目標未達の部下へのフィードバック|4つのケース別の対処法と声かけ例
管理職にとって目標未達(未達成)の部下へのフィードバックは避けて通れない課題です。
感情的に詰めるのはパワハラにつながりますし、かといって何も言わなければ改善は生まれません。
この記事では、目標と実施事項の達成状況を2軸で整理し、4つのケース別に具体的な対処法と声かけ例を紹介します。
・目標未達を2軸で分析するマトリクス
・ケース1:目標達成+実施事項達成
・ケース2:目標達成+実施事項未達
・ケース3:目標未達+実施事項達成
・ケース4:目標未達+実施事項未達
・フィードバックに使えるSBIモデル
・NGなフィードバック例
・まとめ
目標未達を2軸で分析するマトリクス
まずは下画像をご覧ください。

| 実施事項:達成 | 実施事項:未達 | |
| 目標:達成 | ケース1:現状維持 | ケース2:実施事項の見直し |
| 目標:未達 | ケース3:実施事項の追加・質の向上 | ケース4:実施事項の修正・教育 |
まず、目標が未達成という結果を2つの軸で細分化します。それが、目標が達成されたか未達成か、という軸と、目標を達成するための実施事項が達成されたか未達成かという軸です。
営業職をイメージするとわかりやすいと思うので、営業職を例にすると、今月の目標として1000万円の売上が掲げられていたとしましょう。それに対して、アポ取得件数50件が実施事項(サブ目標)だったとします。
この時、上記のマトリクスの通り、今月末の結果は以下の4ケースに分類されます。
⇒売上1000万超、アポ取得件数50件超
2.目標は達成、だが、実施事項は未達
⇒売上1000万超、アポ取得件数50件未満
3.目標は未達、だが、実施目標は達成
⇒売上1000万未満、アポ取得件数50件超
4.目標は未達、かつ、実施目標も未達
⇒売上1000万未満、アポ取得件数50件未満
それぞれのケースについて見ていきましょう。
ケース1:目標達成+実施事項達成
目標も実施事項も達成しているケースです。特に問題はないため現状維持、もしくはより高い目標を設定していきます。
「今月は売上も達成、アポ件数もクリアしていますね。素晴らしい結果です。来月はさらにステップアップして、見積もり提出率も意識してみましょう。」
ケース2:目標達成+実施事項未達
アポ取得件数が50件に満たないのに売上は達成しているという珍しいケースです。実施事項自体が目標達成と無関係の可能性があるため、実施事項自体を見直す必要があるかもしれません。
「売上目標は達成していて素晴らしいですね。一方でアポ件数は未達でした。もしかしたらアポ件数以外の活動が売上に貢献しているのかもしれません。来月はどの活動が成果に結びついているか一緒に整理してみましょう。」
ケース3:目標未達+実施事項達成
実施事項は達成しているのに目標に届いていないケースです。考えられる原因は2つあります。
原因1:実施事項の量が不足 → 目標達成には80アポが必要だったかもしれません。この場合は実施事項の数を増やす対応が必要です。
原因2:実施事項の質が不足 → 確度の低いアポばかりだった可能性があります。この場合は見積もり提出件数30件といった質を測る指標の追加が有効です。
「アポ50件は達成していますね。行動量は十分です。ただ売上が目標に届いていないので、量ではなく質に課題があるかもしれません。来月はアポの件数に加えて、見積もり提出率も一緒に追ってみましょう。」
ケース4:目標未達+実施事項未達
目標も実施事項も未達のケースです。最も対応が難しいケースですが、まず確認すべきは実施目標自体が現実的だったかという点です。
実施事項が他のメンバーには達成できているのにこのメンバーだけ未達であれば、やり方に課題がある可能性が高く、教育やOJTの機会が必要です。
一方、チーム全体で未達であれば、実施事項の設定自体を見直す必要があります。
「今月はアポ件数・売上ともに目標に届きませんでした。まずは、50件のアポ取得という目標が現実的だったか一緒に振り返りましょう。他のメンバーの取り組み方も参考にしながら、来月の進め方を一緒に考えたいと思います。」
フィードバックに使えるSBIモデル
フィードバックを効果的に行うフレームワークとしてSBIモデルがあります。SBIとは以下の3つの頭文字です。
| S:Situation(状況) | いつ、どこで起きたことかを具体的に伝える |
| B:Behavior(行動) | 相手が実際にとった行動を事実ベースで伝える |
| I:Impact(影響) | その行動がどのような影響を与えたかを伝える |
「今月の営業活動(S)で、アポ取得が30件にとどまりました(B)。その結果、商談の母数が不足し売上目標に届きませんでした(I)。来月はアポ取得のアプローチ方法を一緒に見直してみましょう。」
SBIモデルを使うことで、感情的にならず、事実に基づいたフィードバックが可能になります。
NGなフィードバック例
以下のようなフィードバックは部下のモチベーションを低下させ、信頼関係を損なう原因になります。
×「君はやる気がないんじゃないか」
○「今月のアポ取得件数が目標に届いていません」(行動に焦点を当てる)
NG2:他のメンバーと比較する
×「〇〇さんはできているのになぜできない?」
○「目標達成に向けて、何がボトルネックになっているか一緒に考えましょう」
NG3:結果だけを責める
×「とにかく数字が足りない。来月は絶対達成しろ」
○「結果は未達でしたが、まずプロセスを振り返って改善点を見つけましょう」
「怒る」と「叱る」の違いを意識する
フィードバックの場面では「怒る」と「叱る」の違いを意識することも重要です。
「怒る」は自分の感情を発散する行為であるのに対し、「叱る」は相手の成長を促すための行為です。目標未達の部下に対して感情的になってしまいそうなときは、一度この違いを思い出してみてください。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
「叱る」と「怒る」の違いとは?職場でパワハラにならない正しい叱り方
まとめ
目標未達の部下へのフィードバックでは、「目標の達成/未達」と「実施事項の達成/未達」の2軸で状況を整理することが重要です。
ケースごとに適切な対処法は異なります。SBIモデルを活用し、事実に基づいた建設的なフィードバックを心がけましょう。
なお、弊社では管理職に求められる報連相や目的共有の重要性を体験的に学べるゲーム型研修を提供しています。
