過去の記事でMITのダニエル・キム教授の成功循環モデルにおける関係の質を高めるための具体的な取り組みについて書きました。

関係の質を上げる具体的な取り組みとは(成功循環モデルより)

今回は、関係の質を下げるとされているジョン・ゴッドマン博士の4つの毒素について書いていきたいと思います。

なお、ジョン・ゴッドマン博士は「夫婦関係や結婚生活の安定性の研究」の第一人者であり、そちらに興味がある方は著書「結婚生活を成功させる七つの原則」がオススメです。

関係の質を下げる4つの毒素

それでは、関係の質を下げるとされる4つの毒素について紹介していきたいと思います。
自分や、自分の上司がこれをやっていないか確認しながら御覧ください。

1.非難

相手の性格・人格・能力を直接的に傷つける言葉

まず1つめは「非難」です。具体的には相手を直接傷つける言葉を発することになります。

例えば、部下が業務上の失敗をしたとします。この時、上司がこの失敗についての原因や対策について詰めることはままあるでしょう。
しかし、この時に、「だからお前は無能なんだ!」 とか、「どんなふうに育てられたらこんなことになるんだ!」などという発言は関係性を壊すどころか、現代では「ハラスメント」として扱われてしまうこともあるでしょう。

行動や、そこに至る思考プロセスまでは叱ったとしても、その先にある人格などを批判すると一気に関係性は冷めていきます。
このようなシーンは特に「失敗時」についカッとなって発生してしまうことがありますので部下の失敗への対応についてコーチングなどの手法を駆使して解決したいところです。

2.侮辱

見下し、無礼、軽視、敵意のある噂など間接的な攻撃をする言葉

2つめは「侮辱」です。非難との大きな違いは「直接的か、間接的か、意図的かどうか」ということになるでしょう。

非難ほど直接的、意図的ではないにせよ、無礼な言動や、人を見下すような態度は本人も気づかぬ間に関係性を崩壊させていることがあります。

この問題がやっかいなのは「本人がそれに気づいていない場合」です。
新入社員などがよくありがちですが、本人としては問題があるとも思っていない言動が、社会人としてはいかがなものか、ということはよくあるでしょう。いわゆるビジネスマナーや気遣いの問題です。

このような問題は信頼関係が築けている場合は本人同士で、信頼関係が築けていない場合は第三者が指摘してあげることが重要です。

3.自己防衛

要因を自分からそらすような言葉 ( 弁明や言い訳 )

3つめ「自己防衛」です。ビジネスマンにとっては「他責」と言ったほうがわかりやすいかもしれません。
こちらも何か注意されたときに現れる言動で、「誰かのせいや、何かのせいにしてしまう」ことです。

一般に物事を他責にしてしまう人は、問題の原因を自分ではない他のものに転嫁し、不可抗力によって「仕方がなかった」というように捉えてしまいます。

具体的な例として「電車が遅れたので、お客様とのアポイントに遅刻しました」という言い訳はよほどのトラブルではない限り、通用しないでしょう。
なぜなら「電車が遅刻することは想定できる範囲のことで、それならばあと15分早く家を出たら良い」だけのことだからです。
自己防衛をされると、「あきれて」しまって関係の質が下がってしまいます。

4.逃避

他人からの関わりに心を閉じ、 非協力的な態度をとること。無視

最後は「逃避」です。これは前述の1〜3の言動の結果生じるものと言えるでしょう。
つまり、上司から非難という言動があり、これによって関係性が壊れてしまったため、次回以降は上司を避けるように行動したり、上司からの叱責を黙って聞き過ごすという行動が生まれるということです。

この例は部下が逃避をした例ですが、その逆もしかりです。
部下に何度も指導を行ったが、まったく成果現れず、本人のやる気も感じないため、上司の側がその部下に対して「逃避」するということもありえます。

このような状況は関係性が完全に壊れており、本人同士では修復が難しいため、第三者による関係性の修復が必要かと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。自分が属する組織では上記の4つの毒素となる言動が発生していないでしょうか。

もし、すでに発生している、予防として4つの毒素を説明しておきたいということがあればミーティングなどで4つの毒素を紹介したり、チームビルディング研修を実施されることをオススメします。

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