世の中にマネージャー、リーダーについて書かれた書籍はたくさんありますが、数冊読んで見るだけでもその役割や求められる行動は様々です。

そこで今回は「マネージャーの役割」について下記の2冊に書かれていることを比較して考えてみたいと思います。

1.ビジネスマネジャー検定試験Ⓡ公式テキスト 4th edition

2.マネージャーの問題地図 ~「で、どこから変える?」あれもこれもで、てんやわんやな現場のマネジメント

上記2冊を選んだ理由として、理論と実務という対比を超えた共通点を見出したかったということが挙げられます。1つめのビジネスマネジャー検定試験Ⓡ公式テキストは東京商工会議所等が主催する管理職(マネージャー)の土台作りのための知識・理論を問うビジネスマネジャー検定試験のテキストとなっており、理論的な内容が記載されています。
ビジネスマネージャー検定HPへのリンク

2つめのマネージャーの問題地図は累計18万部を突破した問題地図シリーズで、著者沢渡 あまね氏による現場でのマネージャーが抱える問題について体系的に整理した名著と言えます。

このようにマネージャーについての理論と現場の差を超えて共通する要素とは?を2つを比較しながら見てみたいと思います。

2冊の書籍における「マネージャーの役割」の一覧

マネージャーの役割

上図は2冊の中で紹介されているマネージャーの役割を私なりにまとめたものです。
まず、マネージャーが一体何をマネジメントするのか?という視点では、
ビジネスマネジャー検定試験Ⓡ公式テキストでは下記の3つを挙げています。

1.人と組織のマネジメント
2.業務のマネジメント
3.リスクのマネジメント

一方、マネージャーの問題地図では以下の5つに分類しています。

1.コミュニケーションマネジメント
2.リソースマネジメント
3.オペレーションマネジメント
4.キャリアマネジメント
5.ブランドマネジメント

2つを比較してみるとビジネスマネジャー検定試験Ⓡで挙げられているリスクのマネジメント観点がマネージャーの問題地図には見られない視点のように感じられます。(敢えて言えばオペレーションマネジメント)

逆にマネージャーの問題地図で挙げられているブランドマネジメント(=組織および担当業務の価値を高める。社内外からよりいい人材が集まるようにする。)という視点はビジネスマネジャー検定試験Ⓡでは見られない視点のように感じます。(敢えて言えば人と組織のマネジメント)

この2つを考えるとビジネスマネジャー検定試験Ⓡのほうが失敗しないようにという意図が強く、マネージャーの問題地図の方がプラス面への期待が強いように感じます。

今度はビジネスマネジャー検定試験Ⓡの5つの役割(左から2列目)と、マネージャーの問題地図の9つの行動(一番右の列)を見てみましょう。

マネージャーの役割

ちなみに9つの行動だけをまとめておくとこうなります。

①ビジョニング
②課題発見/課題設定
③育成
④意思決定
⑤情報共有/発信
⑥モチベート/風土醸成
⑦調整/調達
⑧生産性向上
⑨プロセス作り

この2つを比較すると、ビジネスマネジャー検定試験Ⓡ側では「戦略」という言葉を使っているのに対し、マネージャーの問題地図側では「課題」や「プロセス」という言葉が使われています。

このことからマネージャーと言ってもその立場の違いが見て取れます。具体的にはマネージャーの問題地図側では課題、プロセスといったより現場感の強いマネージャー(もしかしたらプレイングマネージャー?)の視点が強く、ビジネスマネジャー検定試験Ⓡ側では、より経営幹部感の強いマネージャーという感じを受けます。

つまり、一言にマネージャーと言ってもそのレイヤーは複数ありそうなことを示しています。

2冊の書籍で共通する要素

ここまでは2冊の違いを中心に書いてきましたが、共通点も複数見られます。特に下記については明確に共通しています。

・目標/ビジョン
・情報共有/発信
・部下の育成
・問題解決

つまり、2冊を読む限り、少なくともこの4つの要素についてはマネージャーに求められる役割や行動として必須のように感じられます。

この4つを見てみると、マネージャーは常時現場に出るというよりも、メンバーの育成や、メンバーでは解決できない問題に対応するという脱現場が求められているように思えます。

特にマネージャーの問題地図を細かく読んでいくと、まずはマネージャーの脱現場が様々な問題の解決への一歩のように感じました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。マネージャーの役割について理論と現場の2冊の書籍を比較して書いてみました。
その結果、両者に共通する要素はざっと以下の4つと考えられます。

・目標/ビジョン
・情報共有/発信
・部下の育成
・問題解決

一方、違いとしては戦略を描くマネージャーと課題解決やプロセスづくりを行うマネージャーというマネージャーにおけるレイヤーの違いを感じることができました。

みなさんもぜひ2冊を読み比べてみて自分なりに共通点や違いを考えてもらえたらと思います。

1.ビジネスマネジャー検定試験Ⓡ公式テキスト 4th edition

2.マネージャーの問題地図 ~「で、どこから変える?」あれもこれもで、てんやわんやな現場のマネジメント


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