1on1(ワンオンワン)ミーティングは、ここ数年で日本企業にも広く浸透したマネジメント手法です。ヤフーやメルカリなど多くの先進企業が導入し、成果を出す一方で、「結局、何を話せばいいかわからない」「形骸化して雑談になってしまう」という悩みを持つ管理職も少なくありません。

本記事では、シリコンバレー発祥の1on1の基本と、世古詞一氏の書籍『シリコンバレー式 最強の育て方』で紹介されている1on1で話し合う7つのテーマ、そして導入前に準備しておきたいコーチング研修まで整理します。

1on1とは

1on1(ミーティング)は、上司と部下の1対1の定期的な対話の時間のことを指します。シリコンバレーではGoogleやインテルなどが早くから導入して成果を出し、日本ではヤフーが有名な実践例です。

1on1ミーティング イメージ

頻度・時間・目的

項目 目安
頻度 週1回 or 隔週 or 月1回(企業によって様々)
時間 1回あたり30分〜1時間(多くは30分)
目的 「部下のための時間」(部下の話を聞くことが中心)

評価面談や会議との違いは、人数・頻度・目的の3点です。

人数:1on1=1対1、会議より少ない
頻度:月に数回と評価面談より多い
目的:部下のための時間(上司からの情報共有ではない)

部下のための時間という位置付けが最も重要で、上司からの情報共有ではなく、部下の話を聞く時間として設計します。部下が抱えている問題・不安・モヤモヤを丁寧に聞き(傾聴)、質問で深掘りし、適切なフィードバックを返すことがポイントです。

1on1で話し合う7つのテーマ

30分〜1時間の時間で何を話せばいいのか、というのが多くの管理職の悩みです。1on1について扱った世古詞一氏の書籍では、話し合うテーマを7つに分けて紹介しています。

ステージ テーマ
信頼関係づくりステージ 1. プライベート相互理解
2. 心身の健康チェック
3. モチベーションアップ
成長支援ステージ 4. 業務・組織課題の改善
5. 目標設定/評価
6. 能力開発/キャリア支援
7. 戦略・方針の伝達

まずは信頼関係づくりステージのテーマで上司と部下の信頼関係を築き(または確認し)、その上で成長支援ステージに移行していくのが効果的です。いきなり成長支援から入ると、部下側は「評価されるのでは」と身構えてしまい、本音の対話が生まれにくくなります。

1on1を始める前に準備しておきたいこと

1on1を自社で実施する前に、管理職にコーチング研修を受講してもらうことを強くおすすめします。

「他社で効果があった」と聞いてもいきなり1on1を指示されれば、多くの管理職は何をすればよいかわからない状態になります。

1on1 何を話せばいいか迷う管理職

コーチングの基礎研修で傾聴・質問・フィードバックの型を身につけてから1on1をスタートすると、いきなり本番よりも形骸化しにくくなります。

1on1でよくある失敗パターン

1on1を始めた企業が陥りやすい失敗パターンを整理しておきます。

雑談で終わる:目的なく30分過ぎて、次の1on1で振り返る内容が残らない
進捗確認だけになる:部下の業務タスクの進捗報告に終始して、部下の話を聞く時間にならない
上司が話しすぎる:部下のための時間のはずが、上司の武勇伝や指示の時間になる
頻度が不定期:忙しいと理由にキャンセルが続き、形骸化する
ログを残さない:前回何を話したか忘れて、毎回同じ話題になる

これらは管理職のコーチングスキル+運用ルール(アジェンダテンプレ、ログ記録、固定曜日化)で予防できます。

1on1・コーチング・フィードバックを学ぶ書籍

1on1の実践に役立つ書籍として、以下を参考にしてください。

まとめ

1on1は単なる雑談会ではなく、部下のための定期的な対話の時間として設計することが成功の鍵です。7つのテーマを信頼関係づくりステージと成長支援ステージに分けて運用し、コーチング研修をセットで実施することで、形骸化せずに効果を出せる1on1になります。


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