面接官研修で教える深掘り手法〜STARモデル〜
新卒採用の面接官を人事以外の社員に協力してもらっている企業も多いと思います。
私(千葉)も前職でエンジニアとして働いていましたが、採用面接の面接官として毎年のように学生と対峙してきました。
社員に協力を仰ぐ多くの企業では面接官研修を導入していますがほとんどの面接官研修で教えられているのが「STARモデル」です。
STARモデルは応募者の話を構造化し、深掘りに役立つと言われています。
STARモデルとは
STARモデルとはそれぞれの英単語の頭文字を取った名前です。
ご覧の通り、Situation / Task / Action / Result の頭文字を取って
STARモデルとなります。
応募者の話しをSTARモデルに当てはめて聞いていくと、どの部分が弱いのかが明確になり、その部分を深掘り質問できるということになります。
1つ具体例を上げてみましょう。
とある学生の例
とある学生の例(フィクション)でSTARモデルを意識してみましょう。
A.
はい、私が一番工夫したことは演劇部の公演のチラシ配りです。
私は大学にて演劇部に所属しており、副部長として部を支えています。
演劇部では年に数回、大きな公演を行っているのですが、文化祭での公演は最も大きな公演となります。
公演を見に来ていただくため、毎年、文化祭期間にチラシ配りを行います。
昨年よりも多くの方に見に来てもらえるように、チラシの量を20%ほど増やしました。
また、チラシの内容も昨年のものは文字ばかりでインパクトが無かったので、漫画調のイラストを用いて、見た目にインパクトがあるようにしました。
また、公演会場が分かりづらかったという声を昨年もらっていたので公演会場の地図を大きめにして、スマホでも確認できるようにQRコードを印字するなどしました。
その結果、昨年よりもより多くの方に公演を見ていただくことができました。
いかがでしょうか。この学生の話をSTARの法則に照らし合わせるとどの部分が弱く、深掘りする必要があるでしょうか。
もちろん、30分〜1時間もある面接時間では「全部」ということになるかもしれません。
しかし、今回の例で言えば、「TASK」と「ACTION」の部分が弱いと感じます。
「TASK」に関してはこの人が副部長だという肩書はわかりましたが、チラシ配りの改善において、会議の進行を行ったのか、漫画調のイラストも書いたのか、具体的な役割が見えてきません。
深掘りすると、実はこの人が凄いのではなくて、周りの部員がほとんどやっていたということになりえます。
また、「ACTION」に関して、例えばインパクトを出すためには色使いを変えるなどの他の方法もあったはずです。その中でなぜ漫画調のイラストを選んだのか、その根拠となる思考プロセスを知りたくなります。
さらに、配り方などでも工夫はなかったのか?を聞くことで応募者が話せなかった部分を広げてあげることができます。
このように、STARモデルに沿って応募者の話を構造化することで、どの部分が弱く、深掘り、または広げて上げる必要があるのかを判断することができます。
まとめ
S:Situation
T:Task
A:Action
R:Result
の略である。
STARモデルを用いることによって応募者の話を構造化し、深掘りするポイントを判断することができる。