STARモデルとは?面接での深掘り質問の型と具体例をわかりやすく解説

STARモデルとは、面接で応募者の話をSituation(状況)/ Task(課題)/ Action(行動)/ Result(結果)の4要素に構造化するフレームワークです。応募者の回答がどの部分に偏っているか、どこを深掘りすべきかを瞬時に判断できるため、面接官研修の定番として多くの企業で採用されています。
本記事では、STARモデルの基礎と各要素の深掘り質問テンプレート、よくある誤用、コンピテンシー面接との関係までを具体例つきで解説します。
STARモデルとは
STARモデルとは、応募者の経験談を以下の4つの頭文字で構造化する面接技法です。応募者の話を構造化することで、どこを深掘りすべきかが明確になります。
| 要素 | 意味 | 聞きたいこと |
|---|---|---|
| S: Situation | 状況・背景 | いつ・どこで・どんな環境だったか |
| T: Task | 課題・役割 | 本人が担った目標や責任は何か |
| A: Action | 行動 | 本人自身が実際にどう動いたか |
| R: Result | どんな成果・学びが得られたか |
応募者の話をSTARモデルに当てはめて聞くと、どの部分が弱いのかが明確になり、そこだけを的確に深掘りできるようになります。
STARモデルの各要素と深掘り質問テンプレート
実務で使いやすいよう、各要素ごとに深掘り質問のテンプレートを用意しました。応募者の回答が薄いと感じたときに、このまま流用できます。
Situation(状況)を深掘りする質問
「いつ・どこで・何が起きていたのか」を具体化する質問です。
・その出来事はいつ頃のことで、どのくらいの期間続きましたか?
・チームや組織の規模はどれくらいでしたか?
・そのときあなたはどのような立場でしたか?
・どういうきっかけで、その状況に関わることになったのですか?
Task(課題)を深掘りする質問
「本人が担った目標・役割」を引き出す質問です。ここが曖昧だと、他人の成果を自分の話として語っている可能性があります。
・その中で、あなた自身が果たすべき責任は何でしたか?
・達成すべき目標は、誰がどのように決めましたか?
・難しさは具体的にどこにありましたか?
・あなた以外に同じ役割の人はいましたか?
Action(行動)を深掘りする質問
「本人が実際にやったこと」と「思考プロセス」を引き出す質問です。深掘りの核心になります。
・具体的に、あなたはどう動きましたか?一日の流れで教えてください
・他にも選択肢はあったと思いますが、なぜその方法を選んだのですか?
・その判断をするときに、誰かに相談しましたか?
・途中でうまくいかなかったことはありましたか?どう修正しましたか?
Result(結果)を深掘りする質問
「成果の定量化」と「本人なりの学び」を引き出す質問です。
・結果を数字で表すとどうなりますか?(前年比、件数、時間など)
・その成果は、あなたの行動と因果関係があると言えますか?
・同じ状況に戻るとしたら、次はどこを変えますか?
・その経験から学んだことは、今の仕事にどう活きていますか?
STARモデルを使った面接の具体例
実際の回答にSTARモデルを当てはめてみましょう。先に結論を述べると、下記の学生の回答はTaskとActionが弱く、そこを深掘りすべき回答です。
A.
はい、私が一番工夫したことは演劇部の公演のチラシ配りです。
私は大学にて演劇部に所属しており、副部長として部を支えています。
演劇部では年に数回、大きな公演を行っているのですが、文化祭での公演は最も大きな公演となります。
公演を見に来ていただくため、毎年、文化祭期間にチラシ配りを行います。
昨年よりも多くの方に見に来てもらえるように、チラシの量を20%ほど増やしました。
また、チラシの内容も昨年のものは文字ばかりでインパクトが無かったので、漫画調のイラストを用いて、見た目にインパクトがあるようにしました。
また、公演会場が分かりづらかったという声を昨年もらっていたので公演会場の地図を大きめにして、スマホでも確認できるようにQRコードを印字するなどしました。
その結果、昨年よりもより多くの方に公演を見ていただくことができました。
この回答をSTARに分解すると以下のようになります。
| 要素 | 回答の内容 | 評価 |
|---|---|---|
| Situation | 演劇部の文化祭公演・副部長 | ◯ 明確 |
| Task | (不明確)チラシ配りの改善? | △ 本人の責任範囲が曖昧 |
| Action | チラシ量20%増・漫画調イラスト・QRコード | △ 本人が担当したかが不明 |
| Result | 昨年より多くの人が来場 | △ 定量データなし |
特にTaskについては、副部長という肩書はわかるものの「チラシ配り改善で、あなた個人が何を担当したのか」が見えません。深掘りしないと、実は他の部員が大半の作業をしていて、本人はほぼ関与していなかった、という可能性もあります。
Actionも同様で、「なぜ漫画調イラストを選んだのか」「配布方法自体に工夫はなかったのか」といった意思決定の根拠を聞き出すことで、応募者の思考プロセスが評価できるようになります。
STARモデルでよくある3つの誤用
面接官研修でSTARモデルを学んでも、現場で以下のような使い方をしてしまうケースがあります。導入前に共有しておくと失敗を防げます。
1. STARの順に質問してしまう
「Situationから聞きましょう」と順番に質問を投げると、応募者は用意してきたストーリーを話すだけになります。STARは回答を分解する道具であって、質問の順番ではありません。最初はオープンクエスチョンで語らせ、後からSTARの穴を埋めていく使い方が正解です。
2. Resultの数字だけで評価する
「昨対120%」「売上1,000万円」といった結果の数字は印象に残ります。しかし本人の行動と因果関係があるかは別問題です。組織の追い風や先輩の成果を自分のものとして語っているケースもあるため、必ずActionとセットで評価します。
3. Taskを聞き飛ばす
最も飛ばされやすいのがTaskです。「課題は何でしたか」と聞くと抽象的な答えが返りがちなので、「あなたが果たすべき責任は何でしたか」「達成すべき目標は誰が決めましたか」のように具体化する質問に言い換えましょう。
コンピテンシー面接とSTARモデルの関係
STARモデルは単独でも有効ですが、コンピテンシー面接の中で使うと本領を発揮します。コンピテンシー面接は「その職務で高業績を出す人が持つ行動特性」を過去の行動から見抜く面接手法で、STARはその行動の粒度を揃えるための道具として使います。
ただしコンピテンシー面接は万能ではなく、質問設計や評価者のブレといった課題もあります。詳しくは下記の記事をご覧ください。
コンピテンシー面接の「3つの欠点」 ”採用弱社”の戦略論 その6
まとめ
STARモデルは、応募者の話をSituation/Task/Action/Resultの4要素に分解する面接技法です。各要素の深掘り質問テンプレートを手元に持っておけば、面接官研修を受けていない社員でも一定水準の面接ができるようになります。
特にTaskとActionの深掘りは応募者の実力を見抜く要になるため、本記事のテンプレートをチェックリスト代わりに使ってみてください。

