今回は4段階の経営理念の浸透レベルについてご紹介したいと思います。
理念の浸透については多くの企業で課題になっており、弊社にも理念浸透のためのビジネスゲーム研修のお問い合わせを多く頂戴しています。

ビジネスゲームを用いた理念浸透研修についてはこちらの記事でご紹介しております。

NASAゲームを用いた理念浸透研修

4段階の経営理念の浸透レベル

さて、本題に戻りまして、4段階の経営理念の浸透レベルですが、結論はこちらとなります。

画像引用
経営理念の浸透に関する先行研究の一考察
柴田 仁夫

経済科学論究
巻 10, p. 27-38, 発行日 2013
https://sucra.repo.nii.ac.jp/records/15090

レベル1は「存在や、言葉を知っている」という段階です。「企業理念?あー聞いたことがあるよ。XXでしょ?」ぐらいの感じでしょうか。

レベル2は「具体例を知っている、経験したことがある」という段階です。理念を体現して成果を上げた社員を表彰し、その社員にスピーチをしてもらうといった取り組みは多くの企業で実践されているかもしれません。

レベル3は「意味を理解し、自分の言葉で言える」段階です。自分ごとになっているかどうか、とも言えるかもしれません。理念を具体的な行動と紐づけて人に語れるか?ということがポイントかもしれません。

最後のレベル4が「理念を体現している」段階です。こういった社員は他の社員がお手本とすべき社員と言えると思います。コンピュータで言う、OSの部分まで理念が浸透している段階と言えるでしょう。

経営理念の浸透の松岡モデル

では、理念の浸透がどのように深化していくか?(進んでいくか?)ということですが、それについては松岡モデルが参考になると思います。

理念浸透 松岡モデル

画像引用
経営理念の浸透メカニズムの一考察.
−ヒューマン・ヘルスケアのエーザイを事例として

高橋 輝

http://www1.tcue.ac.jp/home1/k-gakkai/takahashi.pdf

個人的に面白いなと思ったのが、浸透度2のところに「矛盾・疑問・ギャップ」というプロセスがあることです。ある意味、クリティカルシンキングを発揮し、理念自体に健全な疑問を問うことができるようになったほうが理念が浸透するかもしれないということです。

さらに、浸透度3に記載されているように、それらの疑問やギャップを他のメンバーと議論したりすることで、より理解が深まるのだと思います。

経営理念の浸透のSUPPモデル

経営理念の浸透のもう1つのモデルとしてSUPPモデルもご紹介したいと思います。

画像引用
社内の理念浸透のステップ
「SUPPモデル」に基づき設計しよう

柴山慎一(社会情報大学院大学 教授)

社内の理念浸透のステップ「SUPPモデル」に基づき設計しよう

上画像で面白いなと感じたのが浸透度2と3の間に「断絶」があることです。
知っていると、できるの間には壁があるということでしょうか。

こちらの表では各段階での施策も記載されているのでぜひ参考にしてください。
ちなみに画像中のICとはインターナルコミュニケーションのことです。

ここまで見てみると理念浸透研修と一言に言っても浸透度によって実施すべき内容が異なるかもしれません。

冒頭で紹介したゲームという手法は「体験を通して理念を理解する」という意味では浸透度2⇒3のフェーズで役に立つかもしれません。

NASAゲームを用いた理念浸透研修

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は4段階の経営理念の浸透レベル松岡モデル、SUPPモデルを紹介しました。

画像引用
経営理念の浸透に関する先行研究の一考察
柴田 仁夫

経済科学論究
巻 10, p. 27-38, 発行日 2013
https://sucra.repo.nii.ac.jp/records/15090


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