部下からの「ホウレンソウ」は「おひたし」で返す
今回は、「部下からのホウレンソウ(報告・連絡・相談)」にどう対応すればよいか? というテーマでお届けします。
職場で「ホウレンソウが大事」と言われる一方で、上司側がどう“受け止めるか”については、あまり語られていないかもしれません。
部下がホウレンソウをしやすくなるには、上司の「返し方」がとても重要です。
そのヒントになるのが、「おひたし」という考え方です。
「ホウレンソウ」に「おひたし」で返すとは?
「おひたし」とは、以下の4つの頭文字をとった上司の接し方の略です。

「おひたし」は上司が部下のホウレンソウにどう対応するかの“型”として注目されています。
それぞれの要素について、現場のあるあるを交えながら解説していきます。
「お」怒らない
たとえば、部下が「納期に間に合いません…」と報告してきたとき、つい「なんで今さら言うんだ!」と怒ってしまうことはありませんか?
しかしこの「怒られる」という経験が、次回以降のホウレンソウの“封じ込め”につながります。
これはまさに心理的安全性の話で、提唱者のエドモンドソン教授の研究でも、医療ミスを報告しても責められることが無いという雰囲気があるチームの方が高パフォーマンスを上げていることがわかっています。

まずは「怒らない」、できるなら「報告してくれてありがとう」という言葉をかけることで、「報告してよかった」と思える関係が築けます。(実際はなかなか難しいと思いますが。。。)
「ひ」否定しない
部下がアイデアを出してきたとき、「それは現実的じゃないよ」と反射的に否定していませんか?
否定から入るコミュニケーションは、部下の発言意欲や創造性を奪う要因になります。
このとき有効なのが、「YES AND」の姿勢です。イエス・バット(Yes,But)法とも呼ばれます。
たとえば「なるほど、そういう視点もあるね。その上で、こういう案も考えてみようか」
といった具合に、まずは受け止める→その上で考えるという流れです。
と、ここまでの「お:怒らない」「ひ:否定しない」は、さらにエスカレートしてしまうと関係の質を下げる4つの毒素と呼ばれるものの、上部2つに該当するかと思います。

関係の質を下げる4つの毒素については過去記事をご覧ください。
関係の質を下げる4つの毒素
「た」助ける
部下が相談してきたとき、「自分で考えて」と言いたくなる気持ちも分かります。
ただし、部下の状態によっては「考えたけど分からない」という状況かもしれません。
そんなときは、問いかけを通じて“思考を支援する”のが効果的です。
例えば、
「どの部分が一番不安?」
このように問いかけることで、部下自身の力で解決に向かう思考を促せます。
また、「助ける」には色々な意味合いがあります。
下図は中原淳教授による「職場における3つの支援」です。

部下が必ずしも業務上の支援を求めているわけではなく、内省支援を求めている場合があります。ただし、精神支援についてはハラスメントなどの関連もあり、現代では難しくなっていると思います。
「し」指示する(必要であれば)
相談の中には、「判断を仰ぎたい」というものもあります。
この場合、曖昧なフィードバックや「任せるよ」は、かえって不安を招くかもしれません。
「じゃあ、まずは◯◯を確認して、そのあと△△を進めてみて」
といったように、具体的な道筋を示すことで、部下の行動が明確になります。
もちろん、すべてを指示する必要はありません。このあたりは、部下の成熟度に応じて上司側が手助けをするというもの有りでしょう。
下図は部下に仕事を任せる際の7つのステップで、委譲とコントロールのバランスを7つにわけて説明しています。

部下の成熟度を見極め、適切なバランスを探していきましょう。
部下に仕事を任せる際の7つのステップについては過去記事をご覧ください
部下に仕事を任せる際の7つのステップ
まとめ:ホウレンソウは“受け止め方”で変わる
部下がホウレンソウをしてくれないと感じたら、「ホウレンソウしろ!」と叱る前に、まずは自分の受け止め方を見直してみましょう。「おひたし」はそのチェックリストになります。

この4つを実践することで、ホウレンソウが自然と活性化し、信頼関係も深まっていくはずです。
