OKRを支えるCFRとは?
OKRを実施しているという企業がベンチャー企業を中心に増えているようです。
OKRとは、Objectives Key Resultの略で、Objectives(目標) と Key Result(成果指標)のOとKRを合体させた名称です。(下図参照)
OKRが注目されている一方で、その兄弟とも言われるCFRはあまり注目されていないようです。今回はそんなCFRについてご紹介したいと思います。
OKRを支えるCFRとは?
CFRは以下の単語の頭文字を取ったものです。
Feedback:フィードバック
Recognition:承認
つまり、OKRが企業の業績を管理する一方で、CFRは人材の管理(管理というとちょっと語弊がありそうですが)の方策と言えるでしょう。
PM理論などもそうですが、目標管理と人材管理の両輪がそろわないと業績は伸び続けられないということなのだと思います。
それぞれを詳しく掘り下げてみたいと思います。CFRについて記載がある「Measure What Matters」(第15章 継続的パフォーマンス管理――OKRとCFR)によれば、CFRは下記のように説明されています。
⇒パフォーマンス向上を目的に、マネジャーとコントリビューターのあいだで行われる真摯で深みのある意見交換
Feedback:フィードバック
⇒プロセスを評価し、詳細の改善につなげるための、同僚との双方向あるいはネットワーク型のコミュニケーション
Recognition:承認
⇒大小さまざまな貢献に対して、しかるべき個人に感謝を伝える
Measure What Matters 第15章 継続的パフォーマンス管理――OKRとCFRより
対話(Conversation)
1つめの対話については1on1を導入されている企業も多いのではないでしょうか。
Measure What Mattersの中では対話として話し合うべき5つの要素を挙げています。
2.継続的進捗報告
3.双方向のコーチング
4.キャリア開発
5.非公式なパフォーマンス評価
ただし、これらを1on1の中で行っていくには注意が必要かと思います。なぜなら、1on1には「信頼関係づくりステージ」と「成長支援ステージ」の2つのステージがあり、前者が不十分な状態で先程挙げた5つの要素が含まれる成長支援ステージを行っても効果が薄いと考えるからです。
なお、「信頼関係づくりステージ」と「成長支援ステージ」については過去記事を御覧ください。
シリコンバレーでは当たり前?「1on1」のやり方
フィードバック(Feedback)
2つめのフィードバックは最近注目されているキーワードの1つで、実際に立教大学の中原淳先生らがフィードバックについての書籍を出されています。
また、最近ではGood & Mottoと呼ばれるような良かったところ(Good)と、こうすればもっと良くなるよ(Motto)の2つの視点からのフィードバックを推奨している組織もあるようです。
Measure What Mattersの中ではフィードバックの方法の1つとして360度評価や、従業員アンケート、また、会議や会議の主催者を評価するアプリについて言及しています。
承認(Recognition)
3つ目の承認はCFRの中で最も過小評価され、最も理解されていない構成要素とと表現されています。(Measure What Mattersより)
本書では以下のようにも記載されています。
積極的に社員を承認する企業と、そうでない企業と比べて社員の自発的退社が31%少ない
承認についてはサンクスカード制度を導入されている企業も多いのではないでしょうか。
過去記事でも紹介しましたがサンクスカードを書いた日のウェルビーイング度は上がっていることが研究で明らかとなっており、カードをもらった側だけでなく、書いた側にも効果があるようです。
サンクスカードとウェルビーイングの関係
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はOKRの兄弟とも言われるCFRについてご紹介しました。
⇒パフォーマンス向上を目的に、マネジャーとコントリビューターのあいだで行われる真摯で深みのある意見交換
Feedback:フィードバック
⇒プロセスを評価し、詳細の改善につなげるための、同僚との双方向あるいはネットワーク型のコミュニケーション
Recognition:承認
⇒大小さまざまな貢献に対して、しかるべき個人に感謝を伝える
Measure What Matters 第15章 継続的パフォーマンス管理――OKRとCFRより
もう少し詳しく知りたい方は書籍も読んでみてください。