状況と言えます。

研修コストの圧縮・働き方改革による研修時間の柔軟化・オンライン研修普及による実施ハードル低下などが背景として挙げられます。

内製化の2大メリット

内製化を進めたことによる効果として回答が多かった項目は以下の2つです。

1. 経費削減できた(63.7%)
2. 自社固有のニーズに対応できた(57.1%)

経費削減:外注費の圧縮と講師費用の社内化

研修1回あたりの講師費・研修会社の開発費・会場運営費などが削減対象になります。特に繰り返し実施する定型研修(ビジネスマナー・情報セキュリティ等)では、1年あたりの累計で大きな差が出ます。

自社固有のニーズ対応:カスタマイズ自由度

外注では標準パッケージから選ぶことが多く、自社のビジネスモデル・顧客特性・社内文化に踏み込んだ設計は難しい場合があります。内製化することで、事例・事業用語・役職体系を社内実態に合わせられます。

内製化の2大課題

一方で、内製化を進めるうえで浮上した課題は以下の2つです。

1. 講師人材の不足、育成に時間がかかる(66.4%)
2. 人材開発部門のマンパワー不足(41.4%)

注目すべきはこの2項目が前回調査から20ポイント以上増加している点です。内製化に取り組んで初めて見えた「体制の不十分さ」が如実に表れています。

講師人材の不足:兼務ではスキルが上がらない

社内講師は本業と兼務するケースが大半で、研修設計・ファシリテーション・受講者評価の専門スキルを積み上げる時間が確保できません。結果として講義はできても学びを促せない研修になりがちです。

マンパワー不足:人材開発部門の慢性的な人手不足

人材開発部門は数名体制の企業が多く、研修運営に加えてキャリア支援・採用・エンゲージメント施策まで兼務することが一般化しています。内製化=無限の作業増加になりやすい構造です。

判断軸:内製化すべき研修と外注すべき研修

すべてを内製化するのではなく、以下の基準で切り分けるのが現実的です。

内製化すべき研修

・中長期のプロジェクト型研修(継続的関与が必要)
・毎年必ず実施される一般的な内容の研修(ビジネスマナー・コンプライアンス等)
・自社独自の内容(文化・技術・商品知識)を扱う研修

定型化できて、かつ社内事情と強く結びついている研修は内製化の費用対効果が高い領域です。

外注すべき研修

・ワンタイム(毎年行うわけではない)で実施する研修
・最新の知識・手法を取り入れた研修(例:AI活用/最新マネジメント理論等)
・専門性が求められる研修(メンタルヘルス/財務会計/法務等)
・社内に講師できる人材がいない場合
・社内に研修ノウハウがない場合
・準備期間が取れない場合

スケール効果の出ない単発研修や、専門家の関与が必要な領域は外注のほうが合理的です。

内製化を支援する選択肢:キットレンタル

弊社のビジネスゲーム研修は講師派遣だけでなく、キットレンタルによる社内講師運用に対応しています。ゲームのルール・振り返り設計・講師用スライドをセットで提供するため、社内講師でも品質を保った研修運営が可能です。

・初年度は講師派遣で運用を学び、翌年以降はキットレンタルで内製化
・社内講師の育成期間を大幅短縮
・ビジネスマナー/チームビルディング/コンセンサス系ゲームなど幅広いテーマに対応

弊社のビジネスゲーム研修一覧はこちら

内製化をさらに深掘りする推薦書

研修の内製化と人材開発部門のマネジメントを体系的に学びたい方には以下の書籍がおすすめです。

まとめ

研修内製化は実施率69.3%で浸透フェーズに入った一方、講師人材不足・部門マンパワー不足という現場の悲鳴が浮き彫りになっています。

全てを自社で抱え込むのではなく、定型×社内固有=内製化/単発×専門性=外注の切り分けを意識し、内製化を支援するキットレンタル等の外部リソースを組み合わせることで、負荷を抑えつつ効果を出す研修設計が可能です。

研修会社に委託することのメリットとデメリットも合わせてご覧ください


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