1on1は意味ない? 効果的な頻度や内容・工夫について
近年、多くの企業で導入されつつある1on1ミーティング。本来、部下の成長支援や信頼関係の構築を目的としています。
パーソル総合研究所様の調査によれば、1on1実施率は55.7%とされています。
また、HR総研様のデータでは1on1実施率が49%とされており、いまや約半数の企業が1on1を実施されているということになります。
実際に、1on1は社内コミュニケーションが活性化している企業では59%実施しているのに対し、活性化していない企業では実施率が46%と、両者で13ポイントの差が見られるそうです。

ProFuture株式会社/HR総研
【図表4‐4】社内コミュニケーション活性状況別
社内コミュニケーション活性化のために実施している取組み
しかし、「1on1は意味がない」「効果を感じられない」「上司側の工数が掛かりすぎる」といった声もあるのも事実だと思います。(下画像参照)

画像引用:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/1on1/
実際、パーソル総合研究所様の調査では、部下の約3人に1人が「1on1の効果を実感できていない」と回答しています。
1on1実施率55.7%、しかし3人に1人は効果を実感できず
パーソル総合研究所
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/1on1/
社内コミュニケーションが活性化している企業は1on1を実施していることが多いが、3分の1は効果を感じていない、という矛盾するデータ、みなさんの感覚はどちらが近しいでしょうか?
1on1の効果的な頻度や内容について
ということで、ここからは1on1で効果を上げている企業がどのような取り組みをしているのか、また、そうでない企業では何が足りないのか?についてご紹介したいと思います。
まずは、1on1の頻度についてです。

画像引用:【図表6‐3】エンゲージメント状態別 上司と部下の1on1の実施頻度
上画像を見ていただくと分かる通り、1on1で効果を上げている企業(≒高エンゲージメント企業)では、そうでない企業に比べて1o1の頻度が多いことがわかります。単純化してボリュームゾーンを見てみれば、1on1で効果を上げている企業は月に1回(グレー)実施しているのに対して、そうでない企業は半年に1度以下(グリーン)となっています。
続いて1on1で話している内容について見ていきましょう。

画像引用:【図表6‐4】エンゲージメント状態別 1on1で話している内容
一見違い無いように見えますが、大きな差があるのは「モチベーションや健康状態の確認」で、高エンゲージメント企業では54%と過半数に上るのに対し、そうでない企業では37%となっています。
また、「プライベートの相互理解」についても大きな差があることがわかります。
1on1の課題と対策
一方、ここからは1on1の課題とその対策についてご紹介したいと思います。
1on1に関して困っていることについて上司・部下それぞれの立場の人に聞いた結果がこちらです。

画像引用:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/1on1/
上位3つは順番こそ違いますが同じ内容です。冒頭で3人に1人は効果を実感できずとご紹介しましたが、まさに1つはそれですね。
続いて、上司が多忙で、面談のスケジュール設定が難しいが挙げられています。
そして、上司の第1位、部下の第2位に「面談について学ぶ仕組みがない」が挙げられています。
社内的に1on1をやってくださいとなっても、どうやってやればよいかよくわかってないということでしょうか。
続いて、上司・部下に1on1をより良くするための改善策を訪ねた結果がこちらです。

画像引用:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/1on1/
1位は組織文化について、2位は上司の役割についてが挙げられています。
このあたりは本質的ではあるものの、評価制度などとも連動する必要性があり、すぐに変えづらい部分ではあるかと思います。
一方、第3位から第5位には、上司、部下ともに1on1に関連する研修が入っています。
コーチング・傾聴研修の受講率と効果についても調査がされています。

画像引用:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/1on1/
図の左側を見れば明らかに、部下側は傾聴・コーチングの研修を受講している人は少ないということがわかります。一方、右側を見てみると、部下の方も傾聴・コーチングの研修が役立つと回答された方が約6~7割います。
また、上司の方も研修を受講している人は半数ちょいですから、上司部下ともに傾聴・コーチングの研修が不足していることがわかります。
1on1をより良くするための改善策の上位2つはすぐに変えづらいということであれば、まずはすぐにできる研修から、というのも必要な対策に思えます。
まとめ と 関連サービス
いかがでしたでしょうか。今回は1on1は意味ない? 効果的な頻度や内容・工夫についてというテーマで具体的なデータをご紹介しました。引用させていただいた2つの記事もぜひご覧ください。
ProFuture株式会社/HR総研
1on1実施率55.7%、しかし3人に1人は効果を実感できず
パーソル総合研究所
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/1on1/

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